情報知識学会誌
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27 巻, 4 号
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特集 第22回情報知識学フォーラム
  • 2017 年 27 巻 4 号 p. 296
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー
  • 知京 豊裕
    2017 年 27 巻 4 号 p. 297-304
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     近年、材料科学とデータ科学を融合したマテリアルインフォマティクスが注目されている。従来のマテリアルインフォマティクスは、計算科学、ハイスループット材料合成・評価、材料データを蓄積したデータベースを組みわせて、材料開発をすすめるものであった。最近では、計算科学の自動化やテキストマイニングで得られたる大量のデータに機械学習や深層学習を加えた材料探索など、データ科学を使った新材料開発も進められている。ここでは、マテリアルズインフォマティクスの現状と各国の取り組み、そこから見えてくる課題をまとめる。

  • 堀井 洋
    2017 年 27 巻 4 号 p. 305-308
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     地域に現存する博物資料に関する情報のオープン化は,大学・自体における情報公開の流れの中で 急速に進んでいる.今後,インバウンド観光の推進や地域学習の普及などによって,さらにこの動きは発展することが予想されるが,古文書や標本・考古遺物など多様な地域の資料をオープン化するためには,資料の存在肯定から整理・保管・デジタル化までを一体的に考える必要がある.本発表では,事例を通して現状や課題を整理・考察する.

  • 船守 美穂
    2017 年 27 巻 4 号 p. 309-322
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     2013年にG8科学大臣会合において研究データのオープン化を確約する共同声明が調印されてから,「オープンサイエンス」という標語による施策が,各国で展開されるようになっている.一方で,その標語の概念が広く曖昧であるためか,アカデミアにおいてこの考え方は十分に浸透していない.大学等学術機関についても,これについてどこまで対応すべきなのかが明確に理解されていない.
     ここでは,オープンサイエンスを3の大分類,10の小項目に分け,それぞれの項目についてアカデミアの受容可能性と大学等としての対応を検討し,オープンサイエンスを進めていく上での大学等の役割と課題を考察した.大学等は公的研究資金を得た研究成果の公開や研究不正に対応した研究データ保存といった義務化に対応するだけでなく,オープンサイエンスに関わる啓蒙・普及活動と環境整備を機関内で進め,学術が新たな次元に移行していることへの対応を図ることが肝要と考えられる.

  • 森 雅生
    2017 年 27 巻 4 号 p. 323-328
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     本稿では, Institutional Researchの実務的見地に立ち,オープンサイエンスがどのような観点で大学経営に資することができるか,その期待について述べる.まず,Institutional Researchの意義と目的を示し,最近のIRの動向について簡単に紹介する.次に,大学が研究機関として何をするべきかを検討するため,研究機関に対する評価(経営判断)のフレームについて私見を述べる.それに沿って,オープンサイエンスの取り組みがどのように大学経営と関わるかを述べる.

  • 吉川 次郎, 高久 雅生
    2017 年 27 巻 4 号 p. 329-336
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     本研究では,2015 年,2016 年,2017 年3 月時点の日本語版,英語版,中国語版Wikipedia におけるDOI リンクを対象に,経年変化に着目した分析を行なった.結果,(1) 各言語版におけるDOI リンクの件数は経年的に増加していること,(2) 各言語版において独自に参照されているDOI リンクは経年的に増加していること,(3) 日本の学術情報の参照記述は,他の言語版に比べて,日本語版において多いこと,(4) 日本の学術情報の参照記述は,各言語版において独自に参照されており,経年的に増加していることが明らかになった.

  • 宮本 健弘, 笠原 禎也, 高田 良宏, 松平 拓也, 林 正治, 松木 篤, 上田 望
    2017 年 27 巻 4 号 p. 337-342
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

    近年, 世界では「オープンサイエンス」の動きが盛んになっている. これに伴い, データ公開システムの重要性は年々増加しており, 機械可読性を持ち, 人間と機械双方にとって便利なリポジトリシステムの需要が高まっている. しかし, 研究機関独自に開発されたデータ公開システムの多くは, 汎用性や利便性, システム間連携の面で問題を抱えているのが現状である. これらの背景から本研究では, 「JAIRO Cloud」などで実績がある国立情報学研究所開発のWEKO を用いて, 金沢大学内の環日本海域環境研究センター及び国際文化資源学研究センターのデータリポジトリの構築を行っている. 構築に当たっては, 研究データを広く社会に公開する目的に加え, 研究データを保有する研究者らがリポジトリの管理に精通していなくとも, 自ら登録, 修正などを行える環境の整備を進めている.

  • 高田 良宏, 古畑 徹, 林 正治, 堀井 洋, 堀井 美里, 上田 啓未
    2017 年 27 巻 4 号 p. 343-346
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     金沢大学では,資料館の所蔵資料のデータベース機能とWeb上での仮想展示機能を有したリポジトリ「金沢大学資料館ヴァーチャル・ミュージアム」の実現に向けて取り組み,2011年度に一般公開を開始した.金沢大学資料館ヴァーチャル・ミュージアムは,大学が所蔵する多様な非文献資料のリポジトリとして先進的な成果を挙げてきた.また,本事業に端を発した学術資源リポジトリ協議会は,機関横断的なリポジトリの構築を試みるなど,大学の枠を超えて展開している.順調に発展してきた金沢大学資料館ヴァ―チャル・ミュージアムは,いま岐路に立たされている.本報告では,今後のあり方を考えるため,金沢大学資料館ヴァ―チャル・ミュージアムの開発思想と構築の歩みを振り返る.

  • 根本 しおみ, 高田 良宏, 堀井 洋, 堀井 美里, 飯野 孝浩, 林 正治
    2017 年 27 巻 4 号 p. 347-352
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     天文学研究資料は機器や乾板,設計図等多岐にわたっており,我が国の天文学や自然科学の発展を記録した重要な資料である.また,これら資料群は国内の大学や研究機関に広く保管・収蔵されている.資料の種類や機関を横断した資料情報の整理の手法として,我々はデジタルオブジェクト識別子(DOI)を用いた「サブジェクトリポジトリ」の構築を目指している.その嚆矢として,国立天文台岡山天体物理観測所の資料群を対象にサブジェクトリポジトリの構築を試みた.天文学分野では,常に最新の科学技術が研究・観測に適用され,かつ観測プロジェクト単位で観測機器を独自に製作・運用する,いわゆる一品物の観測機器等が多いことから,観測データを再利用するには併せて観測機器やその図面,マニュアル等の関連資料についてもリポジトリ化・オープン化することが求められる.本稿では天文学研究資料の分類,サブジェクトリポジトリの構築,および,DOI による観測機器を中心とした資料間の関連付けの検討について報告する.

  • 上田 啓未, 堀井 洋, 堀井 美里, 竹松 幸香
    2017 年 27 巻 4 号 p. 353-356
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     美術館・博物館での資料利活用の一つとしてミュージアムグッズ(以下:M グッズ)が挙げられる。しかし、現在販売されているM グッズのほとんどは、資料(作品含む)についての情報掲載が少なく、M グッズから資料について詳細情報を得る手段は用意されていない。一方資料情報の公開については、詳細な資料データベースを持つ館から、目録が十分整えられていない館まで様々で、一定のレベルでの資料情報の公開を各館が行うのはまだ難しい。
     そこで我々はM グッズを通して資料情報を得る試みを行った。それにより資料情報の電子化公開が難しかった機関からの情報公開を実現した。M グッズと資料情報との関連付けはQR コードを用いた。公開される資料情報によっては、M グッズを通してのミュージアムコミュニケーションが可能となる。これらはM グッズに博物館における新たな役割を持たすものである。本発表では、開発したM グッズの概要と今後の可能性について述べる。

  • 堀井 洋, 堀井 美里, 上田 啓未, 林 正治, 高田 良宏, 山地 一禎
    2017 年 27 巻 4 号 p. 357-361
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     科学実験機器資料など学術資料に対しては,組織・機関を越えた横断的な情報共有と,広く社会に向けた公開および活用が求められている.著者らは,これまで明治・大正期の科学実験機器資料や教育掛図資料に関する資料情報についてサブジェクトリポジトリを構築し,大学や自治体博物館に所蔵されている約800 点の資料情報を公開している.さらに,それらに対してデジタルオブジェクト識別子(DOI: Digital Object Identifier)を付与する試みを実施してきた.本発表では,“科学実験機器サブジェクトリポジトリ”の概要について報告するとともに,広く社会おいて資料情報を公開・活用する試みとして,SNS への資料情報の掲載や博物グッズとの連携などについて紹介する.

  • 常川 真央, 天野 絵里子, 大園 隼彦, 西薗 由依, 前田 翔太, 松本 侑子, 南山 泰之, 三角 太郎, 青木 学聡, 尾城 孝一, ...
    2017 年 27 巻 4 号 p. 362-365
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     研究データ管理は,研究プロセスの透明性を高め不正を防止する目的とともに,オープンサイエンスにおける研究データ共有を支える重要なプロセスである.しかし,研究データ管理のスキルを持つ人材はまだまだ少ないのが実状である.そこでオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は,研究データタスクフォースを組織し,研究データ管理(RDM)のスキルを習得するためのトレーニングツールを開発し,2017年6月6日にWeb上で公開した.さらに,国立情報学研究所に協力し,オンライン講座「オープンサイエンス時代の研究データ管理」を11月15日に開講する予定である.本発表では,こうしたRDMの習得を支援する一連の活動について紹介したうえで,今後の研究データ管理業務を担当する人材育成について論じる.

  • 林 正治, 林 洋平, 田邉 浩介, 青山 俊弘, 池田 大輔, 行木 孝夫, 山地 一禎
    2017 年 27 巻 4 号 p. 366-369
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     近年、高等教育機関・研究機関における機関リポジトリの普及に伴い、機関リポジトリが持つ可能性とその活用に向けた議論が盛んである。その議論の中心にある、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の次世代リポジトリWG では、世界中に分散した機関リポジトリを地球規模の学術コミュニケーション・ネットワークとして位置付け、新たな付加価値サービスの展開を想定したユースケース及び技術の検討を行っている。我々の研究グループでは、こうした状況を鑑み、主要なオープンソースリポジトリソフトウェアの技術比較を行ってきた。本発表では、技術比較結果の考察および技術史的な視点から、次世代リポジトリソフトウェアに求められる技術的な機能像を明らかにする。

  • 中渡瀬 秀一
    2017 年 27 巻 4 号 p. 370-372
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     内閣府によるオープンサイエンスに関する検討会を経て,論文や研究データ等の利活用促進を拡大することが国の基本姿勢と定められた.今後はこの活動が定着してゆくのかを定量的にも見定めてゆく必要がある.本稿では公開される研究データの現状把握にまず主眼を置き,助成金による研究プロジェクトの成果に含まれる研究データの公開状況について調査した結果を報告する.

  • 天野 晃
    2017 年 27 巻 4 号 p. 373-376
    発行日: 2017/12/02
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー

     スペクトラルグラフ理論は、グラフの特性をその隣接行列の特性多項式の問題として扱う理論およびテクニックの総称である。主な応用として化合物における構造解析があり、系統の近い分子の比較や構造の特徴量の算出に用いられる。この報告では、従来の理論を改良した、分子の系統の近遠に係わらずさまざまな分子構造の量的マッチが可能となるインデックス作成法を提案する。

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