本研究は,80歳以上の高齢者の清潔間欠導尿(以下,CIC)の長期成績と継続に必要な看護支援について検討することを目的とした.長期成績は,東京都内のA病院で2002年4月から2010年10月までに,CICを導入した80歳以上の58人(男性35人,女性23人,平均83.21±4.2歳)を分析対象とし,患者背景および導尿継続期間,合併症を診療録からデータ収集した.継続に必要な看護支援は,CICを1年以上継続している患者,家族20例(男性13人,女性7人,平均85.2±3.0歳)を対象に半構成的面接を行った.その結果,58人中CICの自己中断は1人,他の排尿方法への変更は4人,CICの離脱ケースは11人,合併症として尿路感染症を3人に認めたが,いずれも抗菌薬投与で改善していた.また,CICの継続要因として抽出されたカテゴリーは,【排尿に関する自覚症状の改善】【日常生活の質の改善】【介護負担の軽減】の3つであった.必要な看護支援として抽出されたカテゴリーは,【患者や介護者の能力に応じた技術指導】【日常生活に即した導尿プログラム構築】【タイムリーな個別的ニーズへの対応】の3つであった.
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