日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第52回研究発表大会
選択された号の論文の182件中151~182を表示しています
  • 新規就農を促すシステムとツールの提案 2
    檜林 勇吾, 工藤 芳彰, 古屋 繁
    p. 153
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    わが国の農業は深刻な後継者不足にある。現在、各種の就農支援策が講じられているが、依然として新規就農は困難である。前稿1では、就農時に複数の問題が集中して起こることを指摘し、段階的に就農するためのプロセスを考察した。その成果をもとに、本研究は新規就農を促すシステムとツールの一例として、 農業専門図書館「IGUNE」を提案した。「IGUNE」は、宮城県加美郡加美町の田園の一角に建てることを前提としている。この地域の家はイグネと呼ばれる防風林に囲まれており、そこから外観と名前を発想した。「IGUNE」は、農業書専用図書館・直販所(野菜など)・農業相談窓口の3つの機能を持っている。これらの機能が組み合わさることで次のような効果が得られる。  ・農業への関心の拡大(農業書と直販所の組み合わせによる相乗効果)  ・農業・農村の窓口(関心のレベルに合わせた農業相談)このように「IGUNE」は、一般の人々の農業への関心を高め、段階的に農業と関わりつつ、最終的に新規就農するためのシステムを有している。このことによって、「新規就農者の増加」と「農業人口の底上げ」が期待できる。
  • 新規就農を促すシステムとツールの提案 3
    檜林 勇吾, 工藤 芳彰, 古屋 繁
    p. 154
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
     わが国の農業は深刻な後継者不足にある。現在、各種の就農支援策が講じられているが、依然として新規就農は困難である。前稿1では、就農時に複数の問題が集中して起こることを指摘し、段階的に就農するためのプロセスを考察した。その成果をもとに、本研究は新規就農を促すシステムとツールの一例として、 生活体験型ゲーム『農家の種』を提案した。 『農家の種』の目的は、農業の知識や仕組み、農家の生活を身近なものとし、若者に農業を就業の対象として認識させることにある。ゲームの主な内容は 「売れる野菜を予想し栽培して売る」「伝説の土を求めて土を育てる」「生活リズム時計を集める」の3つである。これらを通して、ユーザーは「農業経営の仕組み」「農家にとっての土の大切さと土と作物の関係」「リアルタイムな農家の生活」という実際の農業について学ぶことができる。画面には実際の農業経営を簡略化したキューブの3面が表示されており、それぞれの面は「(情報を)あつめる」「つくる」「うる」のエリアになっている。
  • 感性照明の提案
    山崎  和彦, 多田 昌史, 笹島 学
    p. 155
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は従来の機能を主体としてコミュニケーションに感性を融合させ,より気持ちを伝えるために感性ネットワーク・インタフェースのデザインの構造を検討し,その概念を利用した新しいコミュニケーションを提案することを目的とする。これまでに,感性情報の特徴である主観性,多義性,曖昧性,状況依存性の属性に対応したデザイン手法を検討し,感性ネットワーク・インタフェースデザインの構造を提案している。そして,提案した感性インタフェースデザイン構造を基に,メールソフトを題材に現在の文字情報のメールに感性情報を付加した感性メールを開発している。ここでは、この手法の可能性を検討するために、感性メールの概念を拡大して感性人工物を開発する。この感性人工物は感性メールを送受信するデバイスとなる。
  • 寺内 文雄, 久保 光徳, 青木 弘行, 北川 舞
    p. 156
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、遊び道具の音質に着目し、音を効果的に取り入れた遊び道具を提案することを試みた。そこで幼児の保護者を対象として、幼児が興味を持つ音と保護者が求める遊び道具についての質問紙調査を行った。その結果、好む音に性差があること、年少時には叩いて音を出す遊びが好まれ、年齢が上がるにつれて音階のあるおもちゃを好む傾向にあることなどが明らかになった。また保護者は遊びの発展性や遊びを通して社会性を養えるような遊び道具を求めていることが示唆された。そこで、これらの要求を満たすために2種類の遊び道具を制作した。一つは穴を開けた組み立て可能なブロックに金属や木材の棒を差し込んで叩いて遊ぶ道具「音ブロック」である。もう一つは有孔板の穴にゴムやたこ糸、水糸などの異なる材料を張り巡らせ、弾いて遊ぶ道具「音の巣」である。これらを幼稚園に設置し、園児の使用状況観察を行った。これにより、いずれの道具とも年齢によらず音質の違いに大変興味を示すこと、「音ブロック」では年長の幼児と比較すると時間はかかるものの年少の幼児でも音階へと遊びが発展していくこと、「音の巣」では協力しながら遊ぶ様子が確認できた。
  • 綿と麻からなる織物を例として
    寺内 文雄, 久保 光徳, 青木 弘行, 羽鳥 淳子
    p. 157
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、異なる材料を組み合わせることによって、手掌部、前腕内側、大腿部背面、足底の異なる4部位にそれぞれ適合した触感覚が得られるような表面性状を見いだすことを試みた。そこで綿と麻からなる2種類の糸を用いて、その本数とパターンを変えた織物15種類を制作した。ついで、これらに既製の床用織物5種類を加えた計20サンプルに対して官能評価実験を実施した。被験者は20_から_26歳までの80名である。これと並行して、織物全体における麻の面積割合の測定を行い、官能評価実験の結果との相関関係を検討した。得られた結果に因子分析法と重回帰分析法を適用したところ、いずれの部位においても硬軟感と刺激感の2因子によって触感覚が評価できることが判明した。しかしながら前腕内側や大腿部背面と足底では快適とされるパターンに違いが認められた。前腕内側や大腿部背面においては快適感と織物における麻の面積割合の間に有意な相関関係が認められ、平らに感じられる方が快適とされた。一方、足底での評価はこれらと大きく異なった。最後に各部位において快適とされたサンプルを貼り付けた椅子を制作し、身体各部位に適した材料を組み合わせることの有効性を確認した。
  • 久保 光徳, 寺内 文雄, 青木 弘行, 中村 隆行
    p. 158
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    ステアリング機構の単純化を図り、構造重量の低減を図るために、ステアリング機構の構造要素に弾性体を適用することを試みた。従来のステアリング機構が本質的に複数の剛体機械要素の組み合わせにより構成されているの対し、単一の弾性体構造要素(一体型前輪フレーム)によりその構造の単純化を探った。ケーススタディとして、人力で駆動できること、移動体としてバランスが取りやすいこと、構成材料が取得し易いことを念頭に置き、手動により駆動される後輪駆動3輪車(前2輪、後1輪)を取り上げ、そのラジコン制御小型機能モデルと搭乗可能実走機能モデル(前輪フレーム部:竹、その他:スチール)を制作し、本ステアリング機構の実現可能性について検討した。小型機能モデルの検証から、弾性変形によるステアリング機能が可能であることを確認するとともに、実走機能モデルによる実走行実験からは、操舵時の運動性能、段差乗り越え時の減衰性能も実走行に耐え得ることが確認でき、操作時の体勢の不自然さを解決すると本ステアリング機能を有するフレーム一体型の3輪車が実使用レベルまでに展開することの可能性を示唆することができた。
  • 井上 貢一
    p. 159
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、古典的ハリウッドのコンティニュイティー・システムにもとづいて、ショットをスムーズにつなぐための要因の整理を試みたものである。コンティニュイティー・システムは、ショット間のスクリーン上での方向や位置また時間的な関係を一致させる。特に、以下の4点は重要であると考えられる。1)エスタブリッシング(場面設定の導入を行う)2)視線の一致(因果関係による接続を行う)3)グラフィックの一致(空間的な接続を行う)4)動きの一致(時間的な接続を行う)これらは文脈効果を利用して全体の情報量を下げることで、ショット間をスムーズにつなぐものと考えられる。
  • (株)バッファローとの産学協同プロジェクト - 3
    菊池 司, 竹末 俊昭, 古屋 繁, 小出 昌二, 永見 豊, 寺澤 勉, 石田 光男
    p. 160
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では,株式会社バッファロー(以下バッファロー)の協力を得て,拓殖大学工学部工業デザイン学科3年次授業である「プレゼンテーション演習」の一環として行ったプロジェクトの成果を報告する. 本プロジェクトは,プロダクトデザイン・ビジュアルデザイン・コンテンツデザインの3つのグループから構成されている.コンテンツデザインでは,Web上における企業の製品紹介コンテンツに着目し,Web上で製品紹介をする場合の従来の問題点と,その問題点を改善することによる新しいコンテンツデザインの方向性を提案することとした.
  • 小出 昌二
    p. 161
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    株式会社バッファロー(旧メルコ社、以下バッファロー)の協力を得て、拓殖大学工学部工業デザイン学科3年次授業である「プレゼンテーション演習」の一環として行ったもののうち、ビジュアルデザインについての成果をしめす。テーマを「PC周辺機器メーカーのためのセールスプロモーションの提案」としたが、現実にはパソコン周辺機器メーカーであるバッファローの扱う製品は、多岐にわたっている。そのため、パッケージを含めたセールスプロモーションは多様にならざるを得ない。そこで、パッケージを中心にこの多様化した製品群のセールスプロモーションをいかに行うかを3つのテーマ内容に分けて展開し、提案を行った。
  • 肌の変化をオンラインで管理する
    三室 満里子
    p. 162
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
     基礎化粧品の対面販売において、美容部員による肌診断は商品選びの手助けとなる重要なものである。最近では、肌測定機器で水分量や皮脂量を測ったり、肌の拡大画像を見たりして状態を診断するなど、より客観的なデータを提供することで消費者の信頼を得ているメーカーが増えている。 本研究では、消費者が対面販売を利用する際の問題点を考察し、新たに肌診断システムの提案を行うことを目的とする。 方法としては、アンケートを中心とした調査により、基礎化粧品を購入する際の消費者心理や行動を分析し、対面販売が抱える問題点を明らかにした。さらに、それらの問題点を考察することにより要件を抽出し、新しいシステムの提案を行った。 本研究は、消費者の基礎化粧品選びに重要な情報を与えると共に、メーカー側にとっても、リピーターの獲得という利益をもたらすと考える。
  • mit - 診療データと連動する医療情報ターミナル!)
    嶺岸 洋一
    p. 163
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    近年、医療に対する人々の考え方は、目まぐるしい変化をし、医療の世界にも患者に対するサービスの向上という概念が広まった。しかし、サービス向上の流れの中でも、病院で取り扱われる情報の伝達については、充実しているとはいえない。また、病院での情報伝達の問題の背景として、情報伝達を満足なものとする技術や環境の整備が未だ発展途上だということがある。病院、そして医療に関する情報伝達の問題を解決するにあたり、現在の制度だけでなく、これからの医療の変遷を見据えて解決法を提案することが必要である。本研究では、情報伝達の技術と医療の変遷を見据えた、病院での情報伝達をより円滑に行うための提案を行い、病院を快適な医療行為の場とすることを目的とする。
  • 及川 悠太
    p. 164
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、誰もが「音楽をつくる」ことに親しむことができるようなインタフェースの提案として「プレイシング」を制作する。
  • 柴田 大平
    p. 165
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    コンピューター技術が進歩するのに従ってゲーム機の性能も向上し、ハードの形態も様々なものが開発された。コントローラーで操作するもの、全身を使って遊ぶ体感型ゲーム、ウェブ上で不特定多数と同時に通信出来るゲーム、そして、タッチパネルを搭載し、指で直接操作できる携帯ゲーム機まで登場した。コントローラーなどのヒューマンインタフェースデバイスが進化したことにより、ゲーム内の空間とヒトとの距離は縮まり、より感覚的に遊べるようになった。しかし、モニター画面を見ながらヒューマンインタフェースデバイスを介して操作するといった、従来のテレビゲームの形式では、現実空間でヒトが起こすアクションと、ゲーム内のデジタル空間で起こるアクションとの間にギャップが生じてしまう。こういったギャップのあるゲームでの遊びでは、ブロック玩具を用いた遊びや、砂遊びのように五感を駆使した遊びに勝る経験や感動は得られない。そこで、テレビゲーム画面をモニターに映すのではなく、物理空間に投影し、ヒトの手によって直接操作できるテレビゲームを提案し、それにおけるハードウェア・ソフトウェア・インタフェースについて研究した。
  • 新しい視聴形態のためのデジタルデータ音楽環境の提案
    寺田 直和
    p. 166
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    今日、PCは記録メディアの入れ替えなしに手軽に扱える音楽再生ツールとして定着するようになった。HDDに大量のライブラリを抱えるユーザが増えており、大量のライブラリを抱えることで音楽の聴き方も変化している。主なものには、BGMとして常に音楽をかけておくような聴き方や、プレイリストで自分なりのコンピレーションを作成する聴き方、再生曲を無作為に選曲するランダム再生による聴き方などがあげられる。しかし、既存のプレーヤアプリケーションでは、音楽ファイルの管理と視聴行為自体が分離されているため、実際のリスニング時にユーザが発想する柔軟な聴き方を実現しづらいというのが現状である。調査によって、ランダム再生によるBGM的な視聴の時にもユーザには嗜好性があることや、その嗜好性は視聴を続ける間に変化していくものだということが分かった。よって本研究は、全く無作為で目に見えないランダム選曲ではなく、視覚的に把握し調整できる選曲システムを構築することで、選曲自体に直接楽曲管理操作を加え、ユーザの移り行く嗜好性にも柔軟に対応することが可能なプレーヤアプリケーション"neut"を提案する。
  • 「包み」の文化に関する歴史的研究
    深澤 琴絵, 樋口 孝之, 植田 憲, 宮崎 清
    p. 167
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
     本研究は、日本における伝統的な「包み」の文化を取りあげ、その特質について論考したものである。本稿においては、『万葉集』における「つつみ」の概念の広がりに着目し、日本の「包み」の文化の本来的意義を明らかにすることを目的とした。『万葉集』より、可能な限り、「つつみ」に関連する言葉を抽出し、それらを体系的に整理・分類した。「包むもの」と「包まれるもの」の関係に注目し、「つつみ」に関連する言葉(用語)を整理・分類を行った。その結果、「つつみ」は、大きく、「用具のつつみ」「身体のつつみ」「空間のつつみ」「こころのつつみ」の四つの概念に分類された。「包むもの」と「包まれるもの」との間には強い相関関係があり、その関係のなかから特定の意味が生み出されていたことがわかった。万葉時代の「つつみ」の文化を概観すると、人を取り巻くおよそ全ての事象に対して「つつみ」の概念が関わっており、具体的な行為が、「もの」から「こころ」にまでおよぶという点で「つつむ」ことは、日本の文化を形成する要素として最も重要なもののひとつだったといえる。
  • 達成感を楽しむ玩具の提案
    山口 紘史
    p. 168
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
     現在、遊びの重要性が認められつつある一方で、まだ遊びは遊びでしかなく、普段のまじめな生活の息抜きとしての役割しか持っていない。そこで、遊びが私たちの生活に密接に関わっているということを実感できるような玩具を提案することを本研究の目的とした。普段私たちが何気なくやっている行動を遊びとして成立させ、その行動による効果を実感させることができれば、遊びと生活の関わりの深さ、遊びの持つ役割や可能性を感じてもらえるのではないだろうか。また、遊びによる効果として連想されにくいものである、“達成感”を遊びの中に実感することは、遊びのより深い理解につながると考えた。ハサミや車のキーを何気なく指に掛け、くるくると回した経験は誰もが持っているだろう。本研究では、そのような行為を遊びとして成立させる玩具を提案し、さらに、回す以外の技を可能にすることで、技を考えて習得し、それを披露することに達成感を実感させることを目指した。最終提案として、指で回して、回す指を移し替えたり逆回転させたりするなどの技を習得し、それを披露するのに適した玩具の提案を行う。
  • 韓国の朝鮮時代に書かれた『閨房歌辭』の記述に基づいて
    李  煕周 , 植田 憲, 宮崎 清
    p. 169
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、19世紀、朝鮮時代の後期の韓国女性において、針仕事がどのような環境のなかで行なわれ、生活のなかでどのように展開されてきたかなど、韓国女性と「針仕事:バヌジル」のかかわりを探るため、主に19世紀の韓国女性によって書かれた37編の「閨房歌辭」を用い、針仕事に関する描写を分類・分析した。まとめると、下記のように整理することができる。(1) 当時の女性は、一着の衣服が作れることが一人前の成人女性になれる条件であった。(2)「針仕事:バヌジル」は、主に家庭のなかで母から学ぶものであった。母と娘は、針仕事を通して、その技術の伝承するだけではなく、お互いの温もりや思いやりを感じていた。そこには、女性に対する厳しし社会環境のなかで女性同士の強い連帯感が込められていた。(3)公式の教育をうけることができなかった当時の女性にとって「針仕事:バヌジル」は、自分を表現する手段であった。(4)当時の女性たちは、結婚と同時に過酷な家事労働「シジプサリ」が強いられた。「針仕事:バヌジル」は、その家事労働の一部として実践された。「閨房歌辭」にあらわれた針仕事は、総じて「機織り」「染め」「衣服づくり」「仕上げ」「直し」「再生」の6つの項目に絞ることができた。
  • 安齋 利典
    p. 170
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本報告は、三菱電機株式会社の欧州現地法人が、1999_から_2003年の4年間に渡り、欧州4カ国のデザイン学校との間で実施した産学協同プロジェクトについて、その概要を報告するものである。プロジェクトの主な目的は、企業としての社会貢献、である。具体的には、デザインにとって:産学協同による新しい創造、企業にとって:良いアイデアがあれば事業化、良い学生を見極めるリクルートの機会、学校にとって:企業の支援による教育環境等の充実、課題提供の機会、学生にとって:自己の実力を試す機会、が挙げられる。これらのプロジェクトを通して、当初の目的は十分達成されたと考える。進め方、費用の扱いは、契約は学校により異なるが、ほとんどの学校が、大手を含む企業との産学協同プロジェクトの経験があり、対応がしっかりしていて安心してプロジェクトを進めることができた。
  • 郡山 正
    p. 171
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    高度の学問も単純な基礎の積み重ねから解かれてゆく。デザインの基礎は申すまでもなく「形」であり、その全体像(形の宇宙)の把握には単純な幾何形体の秩序ある集積と分割の研究が必要であり、そのスタートは最も単純なR3Gの分析にあると思う。
    私は2003年の大会で、全ての形の宇宙像の概念図を公表し、2004年の大会で、その具体化としてR3Gの組み合わせの開いた無限へのルートを提示した。今回はR3Gを直線のみで分割するルートの追求の「閉じた無限」への挑戦の軌跡である膨大なノートの一部を発表し、その無限の無限乗への理解についての参考に資することとした。
  • 朴 貞淑, キム シック, 山北 次郎, 足立 啓
    p. 172
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、高齢者がその人らしい暮らしを住み慣れた場所で続けられるために重要な意味を持つと考えられる住居環境について着目し、高齢者の日常生活や問題点を踏まえて、高齢者の居住環境の支援や多機能、地域・様々な世代間の交流などの特徴を持つ居住環境の方向性を提示することを目的に調査を行った。その結果、次のことが明らかになった。日本は世界一長寿国として、高齢者が住み慣れた場所で安全、快適に住み続けられるための自立、HomeNetwork、世代間・地域の交流、趣味活動などを通して、社会に参加、貢献する特徴を持つ居住環境である。高齢者は、自分のライフステージで蓄積してきた経験を活かし、子どもとの交流など産業構造の変化とともに、ライフスタイルに大きな影響を与えている。本研究によって、高齢者の居住環境のために検討すべき課題を示すことが出来た。高齢者と子どもの居住環境は、Home Networkなどを通した世代間の視点で相互補完する総合的で、地域で支え合う環境が必要だと言えよう。
  • 戸塚 泰幸, 阿部 眞理, 白石 照美
    p. 173
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    いくつかの分野を横断したグループによるプロジェクト型の授業を行っている。そのプログラムのひとつとして、美濃和紙あかりアート展に出展する美濃和紙を用いたあかりオブジェの制作がある。学生達はこの演習を通して、アイデアの具体化とプレゼンテーションの手法を学ぶ。昨年度の成果として32点応募した中から、1点が入選し、この他に2つの作品が、「愛・地球博(愛知万博)」に展示されることになった。学生達はこの体験をとおして、「ものづくり」が持つ力と喜びを再発見していると感じている。
  • Experience Designの設計概念構築のための基礎研究-2
    古屋 繁, 柴田 高幸, 工藤 芳彰
    p. 174
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、加速度とリズム、タイミングを総合的に表現し、伝達するツールを提案した。一般的に、身体性の経験技術は、言葉やジェスチャーで伝達される。それによって大まかなフォームは簡単に理解することができるが、力の変化を理解する事は困難である。なぜなら、(ある種の)言葉やジェスチャーは動きの流れしか伝えられないからである。そこで、力は加速度から求められる(F=ma)ことから、加速度に注目した。スポーツ熟練者から得られた加速度を可視化した表現に変えることにより、他者がその熟練者の経験技術を簡単コピーできるのではないかと考えた。そして、体につけた加速度センサの電圧変化をPCに取り込み、波形、音などにするシステムを考案した。このシステムを使用して、波形を見ることによる熟練者の自己修正と音による経験者間でのスイングの伝達などの検証実験を行った。その結果、熟練者の自己修正、経験者間の伝達の両方で上達が見られた。これにより、波形から力の変化を読み取ることができることが示された。以上の結果、ツールとしての有効性を実証することができた。
  • (株)バッファローとの産学協同プロジェクト-1
    竹末 俊昭
    p. 175
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本プロジェクトは,株式会社バッファロー(以下バッファロー)と,拓殖大学工学部工業デザイン学科との間で行われた産学協同プロジェクトである.
    本プロジェクトは,学生にとってはデザイン業務に直結したテーマをもとに企業との共同作業を行うことで普段の授業では味わえない緊張感と,実践的な体験ができ,また,プレゼンテーション能力の向上がはかれるなどのメリットがある.
    本プロジェクトには以下のような3つの特徴がある.
    1. 20代前半の若者である学生の提案を通して,今後のメインユーザの嗜好を探ることができ,また,学生による思いも寄らない提案がバッファローにとっての刺激となりうる.
    2. 本プロジェクトには,プロダクト・ビジュアル・コンテンツの3分野の学生が参加している.そのため,その提案は多岐にわたり,バッファローとっては総合的なデザイン戦略を考える上の一助となる.
    3. パソコン周辺機器の使われ方の整理と今後の展開の可能性とパッケージデザインにおけるデザイン要件の整理と新たな展開のための表示要素についての調査を大学院生が中心に実施し,その成果にもとづく提案を行っている.
  • 星 真人, 中島 洋平, 上田 義弘, 渡辺 誠, 杉山 和雄
    p. 176
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    近年、携帯電話市場では同じスペックの新しい製品が登場し、デザインによる差別化をはかろうと各社努力している。しかしながら、現状では何が消費者の興味を惹いているのか、またどの部分のデザインが購買意欲に結びついているのかは明確ではなく、デザイナーが注力すべき部分や素材の選定などが困難である。そこで本研究では、多変量解析を用いて購買意欲につながる構成要素を明らかにすることを目的として行った。その結果、全体的にカラーが最も購買意欲に影響を与えており、さらにセグメントごとに、着目点は異なり、サブディスプレイ周りやカメラ位置に着目しているセグメントもあることが分かった。
  • 河阪 雅之, 中本 和宏, 横内 恭人, 渡辺 慎二, 杉山 和雄
    p. 177
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    携帯電話を製造する際、メーカーはデザイン戦略に応じてコンセプトを立ち上げ、コンセプトに基づきアピアランス・インタフェースのデザイン作業を行う。アピアランスのデザインと比較して、インタフェースデザインに関してコンセプトとの適合度を議論されることは非常に少ない。しかし、メインメニュー画面は操作時に最も頻繁に目にする画面であり、他メーカーとの差別化を図る上でも重要な要素である。そこで本研究では、AHPを用いたメニュー画面のアイコンに対してコンセプトがどの程度適合しているかを評価する評価方法を提案することを目的とした。
  • 岡田 麻美, 渡辺 誠, 杉山 和雄
    p. 178
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、テレビドラマ映像を対象とし、テレビ視聴者の番組選択の補助を目的とする要約映像の自動生成方法を提案する。今日、地上デジタル放送の開始や、ハードディスク・DVDレコーダの普及に伴い、テレビ番組視聴者は、多くの映像データを録画、管理、利用する機会が増えてきている。今後、視聴者は膨大な番組コンテンツの中から見るべき番組、得たい情報を選択することに困難を強いられることになる。したがって、これを補助する要約映像が必要となる。従来の映像要約の研究の多くでは、インデキシング入力やシーンの意味付けなどのマニュアル作業を必要としていた。本研究では、さらなる自動化を進めるため、ドラマ映像のもつ固有データ(音量、BGM、ショット長、シーンの替わり目)のみを使用した要約映像の自動生成方法の提案を行った。
  • 池ヶ谷 和弘, 佐々木 大, 渡辺 誠, 杉山 和雄
    p. 179
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    現在、ネット家電の普及により、家電製品をオンラインで操作し、画面上で統一感を持たせたインターフェイスの構築の研究が進められている。しかしながら、直接人の手で操作する製品に、付随する操作パネルにおいては、その統一が全く図られていない。そこで、本研究では人が直接触るインターフェイスに統一感を持たせることで認識上の向上を図るべく、研究を行った。まず各ジャンルの製品ごと、インターフェイスがユーザにどのように捉えられているかを調査し、共通観念が存在する項目の抽出を行い、統一化の方向を探った。次に、実際にどのように製品が使われているかを調査し、使用用途のプライオリティを測ることで製品ごとの重要な機能の順位付けをし、横断的インターフェイスの構築に役立てた。そして、最終的にユーザの視点からの家庭内電化製品において横断的、統一性を持ったインターフェイスの構築する為の指針を示すことができた。
  • 金子 大輔, 観音 千尋, 渡辺 誠, 杉山 和雄
    p. 180
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    近年様々な商材で市場は成熟してきており、企業は新規顧客の開拓とともに、既存顧客の維持、ロックインを重要な戦略としてあげてきている。その中には契約金、解約金のような単純なものから、人的資源の提供によるロックインまで実に様々な方法がある。しかし、ロックインという言葉はあるものの文献によって使われ方が違い、明確な定義がなされていない。そこで、まず様々なロックイン事例の収集、及び文献を調査し、本研究においてはロックインを明らかにし、3つのパターンに分類し、それぞれにおいてデザインがどのような役割を果たすことができるのかを示すことができた。
  • Son minjeong, Lee hyunju
    p. 181
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
    The motion picture industry to present it's abundant content using dynamic and emotional designs on it's multi media. The interface design on any website includes not only letter types , color, pictures and the page layout but also the utilization of the interface itself. Thus, in order for any particular website to function in accordancewith it's intended purpose , that is effective marketing, the above listed components must be set in such a way so that the interface design appeals to emotion, and thus show distinction amongst countless similar websites. This study intends to concentrate on finding out the communicat -ional functions a motion picture website interface design.
  • Sohn eunmi, Lee hyunju, Hong yunmi
    p. 182
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 動的な図解表現を用いた知識の視覚化
    原田 泰
    p. 183
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 原 真人, 原田 泰, 山崎 真湖人
    p. 184
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/20
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     本研究のテーマは「楽しい記録のための新しい道具のデザイン」である。人々は、「仲間に記録を見せて、楽しい思いでを共有するため」という目的で、楽しかった経験の記録を残す。しかし、記録する事は簡単でも、楽しさを共有するのは現在の道具では難しい。画像を媒介とした「楽しさの共有」を支援する道具あるいは環境を提案することが本プロジェクトの目的である。本稿には、プロジェクトの結果として提案された作品3点を掲載した。1.PLAY PIX2.Pixarium3.round photo3作品とも、日常生活の経験から発想された提案となっている。また、動きを用いた表現が盛り込まれていて、システムの側からユーザに行動を促すインタフェースが提案されている事が大きな特徴と言える。
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