日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
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64 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 明石 孝輝, 川村 忠士, 村井 正文
    1982 年 64 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    (1) スギの自然受粉種子により母樹家系別の満1年生苗木を育成し模型精英樹の選抜対象集団とするため単木混交で植栽した。(2) 植栽から3生長期経過後,模型精英樹13本の選抜と対照個体29本の抽出をおこない,同時に高さと根元直径について遺伝率を求め選抜効果を予測した。(3)模型精英樹8本と対照個体12本から自然受粉種子が得られたので,家系を明らかにして,選抜対象集団と同じ方法で次代集団を設定した。(4)次代集団が選抜対象集団における模型精英樹の選抜時と同齢に達したとき,各家系の高さと根元直径の平均値を求め,精英樹家系群と対照家系群とを比較した。この結果,両群間に差はなく,選抜効果は認められなかった.(5) 家系内個体変動は,精英樹象系群のほうが対照家系群より大きい傾向にあり,また,次代集団は,選抜対象集団よりも全変動量および遺伝率が小さかった。(6)選抜対象集団の遺伝率から予測された選抜効果が実際に得られなかった理由は,(5) のことから優性効果の大きかったためと考えられる。(7) 優性効果が大きく生じた原因は,選抜対象集団内の個体に,産地を遺くへだてた精英樹間交配により得られたものが多く含まれるためと考えられる。
  • 生原 喜久雄, 相場 芳憲
    1982 年 64 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    群馬県勢多郡東村にある東京農工大学演習林でスギ・ヒノキ壮齢林の小流域における養分楯環と養分収支について調査した。林内雨量および樹幹流量はそれぞれ林外雨量の84%,4%であった。蒸発散量は林外雨量の63%であった。林床へ供給される1年間の養分量はスギ林でN: 76kg/ha, K: 30kg/ha, Ca: 151kg/ha, Mg: 11kg/ha, 尾根部を占めているヒノキ林でN: 62kg/ha, K: 17kg/ha, Ca:75kg/ha, Mg: 9kg/haであった。スギおよびヒノキ林ともに林床へ供給される養分量のうち樹幹流の占める割合は10%以下で,林内雨の占める割合はN, Ca: 20~30%, K: 60~70%, Mg: 40%であった。これらのスギ林とヒノキ林からなる壮齢林分の1年間の養分収支(林外雨一渓流への流出量)は N: +4.2kg/ha, K: +3.4kg/ha, Ca: -4.6kg/ha, Mg: -1.4kg/ha であった。1年間の養分還元量(林内雨+樹幹流+落葉・落枝類一林外雨)は N: 63kg/ha, K: 18kg/ha, Ca: 107kg/ha, Mg: 8kg/ha であった。
  • 長尾 精文
    1982 年 64 巻 1 号 p. 15-17
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    ボカスギ2年生サシキクローンを用いて,時期をかえ温度条件の異なるファイトトロンガラス室(自然日長)に入れ,光条件の季節的変動がスギの花成反応におよぼす影響についてしらべた。1979年6月1日,8月1日,10月1日および12月1日に温度条件が30°C~25°C,25°C~20°Cおよび20°C~15°C(いずれも12時間ずつの変温で左がa.m. 6:00~p.m. 6:00の,右がp.m. 6:00~a.m. 6:00の間め温度である)の室に入れた。いずれの時期にも温度処理をはじめてから2週間後にジベレリン(GA3,100ppm)の水溶液を散布した。ジベレリン処理の時期によって花成反応にちがいがみられ,雄花は6月処理区で分化しやすくなるが,処理時期が遅くなるにつれてしだいに分化しにくくなる。一方,雌花は8月以後に処理をした場合に分化しやすくなる。このような傾向は,とくに温度条件が30°C~25°Cでつよくみられる。これらのスギの花成反応のちがいは,ファイトトロンガラス室における光条件(日長,光質,光強度)の季節的な変動によると考えられる。
  • 林分における光減衰の解析
    橋本 良二, 須崎 民雄
    1982 年 64 巻 1 号 p. 18-26
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    スギ人工林の光合成生産機講に関する研究(I)林分における光減衰の解析日林誌64: 18~26, 1982 スギ入工林で起こる光減衰に対し,樹冠や林冠の構造を考慮して解析する方法を示し,68年生の高齢林に適用してみた。(1) 林分上から林床に向かう光線は,各樹冠を通過する距離と各樹冠における全器官面積密度に依存して減衰するとして,xyz-直交座標系に各林木の樹冠曲面を定め,林床での光測定結果より光減衰係数を導く方法を明らかにした。(2)この光減衰係数は,光線が樹冠を通過するさいに起こる光減衰の程度をよく表わすが,光線入射角で変化した。光線入射角が50°以下では,ほぼ一定の値を示すようであったが,50°を越えると著しく増大し,両者の関係は,双曲線で近似された。
  • 林道計画を取り入れた収穫予定法と適用事例
    木平 勇吉
    1982 年 64 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 荒井 國幸
    1982 年 64 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
  • 宮浦 富保, 倉地 奈保子
    1982 年 64 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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