本篇ニ於テハ鳥類 (家鶏, 家鴨), 爬虫類 (水龜, 縞蛇), 兩棲類 (がま) 及ビ魚類 (鯉) ノ血球ヲ以テ家兎ヲ免疫シテ得タル各抗血清ト各種動物血球トル溶血反應ヲ檢シ, 種屬特異性ヲ研究シタルモノナリ.
第3回及ビ第4回報告ニ於テ最モ代表的ナル近親關係ヲ示シタル各種動物血球ニ就キテ所謂Weichardt氏ノ試驗管内吸收試驗ヲ試ミ, 供セテ本研究ノ總括的批判ヲ行ヒタリ.

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比色計ヲ使用スルコトニヨリテ家兎正常溶血索ノ各種動物血球ニ對スル態度ヲ檢索シタリ.本研究ハ余ガ曩ニ發表セル溶血反應ニヨル種屬特異性ノ研究第3回及ビ第4回報告ル參考篇ナルコトヲ茲ニ附言ス.
第1回報告ニ於テ家兎血清ノ各種動物血球ニ對スル正常溶血素ヲ檢索シタリ, 本報告ニ於テハ.家兎正常溶血素ノ年齢的差異ヲ山羊血球ニ對シテ檢索シ, 併セテ比色計ノ結果判定ニ極メテ有効ナルコトヲ報告セントス.

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溶血素調製ハWassermann氏反應檢査ニ, 將又種々ナル溶血反應試驗ニ必要缺グベカラザルトコロナリ.然モ其調製ニ關シテハ從來ヨリ種々ノ方法アレドモ, 特ニ高價ナル溶血性血清ヲ得ルコトハ決シテ容易ナルコトニ非ザルナリ.余ハ血球ノ大量注射1回ニシテ實ニ驚クベキ高價ナル溶血素調製ニ成功シタリ.即チ, 茲ニ山羊血球ヲ以テスルニ比シテ溶血素調製ノー層困難ナル牛血球ヲ以テシタル實驗成績ヲ報告スベシ.

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本報告ニ於テハ家兎正常血清ノ各種動物血球即チ哺乳類8種 (猿, 猫, 犬, 馬, 牛, 山羊, 豚, 白鼠), 鳥類7種 (家鴨, 驚鳥, 七面鳥, 家鶏, 倭鶏, うづら, 鳩), 爬虫類2種 (水龜, 縞蛇) 兩棲類1種 (がま) 及ビ魚類1種 (鯉) ノ血球ニ對スル血球疑集反慮ヲ檢索シタリ.
第1回報告ニ於テハ, 免疫試獸タル家兎正常血清ノ各種動物血球ニ對スル血球凝集反應ヲ檢索シタリ.
本報告ニ於テハ, 山羊血球ヲ以テ免疫スル塲合ノ血球凝集血清調製ニ關スル抗原量及ビ注射回數, 並ニ抗體ノ消長ヲ檢索セリ.
第2回報告ノ研究ヲ基礎トシテ哺乳類血球 (山羊, 牛, 猫, 白鼠) ヲ以テ家兎ヲ免疫シテ得タル抗血清ノ, 各種動物血球ニ對スル血球凝集反應ヲ檢索シタリ.
第3回報告ニ於テ, 哺乳類血球免疫家兎血清ル各種動物血球ニ對スル類屬凝集反應ヲ檢索セリ.本篇ニ於テハ, 鳥類血球免疫家兎血清ノ各種動物血球ニ對スル類屬凝集反應ヲ檢索シタル成績ヲ報告ス.
本研究ノ最終篇トシテ, 冷血動物血球免疫家兎血清ノ各種動物血球ニ對スル類屬凝集反應ヲ檢査シタリ.

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Triphenylmethan及ビDiphenylmphtylmethan色素約80種ヲ使用ン, 死後固定材料ニツキ多染性色素ノ研索ヲ試ミテ特殊多染性色素Chromazurol S couz. 外2種ヲ撰定シタ.代表的色素Chromazurol S conz. ニツキ溶媒及ビ固定液ノ差異ト多染性トノ關係ヲ攻究シ, 更ニ該多染性ノ利用ノー端トシテ二三組織學的檢査ノ目的ニ應用シ興味アル染色法ヲ案出シ得タ.
余ハTriphenylmethan色素約72種ヲ使用シテ死後固定材料ノ染色性ノ研究ヲ試ミ, 特異ナル多染性色素Chromazurol S conz. (G) 他2種ヲ得タ.代表的色素Chromazurol S conz. (G) 二就テ更二溶媒ノ差異, 固定液ノ差異ニヨル多染性ノ縫化ヲ吟味シテ組織學上二鷹用ヲ試ミタ.余ノ實驗成績ヲ総括スルト次ノ如クデアル.
1) Chromazurol S conz. (G) ハ死後固定切片 (脱灰セル) ニ於テ, 次ノ如ク染着セラレル.
脱次骨基質-紅梅色, 骨細胞核-青色, 軟骨膜-あづーる青色, 彌力繊維-帯紫青色, 筋纎維-紫色, 筋細胞核-青色, 神經纎維ノ中, 軸索-褐赤色, 髓鞘-青色, しゆうあん氏核-青色, 神經筋細胞核-暗青色, 同細胞核小體-暗赤色, 同細胞原形質-青色, 赤血球-ふくしん赤色.
12) Chromazurol S conz.(G)ノ染色性ハ, 染色後一般處置ニ對シテ安定デアル.從ツテ一般染色用色素トシテ使用シ得ル.
3) Chromazurol S conz.(G)ノ多染性ハ, 酸性固定液ニヨル固定切片ニ於テ顯著ニアラハレル.コノ意味デZenker又ハOrth氏固定液ハ適當デアル.
4) Chromazurol S conz.(G)ノ多染性ハ水溶液トシテ用ヒタル時ニ顯著ニアフハレル.
5) 細胞及ビ組織ノ種類ニヨリ, Chromazurol S couz.ハ特有ナ多染性ヲアラハス.コノ點ヲ利用スルコトニヨツテ特殊染色法ヲ案出シ得ル.
余ハ, 例トシテ第3章ニ於テ有髓性神經組織, 歯片組織, 膵臓, 腦下垂體ノ諸臓器ニツイテ應用ヲ試ミタガ, 尚將來該Chromazurol S conz.ノ多染性ハ組織染色學上ニ於テ廣汎ニ利用シ得ラレルルモノト信ズル.
多染性色素 Chromazurol S conz. ノ染色機轉ニツイテ電氣學的並ニ分光化學的見地カラ研究ヲ試ミ, 染色機轉ノ解決ニ一部ル根據ヲ掴ミ得タルデ該實驗ヲ基礎トシテ考察ヲ試ミル.

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