鋼構造物におけるコスト削減・省力化のため,接合部のコンパクト化が注目されており,それを可能とする超高力ボルトの登場が待たれている.このような背景の中で,物質・材料研究機構は,材料強度が1,800N/mm
2級の水素感受性の低い超高力ボルト用鋼材を開発した.本研究では本材料を用いた超高力ボルトの実現を目指し,耐遅れ破壊に有効なねじ形状を提案するため,従来のねじ形状を比較対象にしたFEM解析を行い,ねじ部の応力集中をより緩和できる,より簡易な新しいねじ形状を提案した.さらに,提案した新しいねじ形状の基本性能を確認するため,引張破断試験およびリラクセーション試験を行った.これらの結果より,提案した新しいねじ形状は1,800N/mm
2級超高力ボルトに適用可能であることを示した.
抄録全体を表示