以上本編ニ記載セル實驗成績ヲ總括スル時ハ次ノ如シ.
1.副交感神経末梢ノ刺戟剤タルぴろかるぴんヲ皮下注射セル海〓ニ於テハ血中E.L.ノ増加ヲ來シ, 本剤ト拮抗作用ヲ有スルあとろぴんノ皮下注射ニ於テハ血中E.L.ノ減少ヲ來ス.交感神経刺戟剤タルあどれなりんノ皮下注射ニ因リテハ血中E.L.ノ數量ニ著攣ナシ..
2.條癒 (Taenia alba) ノ産出物叉ハ條蟲體乳剤ヲ腹膣内ニ注射セル海〓ニ於テハ血中E.L.ノ増加ヲ來シ, 腸内異物挿入試驗ヲ行ヘル家兎ニ於テハ血中E.L.ノ増加ヲ來サズ.
3.異種動物蛋白 (鶏ノ肝筋, 腸, 卵白) ヲ腹腔内ニ注射セル海〓ニ於テハ血中E.L.ノ増加ヲ來ス.
4.同種動物蛋自 (海〓ノ筋, 肝, 腸肺, 皮膚) ヲ腹腔内ニ注射セル海〓ニ於テモ血中E.L.ノ増加ヲ來ス. 但シ同種動物胎盤浸出液ヲ射セル海〓ニ於テハ血中E.L.ノ減少ヲ來セリ. 以之妊娠時ニ於テ血中E.Lノ減少スル.原因ハ胎盤ニ由來スル或種ノ物質ノ影響ニ因ルナラント思考ス. 猶余ガ實驗ノ結果ヨリ推シテ或種ノ皮膚病ニ於ケル血液え症ノ原因トシテ病的皮膚ニ於ケル自家蛋白分解産物モ亦其ノ一因ナラント推論ス.其ノ他余ガ實驗セルガ如キ方法ニ依ル皮膚刺戟ハ, 血中E.Lノ消長ニ影響ナカリキ.
5.過敏症トえ症トノ間ニハ密接ナル關係存在ス.即チ過敏症反慮ノ一症状トシテ著明ナル血液え症ヲ惹起ス.而テ過敏症反慮ニ特異性存在スルト同様ニ過敏性え症ニモ亦特異性存在スルガ如シ.

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以上本編ニ於ケル實驗成績ヲ総括スルニ家兎ニ於テ, 脾臓及肝臓部位ニ稍々中等度量 (表面放射量2/3H.E.D) ノれんとげん放射ヲ施ストキハ, 正常沈降素 (正常沈降素ハ何レモ反應元2倍稀釋ニ於ナ稍ヤ不明瞭ニ現出セリ) ニ對シテハ殆ンド影響ナキガ如キモ, れんとげん放射後直チニ稍羊血清ヲ以テ免疫スルトキハ, 第1回免疫ニ於テ既ニれんとげん線ヲ放射セザル封照家兎ニ比シテ, 沈降素産生ノ旺盛ナルヲ認ム.第2回第3回免疫後ニ於テモ封照ニ比シ何レモ沈降素産生ノ促進セラル、ヲ観ル.尚ホ免疫ヲ完了セル所謂既生免疫性沈降素ニ對シテモ, 中等量ノれんとげん線放射ハ一糧度促進的影響ヲ與フ.

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