福島第一原発事故では大量の
137Csが放出した.
137Csは長期間、周辺環境に放射線被ばくの影響を与えるだけでなく、時間とともに移行することが指摘されており、長年に渡り監視を続ける必要がある.しかしながら移行過程初期における137Csの土壌中の吸着形態に関する情報は、まだ十分とは言えない.そこで本研究では、福島事故由来の
137Csで汚染した隣接する水田と畑の土壌に複数の化学処理を行い、処理後の
137Cs残留量やオートラジオグラフィー像を比較することで、土壌における吸着形態の解明を試みた.結果、
137Csのうち水田では容易に脱着されやすい表面吸着分が少なかった.一方、畑はこれらが多く含まれ陽イオン交換で25%程度が取り除かれた.また最後まで残留した
137Csは粒状の大強度集積体である可能性が示唆された.本発表ではより詳細な検証結果を紹介する.
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