室内環境
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24 巻, 1 号
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短報
  • 安木 真世, 黒田 真未, 井 千尋
    2021 年 24 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    世界的流行が続く新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスSARS-CoV-2の不活化技術として, アルコールや界面活性剤に加え, オゾン水の有効性が報告された。有機物の存在はオゾンの分解を速めて有効オゾン濃度の減衰を招くことが知られており, ウイルスが存在し得る様々な環境を想定してオゾン水の有効性を評価すること, 更には様々な環境に応じてオゾン水の使用条件を設定することが重要な課題である。本研究ではこれら課題のための基盤実験として, 有機物の影響を抑えた(ウイルス培養液の溶媒をリン酸緩衝液に置換した)条件におけるSARS-CoV-2に対するオゾン水の不活化効果を評価した。その結果, (1)タンパク質濃度3.3 μg/mlのウイルス溶液では, 0.1 mg/l濃度のオゾン水の30秒間曝露で生残ウイルス量が1000分の1に, (2)タンパク質濃度33 μg/mlのウイルス溶液では, 0.5 mg/l濃度のオゾン水の3分間曝露で生残ウイルス量が10分の1に減少し, 低濃度のオゾン水がSARS-CoV-2を有意に不活化することが明らかとなった。
総説
  • 松村 年郎, 森田 孝節, 池田 四郎, 有本 雄美, 松延 邦明
    2021 年 24 巻 1 号 p. 19-31
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー
    ヒト疾病診断の方法としては, 侵襲的と非侵襲的診断方法がある。侵襲的診断法の代表例としては血液検査や生検が挙げられる。一方, 非侵襲的診断法としては尿検査や呼気検査がある。近年, 呼気検査による疾病診断が注目され, 特に, 癌の早期発見に呼気検査の活用が注目されている。最近の研究によると, 呼気中には200種類以上のVOCsが検出されており, 28種類のVOCsが肺癌のマーカー物質として指摘されている。この様な状況から, 癌の早期発見に繋げる目的で呼気検査に関する研究が世界的潮流になってきた。本研究においては, バイオマーカーとしての呼気中VOCsを中心に測定法と呼気成分の実態について, 最近の文献を整理した。
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