余ハ11種ノ金屬膠質ヲ種々ナル量ニ於テ家兎静脈内ニ注射シ, 其血液像ニ及ボス影響ヲ時間的ニ檢索セリ.本篇ニ於テハ實驗ニ供セル金屬膠質中, 蒼鉛, せれにうむ及ビ銅膠質ニ就テ, 其實驗成績ヲ記述セリ.

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余ハ11種ノ金屬膠質ヲ種々ナル量ニ於テ家兎静脈内ニ注射シ, 其血液像ニ及ボス影響ニ就テ, 已ニ本誌上ニ, 3回ニ亘リテ報告セシガ本篇ニ於テハ之等ノ實驗成績ニ就テ總括的觀察ヲ施シ, 金屬膠質ノ静脈内法射ニ依リテ家兎血液像ハ, 金屬膠質ノ種類ト, 注射量ノ多少ニ從ツテ種々ノ影響ヲ蒙ルコトニ就テ詳述セリ.

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家兎ヲ實驗動物トシ, ちふす菌, これら菌ノ2異種菌同時混合免疫ニ於テ, 各菌量ヲ2.1mg及0.015mgニ限定シ, 是ヲ3回ニ分チテ注射シ, 其ノ免疫間隔ヲ抗體産生最高度ニ達スルノ6日間隔卜, 抗體産生途上ニ於ケル2日間隔トニ大別シテ實驗シ, 凝集素産生ニ如何ナル差異ヲ來タスカ, 即各抗原ノ拮抗作用ノ有無ヲ觀ルト共ニ, 又量的關係ヲ1) 等量宛遞増的ニ混合スル時, 2) 等量宛同一量ヲ混含スル時, 3) 各菌量ニ差ヲ置ク時ノ三ツノ塲合ニ分チ且3) ノ塲合ニハ各菌量ノ差著シク大ナラザル時ト, 著シク大ナル時卜ニ於ケル凝集素産生状態ガ或ハ遞増的混合免疫ニ於テ, 或ハ同一量宛ノ混合免疫ニ於テ, 如何ニ現出シ來タルカヲ實驗セルモノナリ.

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家兎ヲ實驗動物トシ, 菌體毒ヲ有スルちふす菌ト産生毒ヲ有スル志賀赤痢菌トノ2異種菌ノ同時混合免疫ニ於テ, 各菌量ヲ0.21mg及0.015mgニ限定シ, 是ヲ3回ニ分チテ注射シ, 其ノ免疫間隔ヲ抗體産生最高度ニ達スルノ6日間隔ト, 抗體産生途上ニ於ケル2日間隔トニ大別シテ實驗シ, 一方量的關係ヲ1) 等量宛遞増的ニ混合スル塲合, 2) 等量宛同一量ヲ混合スル塲合, 3) 各菌量ニ差ヲ置ク塲合トニ分チ, 3) ニ於テハ菌量ノ差著シク大ナラザル塲合遞増的混合免疫ニ於テ, 又菌量ノ差著シク大ナル塲合同一量宛混合免疫ニ於テ, 凝集素産生能ニ各抗原ノ拮抗作用ヲ現出シ來ルヤ否ヤヲ實驗セルモノナリ.

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酵母菌并其製劑ヲたいろーど液ニテ浸出シ, 其濾液ノ種々ナル濃度ノ稀釋液ヲ以テ家鶏胎兒心臟組織ノ發育ニ及ボス影響ヲ觀察シ.次ノ結果ニ到達シタリ.
酵母菌并酵母菌製劑ハ其濃厚ナルモノハ組織ノ發育ヲ阻害シ, 一定ノ濃度ニアリテハ之ヲ促進シ, 稀薄ナルモノハ著明ナル影響ヲ及ボサズ.

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補體結合機轉ニ際シ之ニ對スル補體構成成分ノ態度ヲ研究シ, 之ヲ報告セリ.
以上ノ成績ヲ通覽スルニ, 類脂肪體抗原トシテ各種動物ノ心臟浸出液ヲ製シ之ヲ直接補體血清ニ作用セシメ非働性血清ヲ作リ, 從來唱ヘラレタル所謂抗補體作用ニ於ケル補體成分ノ態度ヲ檢セシニ, 單ニ其ノ4成分ノミガ結合セラレヲルコトヲ知リ得タリ.れちちん或ハひよれすてりんヲ抗原トシテ用ヒタル塲合亦同ジ.
次ニ細菌性抗原トシテ種々ナル菌ヲ撰ビ菌體ヲ直接ニ補體ニ作用セシムルトキハ, 酵母, 靈菌ヲ使用シタルトキト同ジク悉ク第3成分ヲ結合シ其ノ作用ヲ消失セシメタリ.斯クシテ類脂肪體抗原ト,細菌性抗原トノ間ニ補體結合上ノ劃然タル區別ヲ得タリ.茲ニ最モ興味アルコトハ, 酵母或ハ結核菌酒精浸出液ヲツクリ之ヲ使用スルトキハ, 本來ノ第3成分結合性ヲ失ヒ, 第4成分ヲ結合スルノ事實之レナリ.コノ事實ハ前述ノ類脂肪體抗原ガ第4成分ヲ結合スルトノ現象ニ一致スルモノハ云フヲ得ベク結局細菌性抗原ハ第3成分ヲ, 類脂肪體性抗原ハ第4成分ヲ吸着スルト云フコトガ細菌性類脂肪體ノ塲合ニ於テモ見ラレタルモノナルガ故ニ第3成分ヲ吸着スルモノハ蛋白性抗原デアツテ第4成分ヲ吸着スルモノハ類脂肪體デアルト差ヲ認メタルナリ.
次ニ海〓腎臟水浸液 (ふをるしゆまん抗原) ヲ用ヒ實際ヲ試ミタルモ其成績常ニ明瞭ナラズ.是レ恐クハ普通内職水浸液ノ如ク第3成分ヲ結合スル外, 不明物質 (游離類脂肪?) アリ第4成分ヲモ併セテ結合スルモノナランカ.此ノ點ふ氏抗原ノ類脂肪體抗原説ト符合スルトコロアリ.此ノ點ハ更ニ後日ノ研究ヲ俟タントス.
被核血清ヲ直接ニ補體血清ニ加ヘ, 所謂抗補體作用ヲ檢スルニ其成績複雜ニシテ正常家兎血清ニアリテハ主トシテ中節, 末節ノ一部分, 抗體血清ニアリテハ第5成分其他第3, 第4成分ノ各一部ヲ結合スルヲ認メタリ.
次ニ溶血素感作血球ガ補體ヲ結合スル順位ヲ檢シタリ.ぶらんどハ分離血清中, ぐろぶりん層ノ或成分ガ先着シ, あるぶみん層ノ或成分ガ後着スルトノ理由ニヨリ前者ハ中節ト命名シタリ.だいすらハ自家ノ實驗成績ヲ示シ, 「第4成分先ヅ結合セザレバ中節成分ハ結合セズ」ト主張セリ.余ハだいすら實驗ヲ追試シ, 其ノ缺陷アルヲ認メ, 更ニ余ノ補體結合順位試驗ヲ考察シ, 中節系 (中節第3成分) 先着シ, 末節系 (末節, 第4, 第5) 後着スルコトヲ證シ, 若シ之ニ反スルトキハ感作血球ハ補體ヲ結合セザルコトヲ示シタリ.
最後ニ是等種々ナル抗原ヲ可檢血清ト組合セ之ニ補體ヲ加へ補體結合反應ヲ檢シタルニ之ニ對スル補體構成成分ノ態度ハ概ネ岡一ニシテタミ可檢血清ノ免疫度差異ニヨリ種々ナル階級ヲ生ジタルニ過ギザルヤノ觀ヲ呈シタリ.

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當記述ハ, 長崎小兒科地方會本年度總會ニ於テ試ミタ講述ノ要旨デ, ぢ豫防接種ノ現况ヲ紹介シ之ガ實施ヲ慫慂スルト共ニ, ぢ免疫製劑精製ニ關スル本邦ノ實績ト其實際的意義ヲ解説シ, 敢テ述者ノ推論的持説ニ言及シテ, 特ニ純化ニ就イテノ理解ヲ要望シタモノデ, 其存意ハ專ラ當方面今後ノ進展ニ對スル一般ノ留意ヲ期待シ, 之ガ促進ノ一助トセムトスルニアツタ.本内容ハ未ダ杜撰ナ考照ノ下ニ極メテ概括的ナ論述ヲ試ミタルニ過ギナイガ, 上述ノ本旨ヲ徹セシメムト欲シ, 敢テ本誌ヲ借リテ公表スルコトトシタ.同學ノ士ノ御留意卜御教示ヲ得レバ幸甚デアル.

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