余ハ腸ちふすわくちんヲ用ヒテ菌毒素ガ各臓器ニ及ボス變化ヲ長期ニ亘リテ檢索シタルニ, 特ニ甲状腺ニ於テ興味アル所見ニ遭遇セリ.即チ腸ちふすわくちんノ長期間ノ注射ニヨリテ, 増殖性及非増殖性, 瀰蔓性, 膠様性, 大濾胞性, 甲状腺腫及ビ瀰蔓性, 膠様性, 小濾胞性, 甲状腺腫ノ惹起セラレタルヲ知リ, コレヲ系統的ニ實驗觀察セリ.ソノ成續ニヨリテ觀レバ, 増殖性及非増殖性ノ膠様性, 大濾胞性, 甲状腺腫ノ本態ハソノ根本ニ於テハ異ナレルモノニハ非ズ, 叉兩種甲状腺腫ノ發生ニハ必シモ副腎ニ於ケル機能低下又ハ廢絶ニ由ルモノニ非ザルヲ學べリ.而シテ甲状腺腫ノ非地方病性發生ノ成因ノ一トシテ慢性毒性物質ノ刺戟ヲ擧ゲント欲ス.
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