室内環境
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17 巻, 2 号
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原著論文
  • 溝内 重和, 市場 正良, 宮島 徹, 兒玉 宏樹, 高椋 利幸, 染谷 孝, 上野 大介
    2014 年 17 巻 2 号 p. 69-79
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    佐賀市内の小学校(35校70教室)を対象に,室内環境における未規制VOCsを測定した(2011~2013年)。化学分析の結果,すべての教室から未規制VOCsが検出され,検出された未規制VOCsの中では,2-エチル-1-ヘキサノール(2E1H:0.75-160 μg/m3)が最も高濃度でかつ高頻度(100%)で検出された。続いて,グリコールエーテル類(GEs:nd-250 μg/m3),テキサノール類(Texanols:nd-150 μg/m3)が高濃度かつ高頻度(約80%)で検出された。高い濃度と検出率から,小学校室内環境におけるこれら物質の幅広い用途が示唆された。教室種間の濃度差を比較したところ,2E1Hはパソコン室がいくつかの教室(一般教室,理科室)より有意に高い傾向(p< 0.05)がみられたが,GEsは教室間での差は見られなかった(体育館を除く)。検出された濃度をLowest concentration of interest(LCI)と比較したところ,それらのハザードインデックス(HI)は1以下であった。一方で,本調査で得られた一部の教室における未規制VOCs濃度は,学校環境における2E1Hがアレルギー発症の報告値に近く,またGEs濃度範囲は子供を対象とした疫学調査におけるアレルギー疾患と関係が見られた濃度範囲と同程度であった。今後の小学校室内環境における未規制VOCsの濃度低減が望まれる。
調査資料
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