地すべりの被害額は「マニュアル」などに基づき算定されているが, 施設等の直接的な被害に着目したものであり, 間接的な被害への注目度は小さい。しかしながら, 地域の安全安心を考える上で, 社会的影響に関わる間接的な被害の実態を把握することは重要と考える。
本稿は地すべり災害の事例から, 連鎖的に発生した間接的な被害の項目と影響範囲を整理し, それぞれの災害の内容により, 損失の内容や重みが変わるものの, 地すべり災害の社会的影響の規模は交通路途絶による迂回損失を調査することにより近似的に評価できる可能性を示唆するものである。
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