名古屋大学構内に植栽された7~11年生のアイグロマツ(1978年現在)の呼吸速度を1977年10月から1979年3月まで各月ごとに立木密閉法を用いて測定した。単木地上部呼吸速度の夜間の経時変化は夕刻に高く深夜にかけて徐々与低くなる傾向を示した。またその季節変化はほぼ外気温の変化と対応していたが, 8月に乾燥のためと思われる低下が見られた。温度係数 (
Q10) の値は4月から10月の高温月で1.14~1.79, 11月から3月の低温月で4.27~9.81であった。単木地上部呼吸量とその大きさとの間にぺき乗関係が成立し,とくに地上部乾重との関係ではべき指数が約1となり両者は正比例関係にあると推定された。年間の群落地上部呼吸量は9.22t CO
2/ha yr, 5.66t dry matter/ha yrと推定された。以上のような結果をもとに,方法論,呼吸速度の夜間変化,季節変化,呼吸速度と現存量との関係,林分地上部の年間呼吸消費量,現存量,現存量増分の相互関係が考察された。
抄録全体を表示