Journal of Surface Analysis
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27 巻, 3 号
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巻頭言
解説
  • 鈴木 昇
    2021 年 27 巻 3 号 p. 149-155
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/12/29
    ジャーナル フリー
    X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy)は表面分析技術として広く利用されている.分析深さ(光電子脱出深さ)は数nmであり,試料表面に存在する元素の同定,見掛け元素組成,特定元素のイメージングなどが可能である.また,種々の解析手法を用いることで,表面層構造を推定することも可能である.これらの利点から高分子,単分子膜およびLB膜などの有機物の評価にも使われているが,X線照射により有機物とくに官能基が分解し,精確な情報を得ることが困難になることがある.ここでは,高分子材料や固体表面上単分子膜などの分解特性の評価法,参照物質を用いた試料損傷因子の求め方について解説する.
  • 白木 将, 白澤 徹郎, 一杉 太郎
    2021 年 27 巻 3 号 p. 156-160
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/12/29
    ジャーナル フリー
    全固体リチウム電池は次世代の蓄電池として期待されているが,その実用化に向けては固体電解質と電極との界面における大きな界面抵抗が大きな課題となっている.我々は薄膜型の全固体電池を用いて電解質/電極界面に関する研究を進め,固体電解質Li3PO4と正極LiCoO2の界面において8.6 Ωcm2の極めて低い界面抵抗を得ることができた.この抵抗はこれまでに報告されている全固体電池の界面抵抗に比べて1桁低いものである.また,放射光表面X線回折を用いて,低抵抗界面と高抵抗界面の界面構造を調べ,電極界面における結晶性が界面抵抗に大きく影響を与えることを明らかにした.本稿ではそのあらましと低抵抗界面作製のための指針について述べる.
エクステンディド・アブストラクト(レビュー)
  • 町田 雅武
    2021 年 27 巻 3 号 p. 161-174
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/12/29
    ジャーナル フリー
    光電子分光法は,物質表面の化学状態を観測する手法の一つである.気体中では装置の放電や劣化といった不具合が生じやすく,またX線の吸収や気体分子との光電子の衝突により信号強度が減衰するという理由から,従来は超高真空中での測定が主となっていた.しかし,試料の環境を超高真空ではなく,より実際の動作環境に近い雰囲気下にて光電子分光測定を実施したいとのニーズの高まりとともに,測定技術は飛躍的に進化を遂げている.本稿では試料周りを大気圧環境下においても光電子分光測定を可能とする最新の光電子分光技術とその事例を紹介する.
正誤表
編集後記
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