情報知識学会誌
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31 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 2021 年 31 巻 4 号 p. 425-427
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー
  • 中村 裕一, 近藤 一晃, 赤石 大輔, 徳地 直子
    2021 年 31 巻 4 号 p. 428-433
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     学術情報メディアセンターとフィールド科学教育研究センターの有志でフィールドに関するデータの蓄積・活用に関する検討を行ってきた.本稿では,その一つの試みとして,フィールドワークの体験を記録して教育・研究に活用する枠組みについて紹介する.また,高校生のような若い世代に仮想的なフィールドワークをしてもらう試み(サイバーフィールドワーク) とそこから得られた知見を紹介する.最後に,このようなデータの蓄積・共有・利活用のために必要なデータマネージメントについて考える.

  • 伊藤 智明
    2021 年 31 巻 4 号 p. 434-439
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     研究者は,自らのキャリア形成と共に,研究データを組織化し,研究成果を上げて,さらには,研究データを活用し,研究成果を社会実装する,という緩やかな循環をつくることになる.したがって,研究データの組織化と活用は,自らがいかに,どのような研究成果を上げて,研究コミュニティに貢献し,研究者として生存していくかを構想する上での重要な論点の一つとなる.また,研究成果の社会実装を目指す上でも,研究データの組織化と活用は,外せない論点の一つである.本発表では,私がこれまでに行ってきた起業家との対話の逐語記録の作成と蓄積を事例に,研究データの組織化と活用の取組みを紹介する.事例の紹介にあたっては,起業家との対話の逐語記録の作成と蓄積についての現状と課題を提示する.

  • R.Michael FEENER, Noboru ISHIKAWA, Patrick DALY
    2021 年 31 巻 4 号 p. 440-445
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

    Recent developments have made technologies such as LiDAR and photogrammetry visualizations more widely accessible to scholars in the humanities. This, in turn, is currently facilitating the production of larger and more complex data sets than those that have heretofore been associated with Digital Humanities. This new turn has stimulated innovative work in a number of fields, but also given rise to new challenges for researchers, IT departments, and university libraries. This paper highlights a number of such issues related to the management of research data with reference to the work the Maritime Asia Heritage Survey (MAHS) based at Kyoto University's Center for Southeast Asian Studies. The MAHS uses traditional archaeological survey techniques while also incorporating data capture through newer technologies of LiDAR scanning, RTK/GIS, digital photography and video, photogrammetry, CAD, and 3D modelling to produce interactive visualizations, IIIF deep-zoom digitized manuscripts, oral history recordings, architectural plans and elevations, and orthophotomaps integrated into robust records in an Arches database. Establishing this project at Kyoto University has highlighted the importance of developing new hardware infrastructure, policy guidelines, and support for the long-term management of the digital knowledge resources as crucial aspects of the institutional infrastructure for research universities in the future.

  • 齊藤 智
    2021 年 31 巻 4 号 p. 446-451
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     オープンプラクティスとは,オープンサイエンスの理念を実現するための個別具体的な研究実践である.心理学におけるオープンプラクティスには,オープンアクセスやオープンデータなどの研究完了後に行われるものだけでなく,事前登録,事前審査,オープンレビュー,プレプリント公開など,一連の研究活動の中に組み込まれているものも多い.それぞれにその目的と期待される役割があるため,独自の展開をたどっている側面があるが,今後は,複数のオープンプラクティスが,1つのパッケージとしてまとめられ,研究の開始から成果の公開まで,ごく自然に透明性とアカウンタビリティが高められるような仕組みが構築されていくことが望まれる.

  • 山本 章博
    2021 年 31 巻 4 号 p. 452-461
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     「AI戦略2019」においては,文理を問わず全ての大学生・高専生に対して初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得することが掲げられた.大規模かつ多様な学生に対する教育課程を設計するには,モデルとなるカリキュラムだけなく,一段高い視点からの教育課程の設計が必要となる.そこで本稿ではデータサイエンス・プロセスに着目する.データサイエンス・プロセスを提示することにより,教育者も学習者もデータサイエンスの基盤となる学術の構成に依存せず,データサイエンスの目的を明確にして学修すべき内容を設計することが可能となる.特に「データ解析と推論」に対して「データの取得・管理・加工」が比肩して重要であることも理解可能となる.最後に,データサイエンス・プロセスとソフトウェア開発モデルを比較し,新しいデータサイエンス・プロセスの可能性にも触れる.

  • 山島 一浩
    2021 年 31 巻 4 号 p. 462-465
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     デジタルアーカイブは,重要記録をデジタル技術で保存・活用するものである.地域の歴史や文化は,その地域に生きる人の生活力,知恵などをみる上で重要であり,そこに学生の活力になるのではないだろうかと考えた.学生は,画像を撮影するために携帯電話を使って撮影を行った.また,3Dスキャナは,今の段階で,操作上ある程度の品質が確保されるものではない.しかし,学生が撮影したものがそのまま出力した. Webベージでは,A-FrameでVRやARが自在に掲載できるようになる.Glitchを使うことで,学生がその場でWebページを見ることができる.Webページに地方の歴史遺産を、自分のカメラで撮影し、デジタルアーカイブ化を試みた.そのことで,説明を加えることが重要と考えることになり,説明をするために,文献に目を通す機会が増えたことに繋がった.

  • 長塚 隆
    2021 年 31 巻 4 号 p. 466-469
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

    公共図書館では地域資料として自治体が発行する印刷体の広報誌を収集している.神奈川県の多くの自治体のホームページではデジタル版広報誌の公開は近年のものに限定されていた.現在,デジタル版広報誌は国立国会図書館のNDL WARPが収集しているが,複数の自治体ではデジタル版広報誌の利用を国立国会図書館内に限定していた.東京都23区で同様の調査を実施し,複数の区でデジタル版広報誌の閲覧が国立国会図書館内に限定されており,神奈川県の調査と同様の結果であり,デジタル版広報誌の公開制約がより普遍的な傾向であることが明らかになった.

  • 堀井 美里, 小川 歩美, 堀井 洋, 高橋 和孝, 野坂 晃平, 川邊 咲子, 後藤 真
    2021 年 31 巻 4 号 p. 470-473
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     発表者らは,2020年から合同会社AMANE・国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター・岩手県奥州市教育委員会で締結した「産学官連携に基づいた地域資料継承支援事業に関する覚書」に基づき,奥州市が所蔵している歴史的な地域資料の調査・研究を行っている.そこで,本発表では,地域資料の保存・継承・活用のために必要な情報を記録する「地域資料情報継承記録モデル」の内容と構築の過程について報告し,課題について考察するものである.

  • 小川 歩美, 堀井 美里, 堀井 洋, 川邊 咲子, 後藤 真, 高田 良宏
    2021 年 31 巻 4 号 p. 474-477
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     研究データをもとにした研究成果を発表する場として,研究集会がある.コロナ禍により,発表・議論はオンラインもしくはハイブリッドで行われることが多くなった.発表の公開は,予稿集の作成や発表資料の共有のほかに,発表・議論の様子を録画し,動画サイトなどで共有することも増えている.このように研究集会にオンラインが取り入れられることで,発表の内容を文字や画像でまとめた情報として共有するとともに,発表や議論の実際の様子そのものを映像で公開することも可能となった.また,動画へのアクセス数などから研究集会後の発表へのアクセスの可視化にもつながる.その一方で動画として公開されることへの配慮や,動画のみを見ている人からのフィードバックをどう得るかについて考える必要がある. 本発表では,「学術野営2021 in 奥州市」を事例に,発表・議論の公開のより効果的な手法について考察する.また,研究成果の社会還元という観点から,地域と連携・協働して行う研究集会の面も紹介する.

  • 五島 敏芳, 戸田 健太郎
    2021 年 31 巻 4 号 p. 478-481
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

    永続識別子のうちDOI(Digital Object Identifier)やHandle Systemは日本でも人口に膾炙したといえようが,ARK(Archival Resource Key)は日本で普及したといえない.ARKは,他の永続識別子の体系にない特徴を持つ:すなわちアーカイブ資料と適合的な階層的取り扱いが可能なことである.本報では,京都大学研究資源アーカイブの運用する京都大学デジタルアーカイブシステムPeekにおける日本で最初のARK利用の取り組みを紹介する.この事例から,近い過去までの教育研究のアーカイブ資料を対象としたときに永続識別子を階層化することの有効性と,調査・整理等の資料管理の進行にそくして持続的アクセスとともに可能な範囲の資料を公開できる可能性について,展望する.

  • 西岡 千文, 宮田 怜, 村上 史歩
    2021 年 31 巻 4 号 p. 482-485
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     オープンサイエンスの潮流の中,健全な学術の発展,データ利活用によるイノベーションの創出などを動機として,適切な研究データ管理・公開が求められている.本稿では,京都大学図書館機構の研究データ管理・公開支援の取り組みとして,ポリシー等の策定,体制づくりと,京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)での研究データ公開事例について紹介する.ポリシー等については,これまでに京都大学は「京都大学研究データ管理・公開ポリシー」,「実施方針策定のためのガイドライン」を図書館機構も携わって策定している.これらの策定までの経緯とともに,現在の取り組みを示す.研究データ公開支援については,KURENAI での研究データ公開件数とその内訳を示すとともに,ファイルサイズ,公開範囲を限定した共有等の課題を報告する.

  • 松平 拓也, 笠原 禎也, 高田 良宏, 濵 貴幸, 蟹屋敷 祐介
    2021 年 31 巻 4 号 p. 486-492
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     金沢大学は,令和2年度「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)」の採択を受けた.本事業の柱の一つとして,本学研究者に対する研究データマネジメント(RDM)基盤のインフラ提供を掲げており,我々は本学研究者に対するRDM基盤のシステム構築を進めてきた.本学におけるRDM基盤は,国立情報学研究所が提供する研究データ管理サービスであるGakuNin RDMを利用することとし,データを保管するストレージは外部クラウドサービスと学内ストレージのハイブリッド形式とした.本報告では,我々が構築したRDM基盤について説明するとともに,今後の展望についても述べる.

  • 石﨑 潤, 吉岡 正昭, 西村 治彦
    2021 年 31 巻 4 号 p. 493-496
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     高齢化に対応するため,厚生労働省は地域包括ケアシステムを推進している.これにはかかりつけ医を中心に,医療・介護に関係する施設間での連携,そして情報共有が重要である.医療分野における情報共有手段に診療情報提供書(様式11)がある.これは,紙面による自由記述での利用のため,多施設での共有は困難である.この点を克服するための診療情報提供書のデジタル化に向けて,我々はこれまで紹介目的と診療経過の内容構成をカテゴリ化し,様式11 に対する情報スキームとしての構造化を行ってきた.本研究では実際の記載内容へのテキスト分析を実施し,症状に関する語の抽出とカテゴリ化を行うとともに,それらの共起による特徴の把握を行った.

  • 田辺 浩介, 松田 朝彦
    2021 年 31 巻 4 号 p. 497-502
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     研究データを保存するためのデータリポジトリには,データファイルに加えて,生成された研究データのコンテキストを表現するための複雑なデータ構造を扱うことが求められる.この課題を解決するための仕組みとして,「研究データパッケージング」という考え方が提案されている.
     本発表では,提案されている研究データパッケージングフォーマットのひとつであるROCrateを用いて,データの作成者,装置・試料の情報,ファイル・ディレクトリの構成などの多様なメタデータを保持しながら,データリポジトリに対して機械的かつ大量のデータ登録を試行した事例を報告する.

  • 保田 洋, 川向 肇, 西村 治彦
    2021 年 31 巻 4 号 p. 503-506
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     大企業に比べて構成人数が少ない中小企業プロジェクトでは,メンバー各人に多数の作業分掌が重なり,大企業のようにPMBOKなどの知識体系化された方法でプロジェクトを管理していくことは難しい.そこで著者らはこれまで,中小企業プロジェクトにおける効果的なリスク対応に向けて,中小企業におけるプロジェクトの失敗事例からリスク要因を洗い出しリスク分析と評価を行った.さらに,失敗事例の記載内容におけるリスク要因の共起頻度に着目し,共起ネットワークを通してリスク要因間の共起性の分析を行った.本研究では,共起ネットネットワーク分析で得られたサブグラフを構成するリスク要因群ごとに,各リスクのランク付け値とリスク要因間の共起の強さを基にリスク低減・回避に係るシナリオを作成し,それによるリスク評価シートの開発について報告する.

  • 堀井 洋, 小川 歩美, 堀井 美里, 齊藤 有里加, 横山 岳, 金子 敬一
    2021 年 31 巻 4 号 p. 507-510
    発行日: 2021/12/18
    公開日: 2022/02/19
    ジャーナル フリー

     合同会社AMANEと東京農工大学科学博物館は,2021年7月に学術デジタル アーカイブの構築および養蚕関連資料を対象とした調査・研究に関する包括的連携協定を締結した.近年,大学博物館に対しては,学術資料の積極的な公開や活用が強く社会から求められており,両組織はこれまで,同博物館所蔵の養蚕 関連資料の調査やデジタル化・デジタルアーカイブ構築において連携して事業を進めてきた.本発表では,両組織の連携および構築したデジタルアーカイブについて,学術資料の継承と公開の視点を中心に報告する.さらに,今後の大学博物館と企業など多様な外部組織 との連携・協働の可能性についても論じたい.

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