小規模私有林の経営は,農家経済の一部として存在している。従ってそれは,農家経済の他の部門との関連の中でとらえる必要がある。すなわち,それの収入面と支出面とを分析し,それの成立基盤を考察する。
わが国の農業は家族経営的である。すなわち,資本家的性格と,労働者的性格とを兼ね備えている。一般勤労者の家計に比して非常に複雑である。わが国の農家経済には,次のような特質があると言えよう。
1.生産と消費との未分離。
2.生産活動は,必ずしも農業生産のみに限られていない。すなわち,農家経済の中で兼業の占めるウェイトが高い。
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