日本エネルギー学会誌
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98 巻, 7 号
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目次
論文
  • 住友 俊哉, 秋澤 淳, 池上 貴志, 中山 政行
    原稿種別: 論文
    2019 年 98 巻 7 号 p. 149-156
    発行日: 2019/07/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル フリー

    本研究では業務用固体酸化物形燃料電池(SOFC)に着目した。SOFCは発電効率が高く,熱需要の少ない建物にも適合すると考えられている。本研究の目的は,年間コスト最小化を目的関数とした最適化モデルを用いて,各種業務用建物に対するSOFCの導入効果を省エネ性・経済性から分析することである。省エネ性の指標として,一次エネルギー削減率を用いた。結果として,本研究で分析した全ての業務用建物において,SOFCが一次エネルギー削減に有効であること,また,温水需要のある病院,ホテル,飲食店などの建物は,温水需要のない事務所よりも経済効果が高いことが確認された。特に24時間営業の飲食店はSOFCの導入に最も適しており,105万円/kWの機器単価でも経済効果が得られることが示された。さらに再生可能エネルギー発電賦課金の影響について感度分析を行ったところ,電力負荷が大きい業務用途において,SOFCの導入が促進されることが示された。

  • Suganthamalar SELVARAJ, Ankur JAIN, Hiroki MIYAOKA, Yoshitsugu KOJIMA, ...
    原稿種別: Original Paper
    2019 年 98 巻 7 号 p. 157-164
    発行日: 2019/07/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル フリー

    V40Ti21.5Cr38.5合金を用いた圧縮サイクル安定性と水素貯蔵特性をさらに改良するために,Crを一部第4元素であるニオブ,鉄,ジルコニウムで置換して,V40Ti21.5Cr33.5M5合金を合成した。 これらの水素吸蔵放出におけるサイクル特性について,温度に関しては20~300℃,圧力に関しては5 ~20 MPaの範囲で100サイクルまでの評価を行った。これら3種類の組成の試料は,サイクル安定性だけでなく吸蔵放出について異なる性能を示した。V40Ti21.5Cr33.5Nb5合金は,50サイクルの圧縮サイクル試験の後に,比較的高い水素吸蔵量と適切な安定性を示し,最適な組成であることが分かったが,V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金は, 最低の水素吸蔵量とサイクル安定性を示した。しかしながら,その他の合金と比較して,V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金は結晶構造と携帯観察の結果から,サイクル過程において,いかなる相分離も認められなかった。このことは,相分離が圧縮サイクルにおけるBCC合金の性能劣化の合理的な理由ではないことを示している。V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金と類似の様々な状況において,サイクル過程での結晶構造における応力やひずみの導入は材料の劣化を引き起こしている可能性がありうると考えられる。

技術論文
  • 石井 弘実, 多田 宏明, 高島 竜平, 山本 潤一郎, 横濱 克彦
    原稿種別: 技術論文
    2019 年 98 巻 7 号 p. 165-170
    発行日: 2019/07/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル フリー

    熱効率の高いCO2回収型火力発電システムとしてOxy-fuel IGCCの開発が進められている。Oxy-fuel IGCCに適用されるO2/CO2吹きガス化プロセスの検証のため,石炭処理量が日量50 ton(50 t/d)規模のO2/CO2吹きガス化試験を初めて行った。スラグ流下特性は良好で,ガス化炉を安定して運転できることを確認した。主要生成ガス成分の計測の結果,50 t/d炉の特性は従来の予測手法で検討可能であることが確認された。O2/CO2吹きガス化で生成ガス中のハイドロカーボン計測を行い,運転条件の調整でハイドロカーボン量が調整可能であることが示唆された。さらにガス化試験にて確認した予測手法を適用して商用規模Oxy-fuel IGCCシステムへの適用性を検討した。

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