情報知識学会誌
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22 巻, 4 号
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特集 第17回情報知識学フォーラム「震災の記憶・記録とアーカイブズ」
  • 梶川 裕矢
    2012 年 22 巻 4 号 p. 287-288
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
  • 河合 美穂
    2012 年 22 巻 4 号 p. 291-297
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
     東日本大震災の地震・津波災害,原子力災害の記録・教訓等を誰もがアクセス可能な一元的に活用できる仕組みを実現するために,国立国会図書館では,国立国会図書館東日本大震災アーカイブ構築プロジェクトを開始した.プロジェクトの活動として,震災の記録等の収集,統合検索等のアーカイブシステムの構築について紹介する.
  • 宮本 聖二
    2012 年 22 巻 4 号 p. 298-307
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
     2011 年 3 月 11 日の地震発生と同時に、NHK は緊急報道に取り組み、その後は、地震や津波のメカニズムに科学的なアプローチで迫る、震災時の人々の行動心理を分析する、また、がれき処理や復興の課題を追求するなどから、地域の復興支援をねらいにした歌謡番組なども含めて、さまざまなテーマや視点で番組を作り、放送を出し続けている。
     一方で、放送局として東日本大震災をインターネットで伝えることにも取り組んでいる。多くの人々がネットで動画コンテンツや情報を得ようとしているブロードバンド時代のいま、放送局としては放送を出すとともに、ネットにコンテンツを提供することはきわめて重要である。ここでは、筆者が編集責任者をつとめている「NHK東日本大震災アーカイブス」について、制作の経緯から、あの震災を伝えていくためにどのような試みを続けているのかを述べたい。
  • 岡本 真
    2012 年 22 巻 4 号 p. 308-315
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
     災害の記録を伝えるアーカイブズ(震災アーカイブズ)の現状と課題を主に東日本大震災を中心に論じる。さまざまなアーカイブズを記録主体(自治体、大学等、企業ほか)、記録対象(画像、動画、文章、ウェブほか)、記録方法(デジタル、アナログ、両方)等の観点で分類をおこなう。その上で、現在の日本における震災アーカイブズを巡る課題を指摘する。特にデジタルデータへの傾斜や法的課題、二次利用の壁等についての問題提起を図る。
  • Itoko KITAHARA
    2012 年 22 巻 4 号 p. 316-327
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
     本論は災害史研究において、歴史資料の果たす役割を具体的に示すために、江戸・東京という日本の首都で発生した地震災害のうち、1703 年元禄地震、1855 年安政江戸地震、1923 年関東大震災を対象として、歴史資料を通して、時代の変遷のなかで災害像はどのように変化するのか、あるいは災害の歴史を通じて共通に認められる社会事象とはなにか、すなわち、災害の社会像について考察した。その結果、進歩や開発という理念を持たない近世社会は大災害に遭遇しても都市の基本構造を変えることはなかったが、近代の関東大震災のような都市を焼き尽くす大災害では、災害を好機と捉え、都市計画による都市の再生・復興が行われた。また、本論では特にいまだ元禄地震における江戸市中の被害が明らかになっていない理由が前後の火災の広範な延焼範囲によって地震被害の実相がマスクされた可能性が高いことを指摘した。
  • 松島 茂
    2012 年 22 巻 4 号 p. 328-335
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    本稿では、最近、歴史学、政治学、社会学の分野において活用されるようになったオーラル・ヒストリーとはなにかについて説明するとともに、筆者がこれまでに実施してきた機械工業振興臨時措置法のオーラル・ヒストリー、トヨタ技術者のオーラル・ヒストリー及びラオス企業家のオーラル・ヒストリーを紹介した。その上でオーラル・ヒストリーの実践のためには、インタビューの対象となる事象の起こった時点とインタビューをする時点の時間的距離、インタビューをする側と語り手の心理的距離について考慮することが重要であると指摘した。さらにオーラル・ヒストリーの手法を震災の記憶・記録に活用する場合の留意点について考察を行った。
  • 奧村 弘
    2012 年 22 巻 4 号 p. 336-343
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
  • 中嶋 英充, 池田 貴儀, 米澤 稔, 板橋 慶造, 桐山 恵理子, 岩田 修一
    2012 年 22 巻 4 号 p. 344-353
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
     日本原子力研究開発機構(JAEA)図書館では,福島第一原子力発電所事故に関する参考文献情報を収録したウェブサイトを構築し,2011年4月よりインターネットを通じて発信している.発信する情報は毎月更新され,その数は約1万5千件に達している.JAEA図書館では,国及び東京電力のホームページ上に公表された放射線モニタリングデータ,原子炉プラント状況等の情報を収集・整理し,福島原発事故アーカイブとして運用することを検討している.本稿では,JAEA図書館が発信している福島事故参考文献情報の内容を紹介し,併せて福島原発事故アーカイブ構築に関する課題を提起する.
  • 杉本 めぐみ
    2012 年 22 巻 4 号 p. 355-364
    発行日: 2012/11/04
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    電子付録
     防災上,2004年のスマトラ沖津波の教訓を生かすことが出来なかった2011年の東日本大震災を鑑みて,災害記録を次の災害に備えるためにはどのように生かしていくべきか.その記録は,今なお被災地や県外の避難場所で苦しんでいる被災者の気持ちからかけ離れてはいないのか.我々はどのように激甚災害に備えるべきか, 被災者とどう向き合うべきなのか.まだ回答は見つからない中で,これから我々が取り組むためのヒントを見つけるため,大規模災害経験の先を行くインドネシアのアチェではどうなっているのか,アチェでの7年間の防災教育を通じた取り組みを参考に紹介する.
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