地下水学会誌
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52 巻, 3 号
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論説
  • Jennifer L. MILNE, Richard E. SASSOON, Emilie HUNG, Paolo BOSSHARD, Sa ...
    原稿種別: REVIEW
    2010 年 52 巻 3 号 p. 235-246
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/01
    ジャーナル フリー
    The Global Climate and Energy Project (GCEP), at Stanford University, invests in research with the potential to lead to energy technologies with lower greenhouse gas emissions than current energy technologies. GCEP is sponsored by four international companies, ExxonMobil, GE, Schlumberger, and Toyota and supports research programs in academic institutions worldwide. Research falls into the broad areas of carbon based energy systems, renewables, electrochemistry, and the electric grid. Within these areas research efforts are underway that are aimed at achieving break-throughs and innovations that greatly improve efficiency, performance, functionality and cost of many potential energy technologies of the future including solar, batteries, fuel cells, biofuels, hydrogen storage and carbon capture and storage. This paper presents a summary of some of GCEP's activities over the past 7 years with current research areas of interest and potential research directions in the near future.
論文
  • 火山性CO2の寄与率の推定
    鈴木 秀和, 田瀬 則雄
    原稿種別: 論文
    2010 年 52 巻 3 号 p. 247-260
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/01
    ジャーナル フリー
    浅間山周辺における湧水中の溶存炭酸(DIC)の起源、形成プロセスの解明や水質に対する火山ガスの影響を定量的に評価することを目的に、DICの炭素同位体比(δ13CDIC値)の測定を行った。また、その起源と考えられる火山性CO2と土壌CO2の炭素同位体比の測定を、それぞれ地獄谷噴気および山麓の数地点において実施した。
    浅間山周辺の湧水は、水温・電気伝導度・水質組成などの物理化学特性に基づき9つの湧水群(A~I)に区分できる。湧水群Bを除き、DIC濃度が高いほどδ13CDIC値も高くなるという関係から、対象地域における湧水中のDICの起源は、同位体比の低い有機物起源の土壌CO2と、火山活動に由来するマントル成分を含む深部起源である火山性CO2の二成分混合によって説明できることが判明した。この結果に基づき、DICと平衡状態にあると仮定されるCO2の同位体比(δ13CCO2値)を用いて、DICに対する火山性CO2の寄与率の計算を行った。その結果、水質特性から火山ガスの影響が推定された山麓に位置する湧水群C、F、Hでは40~60%程度、そして火口に近い山体斜面に位置する湧水群Iでは90%以上もの火山性CO2が、湧水中のDICに寄与していることが明らかとなった。一方で、湧水群A、D、E、Gについては火山性CO2の寄与がほとんど無く、水質から得られた結果との明瞭な対応関係が確認された。
    また、他の湧水が示す二成分混合の傾向から大きく外れる鬼押出し溶岩流末端部に位置する湧水群Bでは、本地域で最も高いδ13CDIC値を示す一方で、DIC濃度が低いという特徴が認められた。これは、火山性CO2の影響を受けた地下水が、その流出過程において通気性の高いクリンカー部を流動するため溶存CO2の脱ガスが起こり、δ13CDIC値が上昇した結果と考えられる。
  • 富山 眞吾, 井伊 博行, 小泉 由起子, 目次 英哉
    原稿種別: 論文
    2010 年 52 巻 3 号 p. 261-274
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/01
    ジャーナル フリー
    休廃止鉱山である宮崎県富高鉱山では、砒素を含む坑内水が未処理のまま河川へ排水されており、将来的な対策として中和処理が検討されている。地表踏査やボーリング調査、鉱山の既存情報から、梅ヒ断層及び二坑ヒ断層に挟まれた区域では高透水性領域が形成されていることが想定される。大王山斜面から涵養した降水は高透水性領域の不飽和部を経て地下水面に達した後、地形的に低い周囲の河川へ流動しているものと考えられる。概念モデルをベースに数値モデルを構築し、降雨と坑内水流量及び地下水位との応答再現を試みた。その結果、おおよそ実測値と整合的な計算結果が得られ、概念モデルの妥当性を示すものと評価できる。
短報
  • 吉岡 真弓, 登坂 博行
    原稿種別: 短報
    2010 年 52 巻 3 号 p. 275-284
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/01
    ジャーナル フリー
    高透水性多孔質体中における速い流れ(非Darcy流れ)による熱輸送の定式化を目的として、基本的な飽和・非Darcy流れに対するForchheimerの式およびその係数の推算式の代表的なものをレビューすると共に、それらの比較検討を行った。Forchheimerの式に関して、信頼度が高いとされる4つの推算式(Ergun(1952)、Kovács(1981)、Ward(1964)、Kadlec and Knight(1996))による動水勾配Jと流速uFの関係をプロットすると、ErgunとKovácsの式は比較的近い関係にあり、他との有意な違いが認められた。また、実験時の透水係数から求められる非Darcy領域の係数bと、Sidiropoulou et al.(2007)による実験結果から得られたbを比較した結果、両者は必ずしも一致しないが、全体として見るとErgun(1952)およびKovács(1981)の式が実験結果と最も整合的であることがわかった。
訪問記
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