土木学会論文集F4(建設マネジメント)
Online ISSN : 2185-6605
ISSN-L : 2185-6605
70 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
和文論文
  • 小林 晃, 山本 清仁, 岡田 謙吾
    2014 年 70 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/01/20
    ジャーナル フリー
     ため池堤体の維持管理は効率的かつ経済的であることが重要である.本論文では,堤体内部の調査を簡易であるが,多くの情報を取得できる手法を提案する.弾性波測定の震源に締固めランマーを用いた2つのジオホーンによる内部の弾性波速度分布の測定方法,および電気探査,電磁波探査,弾性波探査結果を合わせて自己組織化マップを作成し,内部状況を推定する方法について提案する.また,実際のため池堤体にこの手法を導入し,内部状況を推定した事例を示す.
     本手法は一つのため池堤体で3時間程度の測定で全行程を行えることから,1日複数個所の測定が可能であり,数多くのため池調査への活用には有効な手法である.
  • 鈴木 貴大, 堀田 昌英
    2014 年 70 巻 1 号 p. 11-24
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
     近年,建設投資の減少による建設業界の過当競争を問題視して産業保護の目的から全国で最低制限価格を引き上げた結果,くじ引き入札が多発し,入札の意義が問われている.本研究は,オークション理論を通して最低制限価格の運用に対する政策的含意を与えることを目的とした.予定価格,最低制限価格を周知した対称入札について均衡解を示し,最低制限価格の引き上げが技術力の優劣に正逆する恩恵を施すという副作用を示した上で,比較対象として入札者の技術水準の反映が極度に非効率的なメカニズムを提示し,現行の施策がこれに劣ることを示した.また,(1) 非対称入札への拡張によって技術力の劣る企業ほど薄利で入札すること,(2) 最低制限価格の事前公表がない場合をモデル化し,ある条件の下では上記の歪んだ恩恵配分が依然として存在することを示した.
  • 小濱 健吾, 貝戸 清之, 小林 潔司, 古野 幸夫
    2014 年 70 巻 1 号 p. 25-37
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,路上落下物などの道路障害物の発生に起因する苦情の発生メカニズムをモデル化し,障害物・苦情に関するリスク管理水準を考慮した最適道路巡回政策を決定するための方法論を提案する.具体的には,道路障害物の増加が苦情の発生頻度に影響を及ぼすという関係を明示的に考慮するために,道路障害物の発生過程を下位モデル,苦情の発生過程を上位モデルとするような階層的隠れポワソンモデルを定式化する.その上で,巡回費用と応急対応費用で構成される総費用を最小にするような道路巡回政策を求めるための最適巡回政策モデルをマルコフ決定モデルとして定式化する.最後に,一般国道を対象とした適用事例を通じて,本研究で提案した方法論の有用性について実証的に分析する.
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