地下水学会誌
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59 巻, 3 号
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論文
  • 中田 弘太郎, 長谷川 琢磨, 柏谷 公希
    2017 年 59 巻 3 号 p. 205-227
    発行日: 2017/08/31
    公開日: 2017/12/05
    ジャーナル フリー

    蛍光染料は分析や保管の過程で濃度や蛍光強度が変化する可能性があり,これが定量結果に影響を与える可能性がある。本研究では,分析や保管において蛍光濃度・強度が変化する可能性がある要因を列挙して実際にその影響を評価し,さらにその対策について検討した。分析や前処理においては,溶液のpH,溶液の温度,天然有機物の共存,ろ過が分析結果に影響を与えるが,それぞれホウ砂水溶液でのpH緩衝,サンプル温度の調整,地下水の蛍光・吸光挙動把握,適切なろ紙と使用法選定により影響を低減できる。保管においては遮光により変質する可能性を低減できるが,微生物活動による変質には留意する必要がある。

技術報告
  • 藤田 クラウディア, 平塚 裕介, 山本 肇, 中島 崇裕, 薛 自求
    2017 年 59 巻 3 号 p. 229-237
    発行日: 2017/08/31
    公開日: 2017/12/05
    ジャーナル フリー

    二酸化炭素回収貯留技術(CCS)の大規模化,商用化に向けた課題の一つとして,CO2の圧入に伴って上昇する貯留層内圧力の問題がある。CO2貯留層は堆積構造の不均質性などによって有限な体積を有すると考えられるため,大量のCO2を圧入すると次第に貯留層全体の圧力が上昇することが指摘されている。その場合,貯留層圧力の上昇に伴って圧入レートを維持するためには,CO2圧入圧も上げる必要があるが,それはある許容圧力(地層の破壊圧など)で制約される。したがって,貯留プロジェクトで必要な圧入レートを長期的に維持するためには,貯留層内の圧力の抑制方法が必要になる。本研究では,CO2の圧入による圧力上昇を抑制する方法として,圧入に先立って揚水して予め貯留層圧を低下させてから圧入を開始する手法(デュアルモード坑井)と,圧入と並行して別の坑井で揚水する手法(圧力緩和井)の2手法を検討した。ケーススタディーとして,既存の大規模貯留層モデルを用い,上記の手法の効果を検討した。その結果,デュアルモード井の効果が貯留層の体積に大きく依存すること,ならびに,今回の条件においては圧力緩和井が貯留層圧力上昇の抑制と圧入レートの維持に有効であることなどが分かった。

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