近年,加熱式たばこや電子たばこの普及が進んでいるが,喫煙実態に関する情報は少ない。2018年度に加熱式たばこの喫煙実態を調べるweb調査を実施したが,加熱式たばこや電子たばこの製品の種類が年々増加し,以前よりも入手が容易になっていることや,改正健康増進法による喫煙場所の規制強化の影響を受け,2018年から現在にかけて喫煙実態は大きく変化していると予想される。そのため,2021年9月に20歳代~60歳代の喫煙者約1500人,非喫煙者約500人を対象として,web調査を実施した。加熱式たばこ・電子たばこを喫煙する人の割合はそれぞれ47.2%, 16.5%と,2018年実施の調査の39.4%,15.4%と比較して増加していた。また,2018年実施の調査では現在喫煙者の30.7%が複数のたばこを併用していたが,今回実施した調査でも32.8%が併用していた。最も喫煙されている加熱式たばこのブランドはIQOS(50.9%)で2018年実施の調査結果と同じ(IQOS, 59.4%)であり,製品はIQOS 3 DUO(35.8%)であった。1週間に喫煙する平均本数は紙巻きたばこが73.3本,加熱式たばこが50.8本,電子たばこが23.8本であった。今後は今回得られた喫煙実態のデータを基に,喫煙されていた加熱式たばこ製品・電子たばこ製品ごとに主流煙中の有害物質の測定やたばこの種類ごとに異なる喫煙本数を考慮した健康リスク評価等の研究を進める必要がある。
抄録全体を表示