ウラジロ群落の現存量や季節変化を,高知県太平洋沿岸中部で調査した。当年生中軸の地下茎からの発生は10月に始まり翌年の5月ごろまで続いた。秋季に発生した中軸は冬の間も伸長を続けた。旧中軸は80%が伸長生長し,残り20%は生長せず枯死するようである。中軸の生存年数は長いもので7年以上と考えられた。葉の寿命は展開後1年から1年半程度であった。群落全体のLAIは5月に2で最:小, 8月に5で最大をしめしたが,当年葉のみのLAIは5月から増加し9月に4で最大となった。同化器官量は7月に500g/m
2で最大, 4月に250g/m
2で最小をしめした。地上部の雰同化器官量は6月に800g/m
2で最大, 3月に550g/m
2で最小であった。地上部全体の現存量は7月が1,300g/m
2で最大, 3月が800g/m
2で最小となった。地上部純生産量は600g/m
2・yrと推定され,同化部,非同化部はそれぞれ350, 250g/m
2・yrであった。生存地下茎の現存量は平均1, 100g/m
2,その延長は平均130m/m
2であった。
抄録全体を表示