失語症研究
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18 巻 , 1 号
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原著
  • 田中 久, 武田 明夫, 石川 作和夫, 濱中 淑彦
    1998 年 18 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 1998年
    公開日: 2006/04/26
    ジャーナル フリー
    病態失認は一般に頭頂葉を含む広範な右半球病変で生じ,重度の片麻痺と感覚脱失を認める例が多い。今回は明らかな体性感覚障害がなく,軽度の片麻痺を否認する病態失認4例の臨床像を検討した。4症例とも発症早期には不全片麻痺に対する明らかな否認があったが,片麻痺が軽快するにつれ,それと反対に麻痺の自覚が出現した。随伴症候として半側空間無視,感覚消去現象のほかに,本能性把握反応や模倣行動などの前頭葉症候を高率に認めた。それぞれの病巣は,右帯状回前部~脳梁と基底核の梗塞が1例,右中・下前頭回,島,中心前回,基底核の梗塞が2例,右被殻・淡蒼球の出血が1例であった。右前頭葉ないし基底核病変による病態失認の発現には前頭葉性注意障害の関与が推察され,その成立メカニズムの説明として方向性注意障害仮説や運動予測機構の障害であるfeed-forward仮説が有力であると考えられた。
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