山階鳥類研究所研究報告
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29 巻 , 2 号
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  • 新妻 靖章, 綿貫 豊
    1997 年 29 巻 2 号 p. 83-90
    発行日: 1997/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    絶食時におけるコシジロウミツバメ(Oceanodroma leucorhoa)の代謝量を温度条件16°Cで,開放回路法によって測定した。抱卵期における親鳥の体重当たりの酸素消費速度(夜,2.84ml/g/h;昼,2.10ml/g/h)は,育雛期における親鳥の値(夜,3.31ml/g/h;昼,2.98ml/g/h)よりも有意に低かった。しかし,絶食期間の長さは体重当たり酸素消費速度には影響を与えなかった。また,それぞれの繁殖ステージにおいて,体重当たりの酸素消費量は昼間よりも夜間で有意に高かった(1.1-1.3倍)。野外における抱卵鳥の体重(45.7±2.9SDg)は育雛期の親鳥(43.1±2.7SDg)よりも有意に重かった。したがって,抱卵期において,親鳥は雌雄平均3日交代で抱卵を行うが,静止代謝量を下げることと蓄積脂肪を消費することで,3日間の絶食に耐えているらしい。
  • 河野 裕美, 坂口 法明, 千葉 勇人
    1997 年 29 巻 2 号 p. 91-96_1
    発行日: 1997/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    日本におけるオオアジサシの繁殖状況について,これまでの文献を整理した上で著者らの新たな観察記録を加え,現在の繁殖地,繁殖番い数,繁殖期に関する知見を報告した。日本における現在の繁殖地は,小笠原諸島西之島と尖閣諸島北小島であり,前者では海岸の砂礫浜に2-3ヶ所の,後者では上部の草原に2ケ所のコロニーを形成していた.抱卵期にあるコロニーにおいて,成鳥の直接観察値とビデオ記録も参考に推定した繁殖番い数は,西之島では約100-150番い,北小島では約370-380番いであった。両繁殖島には4月中旬から下旬に渡来し,5月上旬から中旬に産卵,6月上旬から中旬にふ化し,8月上旬以降に渡去を開始すると考えられた。
  • 林 京一, 小城 春雄, 鶴見 みや古, 佐藤 文男
    1997 年 29 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1997/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    The Black-footed Albatross (Diomedea nigripes) now breeds on eleven islands in the eastern North Pacific and on five islands in the western North Pacific. The breeding population of the eastern North Pacific is slightly declining, but that of the western North Pacific is increasing. The total population in the North Pacific is estimated to be 200, 000, of which 50, 000 are breeding birds. This population size is very small compared with the congener Laysan Albatross (D. immutabilis), which has a total population of 2, 500, 000 birds. On Torishima, which has the largest breeding population of Black-footed Albatrosses in the western North Pacific, the Black-foots have increased in number, since a new colony was built on the island during the 1988/89 breeding season. The numbers of fledged chicks in each breeding season were 1 in 1988/89, 5 in 1989/90, 84 in 1992/93, 55 in 1993/94, 125 in 1994/95, and 158 in 1995/96. In addition to the conservation of Short-tailed Albatrosses (D. albatrus), now successfully established on Torishima, multi-faceted protective programs are also planned for other breeding seabirds of this island. The programs should include such projects as: re-establishment of colonies of the Laysan Albatross and Tristram's Storm-Petrel (Oceanodroma tristrami), elimination of introduced animals, vegetation improvement, control of soil erosion at seabird nesting sites, and establishing a protected sea area around the island.
  • 佐藤 理夫, 小城 春雄, 田中 正彦, 杉山 淳
    1997 年 29 巻 2 号 p. 102-107
    発行日: 1997/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    北海道,松前の西方約52km沖合いの日本海に位置する渡島大島(41°30'N,139°22'E)の北風泊において,1993年5月25日の早朝,一羽のコウライヒクイナ(Rallina paykullii)が標識調査時に捕獲され,標識装着後放鳥された。この成鳥の外部形態計測値は,嘴峰長26.7mm,翼長122.6mm,〓蹠長43.3mm,尾長51.6mm,翼開長420mm,全長230mmであった。体重は96gであった。主な種判別の基準となった特性は以下のごとくである。頭上部は額から頭頂,後頭,後頸にかけては灰褐色または暗褐色で,頭部側面と胸部の赤褐色と明瞭に区別できる。初列風切の最外側の前縁部は白色である。また,中趾骨長は写真から〓蹠長との比較で爪も含めて40mm以上あると判断された。また,嘴は他の同じ大きさのクイナ類に比較して長さが短く,そして嘴高が高く,がっしりしている。そして両嘴基部には金属光沢を帯びた黄緑色が鮮やかである。ただし,下嘴の金属光沢の黄緑色は中央部までおよんでいる。なお,紅彩は赤色であった。
    本種は東南アジアで冬を過ごし,5月中旬以降に中国東北部,ロシアのウスリー,アムール,沿海州地方へ達し,繁殖する。従って,渡島大島で捕獲されたコウライヒクイナは,北上渡り途上に強力な西南西風の流されてこの島へと迷行したと考えられた。なお本種は,わが国での初記録である。
  • 星子 廉彰
    1997 年 29 巻 2 号 p. 108-110
    発行日: 1997/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    An individual of subspecies of Snow Goose, Anser caerulescens atlanticus, was first observed in March and April 1994, and continued to be observed in November 1995, March and November 1996, and March 1997 in central and eastern Hokkaido, Japan. This bird moved with flocks of Whitefronted Goose Anser albifrons or Middendorf's Bean Goose Anser fabalis middendorffii.
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