日本林学会誌
Online ISSN : 2185-8195
Print ISSN : 0021-485X
71 巻, 8 号
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  • 地形評価指標に関する検討
    堀 高夫, 李 永浩
    1989 年71 巻8 号 p. 303-308
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    林道網計画対象地の地形分類法として,対象地内で傾斜が30%以下の場所および60%以上の場所の面積比率をそれぞれp30, q60 (%) とし, F≡(100+q60-p30)/2で定義される地形指数Fを分類指標とする方法が堀らにより提案されている。まず地形指数F, 傾斜比率p30, q60, 平均傾斜Sm(%) 等の諸関係について, 52カ所の対象地の測定資料に基づいて検討し, SmからFを推定するための式F=1.53(Sm-13,4) 〔適用範囲Sm=18~70%〕, Fからp30q60の概数を雄定するための式p30=(100-F)2/100, q60=F2/100等を得た。また傾斜分布曲線の特牲を示す量として, Sp(%)をそのpパーセンタイルとして,中央値S50,均等係数US75-S25, 曲率係数V≡(2S50-S25-S75)/U等をとりあげ,三つのパーセンタイルから平均傾斜Smを推定するための実験式Sm=S50-11.9V+33V2を得た。
  • シミュレーションモデルの作成
    石橋 整司
    1989 年71 巻8 号 p. 309-316
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    天然林は林分構造が複雑で成長過程が多様を極めており,成長予測は困難であるといわれている。しかし,天然林施業法の研究を進めるにあたっては,天然林の成長過程を解明し成長予測を行うことが不可欠である。本報告の目的は,天然林施業への応用を考慮した天然林の林分成長シミュレーションモデルを作成することにある。本モデルは,林分構造の表現方法として直径分布を,林分成長の表現方法として直径遷移確率を用い,直径分布に対応した直径遷移確率を求め,その直径遷移確率を直径分布自身に適用して新しい直径分布を得るという一種のフィードバックシステムである。そこで,本モデルを「直径遷移確率を用いたフィードバック型林分成長シミュレーションモデル(Feedbacktype Stand growth simulatlon model using Diameter transition probability:略してFSD)」 と名付けた。 FSDによる天然林の成長予測の結果は,トドマツ,エゾマツ林分の特徴や経験的に推定される林分の変化の傾向をよくとらえていると考えられた。
  • パイプの水理特性
    北原 曜
    1989 年71 巻8 号 p. 317-322
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    植物根系によって発生したと推定されるパイプの水理特性を,透水試験などによって明らかにした。試験方法は以下のとおりである。 1) 山腹斜面土層中より,パイプを含めた断面9.5×9.5cm,長さ30cmの土壌サンプルを採取する, 2) サンプルに種々の水頭差をかけて透水試験を行う, 3) パイプ内の土を耳かき状のさじで採取し分析する, 4) サンプルのパイプ部分に石膏を流し込み固める, 5) もう一度,透水試験を行い非パイプ部分の透水係数を求め, 2) との差からパイプフローの流量を算出する, 6) サンプルを分解し,石膏で固められたパイプ部分を取り出す, 7) このパイプ部分の体積,直径など形状を測定する。以上の試験を10サンプルについて行った結果,パイプの形状は断面が離心率039~0.84の楕円形であること,パイプ内の団粒化した土の占める体積は10%以下であること,パイプ内の水の動きにはDARCY-WEISBACHの式が適用でき,MANNINGの粗度係数は0.036~1.364という大きな値を示すことなどが判明した。
  • 富樫 一巳
    1989 年71 巻8 号 p. 323-328
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    材線虫病に冒された林での衰弱木の発生パターンと枯死要因を明らかにするために,クロマツの1林分で4年間に発生した全枯死木についてマツノザイセンチュウとニトベキバチの有無を調査した。木の健康状態を知るために, 5月から10月までの各月に全立木の樹脂滲出能の調査を行った。衰弱木の発生数は6月から8月まで増加したが,その後10月までほぼ同数であった。 6月から10月までに衰弱し始めた168本のマツのうち141本のマツが翌年の5月下旬までに枯れた。マツノザイセンチュウとニトベキバチはそれぞれ99%と16%の枯死木から検出された。 141本のマツには雪によって葉を失った4本のマツ,幹の曲がった2本のマツおよび1本の被圧木しか含まれていなかった。このため,主要な枯死原因はマツノザイセンチュウだと考えられた。 6月から10月までに衰弱を示さなかったのに, 11月から翌年の5月までに19本のマツが枯れた。これらの主要な死亡原因は種内競争だと考えられた。なお,ツチクラゲ,アズマタケおよびナラタケの子実体の発生は認められなかった。
  • 丸山 エミリオ, 石井 克明, 斎藤 明, 右田 一雄
    1989 年71 巻8 号 p. 329-331
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    Multiple shoots were induced by shoot-tip cultures of 5-monthold juvenile seedlings of Cedrela odorata L. on woody-plant medium supplemented with 6-benzylamino purine (BAP). A small concentration of BAP (0.2mg/l) was suitable for shoot proliferation and their later elongation. Large rooting percentages (90%) were obtained on half-strength amounts of the same initial medium containing low levels of indole-3-butyric acid (IBA) and naphthaleneacetic acid (NAA) (IBA 0.5mg/l and NAA 0.05mg/l). Rooted shoots were transferred to perlite substratum for root development and further plantlet growth.
  • 生活環境を守る森林の形成
    遠藤 治郎
    1989 年71 巻8 号 p. 332-336
    発行日: 1989/08/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
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