土木学会論文集F4(建設マネジメント)
Online ISSN : 2185-6605
ISSN-L : 2185-6605
69 巻, 3 号
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和文論文
  • 吉田 武
    2013 年 69 巻 3 号 p. 176-189
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     供用中の性能に着目した性能規定型契約方式を,インプット・ベースの積算体系を有する日本の公共調達に導入するには解決すべき法制度的課題が多い.本研究では,当該方式を構成する概念を性能規定,性能保証,包括化,連続化,長期化の5つと定義し,世界中の契約事例の事後評価を通じて当該方式の実施効果が多面的であることを指摘した上で,各効果と上記概念との関係を明らかにする.これらの概念を道路維持管理に導入することで,いかなる実施方式の下でも,管理者費用の縮減と利用者便益の増大を達成することが可能となる.道路維持管理のマネジメント・サイクルとして,業務手順の見直し機能を組み込んだPlan-Do-Check-Act cycleを提案する.業務手順の具体的な改善方策についても提案する.これらの提案は,当該方式の導入に不可欠な準備ともなる.
  • 井上 雅夫, 小澤 一雅, 藤野 陽三
    2013 年 69 巻 3 号 p. 190-203
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     近年,我が国では設計技術の変化,設計業務の入札契約方式の変化など多くの要因により土木設計照査制度のあり方が問題となっている.日本,米国,英国,ドイツ等において行政が運用する道路橋設計照査制度について,監査論等を参考に視点を設定し比較整理した.その結果,米国,英国,ドイツの照査制度では,発注者の照査義務の内容,受注者等による照査の信頼性などは異なるが,1)発注者の照査義務が明確,2)発注者における照査担当組織の整備,3)受注者等による照査の履行の担保,が共通してなされていることがわかった.国土交通省の照査制度では,1)~3)がなされていない.発注者および受注者等による照査の履行が担保されておらず,そして,受注者等による照査の信頼性が低いと考えられる.
  • 水谷 大二郎, 貝戸 清之, 小林 潔司
    2013 年 69 巻 3 号 p. 204-221
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
     社会基盤施設の老朽化が進展した場合には,施設の健全性を回復するために補修が実施される.すでに,社会基盤施設に関して膨大な補修実績が存在するものの,補修効果の定量的評価についてはほとんど研究成果が蓄積されていないのが実情である.本研究では,RC床版を対象として,目視点検データを用いた統計的劣化予測を行い,その予測結果に基づいて補修効果を事後的に評価する方法を提案する.具体的には,混合マルコフ劣化ハザードモデルとその階層ベイズ推計を援用し,床版個々に対して補修前後の劣化過程に介在する異質性を考慮した劣化予測を行う.さらに,補修前後の劣化速度に対する相対評価を通して,過去に実施された補修効果を事後評価する.最後に実際の点検データを用いて提案した手法の有効性を分析する.
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