老年看護学
Online ISSN : 2432-0811
Print ISSN : 1346-9665
6 巻, 1 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 太田 喜久子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 4-7
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
  • 山幡 信子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 8-14
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
  • 前原 澄子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 15-18
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
  • 井出 訓, 森 伸幸
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 19-29
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,老人保健施設入居者とデイケア利用者を対象にメタ記憶の分析を行い,高齢者の記憶に対する認識と抑うつ感との関係・特徴を明らかにすることである.117名(M=83.1±6.17歳)の老人保健施設入所者と,85名(M=78.9±6.32歳)のデイケア利用者を対象に,面接調査によってMini Mental State Exam, Geriatric Depression Scale, Health Scale, Metamemory in Adulthood Questionnaireの測定を行った.本研究の結果から,年齢,抑うつ感,居住環境など,異なる施設利用者の特性が高齢者のメタ記憶に影響を与えていることが示された.また,高齢者の記憶に対する主観的な評価は,施設の違いにかかわらず個人の中では一貫性と整合性が保たれていることが明らかとなった.記憶の維持と改善に向けたアプローチでは,居住空間や利用施設など,それぞれに所属する高齢者の特性に合わせた独自のアプローチが必要であること,また記憶に対する主観的な評価を高める働きかけと,そのための環境調整が重要であることが示唆された.
  • 沖田 裕子, 岡本 玲子, 中山 貴美子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 30-39
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,痴呆ケア経験年数3年以上の看護・介護職が,痴呆性高齢者の活動性を引き出していると考えられるアクティビティ・プログラム(AP)の介入方法を明らかにすることを目的とする.研究方法は,痴呆ケア経験年数3年以上の看護・介護職18人に半構成質問紙によるインタビューを行い,分析は修正版グラウンデッド・セオリーを用いて行った.その結果,明らかになったことは,痴呆性高齢者の個別情報をもとに,痴呆性高齢者の個別情報がない場合とある場合の,両方の状態から活動性を引き出す介入方法であった.そして,痴呆性高齢者の個別情報を中心にAP介入方法のモデルを示すことができた.これらの結果を利用することによって,APの決定はプログラムの種類からの選択ではなく,高齢者のニーズを中心に行うことができると考えられる.
  • 小西 かおる
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 40-49
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,脳血管障害患者を対象に,障害によるストレスの認知的評価とコーピング行動の特徴について,援助レベルの決定や治療効果の評価として重要な指標であるADLと認知能力による違いを,退院前後の経時的変化から明らかにすることを目的に,質問紙による面接調査を行った.ADLと認知能力により障害度別に類型化された4群には以下の異なる特徴があることが明らかにされた.「軽度障害群」は対処能力が最も高いが,退院後のストレスの変化が最も大きい特徴があった.「認知障害群」は認知能力が低いため現実を認識しにくく,回復への安易な期待を抱きやすく,活動度が低下する傾向があった.「運動障害群」は支援によるADL回復や活動度の増加が満足度を高めていたが,内面では回避行動を多くとっており,自発的行動にはつながっていなかった.「重度障害群」はストレスが高く,情緒不安定な状態が長期間持続していたが,一方で,専門職が多くかかわることが,現実に立ち向かう志気を高めることになると示された.
  • 高橋 和子, 太田 喜久子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 50-57
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    都市部と農村部における高齢者の地域ケアに関するシステム(以下,地域ケアシステム)についての要望の実態と,両地域の違いを明らかにし,地域特性を生かした体制づくりの方向性を検討することを目的として,宮城県都市部A区と農村部B町に在住する高齢者を対象に調査した.その結果,地域ケアシステムへの要望は両地域とも「システムの充実・増加」の割合が高かった.次いで高かったのは,A区は「経済的援助」で,B町は「迷惑をかけたくない」であった.A区,B町の地域ケアシステムに要望がある高齢者は,高齢者世帯の割合が高く,加えてA区は,同居人数が少なく,年齢は比較的若い傾向があった.両地域の地域ケアシステムへの要望がある高齢者の比較では,B町のほうが,ここ1年においても仕事をしている割合が高かった.以上のことから,都市部は社会活動などを通した住民同士の協力体制の強化を,農村部では気兼ねなく利用できる公的サービスの充足・充実を図っていくことの必要性が示唆された.
  • 大山 直美, 鈴木 みずえ, 山田 紀代美
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 58-66
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究は要介護高齢者の在宅介護者の主観的介護負担とHealth Related QOL(HRQOL)の関連性を検討する目的で,268名を対象に自記式郵送法による質問紙調査を行った.有効回答は169名63%であった.調査項目は要介護高齢者の性別,年齢,自立度,介護者の年齢,性別,就業の有無,経済的負担感,介護協力者,介護期間,続柄,在宅サービスの利用回数,支援センターへの相談利用回数,主観的介護負担は中谷らの開発した主観的負担感スケール,HRQOLとしてMOS Short-Form 36-Item Health Survey ; SF-36を用いた.その結果は1.介護者の主観的介護負担と関連が強かったHRQOLは身体機能,心の健康,日常役割機能(身体),日常役割機能(精神),体の痛みであった.2.体の痛みが低群の介護者は主観的介護負担の高群者に多かった.3.主観的介護負担と社会生活機能の制限とは関連が少なかった.4.主観的介護負担には介護者の年齢,続柄,経済的負担感,介護協力者,専門家への相談,身体機能,心の健康,体の痛み,が影響することがわかった.
  • 穴井 めぐみ, 松岡 緑, 西田 真寿美
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 67-74
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は高齢者における嚥下体操の効果を唾液分泌量,開口度,反復唾液嚥下テストを指標として明らかにすることである.対象はS老人保健施設に入所中の摂食・嚥下障害のない高齢者15人で,平均年齢は78.2±6.04歳,男性1人女性14人であった.嚥下体操は従来の嚥下体操に唾液腺マッサージを加えた.1日3回食前10分に8週間継続して実施した.分析方法は上述の3つの指標において,嚥下体操を実施する前と8週間実施した後の測定値を比較した.唾液分泌の即時的効果について,嚥下体操を1回実施する前と実施した後の唾液分泌量を比較した・比較はウィルコクソン符号付順位検定を用いて行った(p<0・05).加えて,主観的評価を得るために嚥下体操を8週間実施した後に面接調査をした.結果は, 3つの指標において,嚥下体操を実施する前より8週間実施した後に有意に増加した.唾液分泌量において,嚥下体操を1回実施する前より1回実施した後に有意に増加し,唾液分泌の即時的効果が認められた.嚥下体操を8週間の実施した後の面接調査で食事への意識化,頸部のリラクセーション効果が抽出された.よって,嚥下体操は食事への意識化は摂食・嚥下のプロセスの認知期へ,唾液分泌量,開口度の増加は準備期・口腔期へ,反復唾液回数の増加は咽頭期へ影響を及ぼし,摂食・嚥下機能に効果を与えると考える.
  • 石橋 みゆき, 野口 美和子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 75-84
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,在宅療養者の主体性を維持して行う看護援助のためのアセスメント視点を得るため,在宅療養者の主体性維持にかかわる要素を明らかにすることである.研究対象3事例について質的事例分析を行った結果,在宅療養者の主体性維持にかかわる要素として(1)療養者の介護にかかわる人との関係のもち方(2)療養者や介護者による療養者の健康状態の評価・健康管理の実行(3)経済面の管理への療養者のかかわり方(4)療養者や介護者による過去の経験の療養生活への活用(5)療養者や介護者の療養生活に関する前向きな気持ち(6)療養生活方針への療養者のかかわり方の6要素が見出された.これらの要素は,療養生活全体のあらゆる側面において存在していた.看護援助する際には,これらの要素を在宅療養生活を把握する観察項目として活用するのではなく,看護援助する際の観察項目それぞれにおいて在宅療養者の主体性の発揮され方をアセスメントするための視点として活用することが重要である.
  • 小野 幸子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 85-91
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,筆者が明らかにした「高齢者の自我発達を促進する看護援助の構造」における看護方法の有効性の検証を試みることである.データは,22名の看護婦を対象に,高齢者を対象にした看護体験の中で「困難感を抱き苦慮した高齢者の状態に対する援助の結果,効果的もしくは非効果的であったと評価される援助事例」について半構成型インタビューをして得た援助内容である.分析は質的帰納的に分類し,「高齢者の自我発達を促進する看護援助の構造」における看護方法と比較検討した.その結果,困難感を抱き苦慮した高齢者の状態として36事例あげられ,これらに対する看護婦の捉え方が看護婦の対応を決定づけることが示された.また,その中で効果的であったと評価された17の援助事例と非効果的であったと評価された19援助事例を分析した結果,効果的であったと評価された援助事例における看護婦の対応は4つに分類され,これが「高齢者の自我発達を促進する看護援助の構造」における6つの看護方法のうち4つに相当することが示された.
  • 得居 みのり, 水谷 信子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 92-98
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 「手のマッサージ」が日本の老年期痴呆患者においてリラクゼーションを促す効果があるかどうか,また,その経過にはどのような状態がみられるのかを明らかにすることである.精神病院痴呆棟に入院中の重度老年期痴呆患者6名を対象に,1日1回,10分間(片手5分ずつ)の手のマッサージを,10日間連続して行い,そのリラクゼーション効果を,リラクゼーションチェックリストにて評価した.また,マッサージ施行中の対象者の状態を帰納的・記述的に分析した.手のマッサージは日本の老年期痴呆患者にリラクゼーション状態を促す看護援助として有効であることが示された.また,マッサージの成果をあげるためには,環境の設定や対象者の状態の見極めが必要であると思われる.手のマッサージの中の「手に触れる」「繰り返し同じことをする」などの要素が,対象者のもっている能力や感覚を引き出し,対象者の人間的疎通性を快復させていると思われた.今後の課題として,手のマッサージのリラクゼーション効果が老年期痴呆患者の睡眠導入や,「落ち着かない状態」の改善に利用可能かどうか,検討していくことがあげられる.
  • 松岡 千代, 横川 絹恵, 一原 由美子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 99-106
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    高齢者の寝たきりを予防するため離床の手段として標準型車椅子が用いられていることが多いが,長時間使用することによる問題点が指摘されている.こうした問題点を解消するために,廃車シートを転用した安楽車椅子(以下試作車椅子)を新たに開発した.本稿の目的は,車椅子の「座り心地」について,標準型車椅子と比べることによって試作車椅子(2タイプ)の有用性を明らかにすることである.被験者(18〜19歳の健康な女性16名)には,「直後」,「15分後」,「30分後」に,座り心地に関する質問項目(14項目,5段階評価)について評価することを求めた.2元配置分散分析の結果,「車椅子種類」,「時間」の主効果が認められたが,交互作用は認められなかった.多重比較の結果,試作車椅子のいずれのタイプともに標準型車椅子よりも評価が高かった.また,使用時間が長くなるにつれて「座り心地」の低下する傾向が認められた.こうした結果に基づき,試作車椅子は標準型車椅子に比べて良好な「座り心地」を有しており,高齢者の寝たきり防止の手段として有用性をもつものと結論付けた.
  • 松本 啓子, 清田 玲子, 池田 敏子, 赤木 節子, 羽井佐 米子, 高田 三千代, 松井 優子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 107-113
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,臨床の看護職者が高齢者の自立に関してどのような意識をもって,看護を実践しているか,看護職者の個人背景によってその意識に違いがあるかどうかを明らかにすることである.この研究で自立を示す項目は,主として高齢患者の多い病棟に勤務する看護職者に,アンケート調査を実施して得られた回答を分類し,筆者らによって一致するまで検討を重ね,15項目を精選した.再度同じ回答結果を用いて,看護計画立案時の情報収集の中で15項目に該当する回答の有無と個人背景との関係をx2検定した.同様に看護職者が一般的高齢者の自立についてイメージする中で,15項目に該当する回答の有無と個人背景との関係を検討した.結果,情報収集時の回答と個人背景との関係では,年齢と「コミュニケーション」,経験年数と「コミュニケーション」,職位と「理解・判断」「自己管理」「ADL」,世話の経験の有無と「意欲」に有意な差があった.一般的高齢者の自立についてイメージする時の回答と個人背景との関係では,年齢と「意思表示」,経験年数と「意思表示」「コミュニケーション」,職位と「理解・判断」の項目にそれぞれ有意差があった.
  • 六角 僚子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 114-122
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    「アクティビティケア」(以下,AC)という視点から痴呆性高齢者のケア実践を1年間試み,その有効性を見てきた結果,以下のことが確認された.1)高齢者のアセスメントを重視したACの提供の結果,AC時のみならず日常生活全般での社会的交流能力やIADLを引き出し,日常生活自立度が改善された.2)そのことが,グループACにおいても対象者を取り囲む他の高齢者にもプラスの影響を与え,それぞれの社会的交流能力が引き出された.3)継続的なACの提供とそれに対する評価により,対象者にとって意味のある/ないACサービス項目をふるい分けることが可能であることが示唆された.4)対象者の変化が,ケアスタッフのケアに取り組む姿勢を積極的にするなど,ケア提供者と対象者との相互作用が両者の態度変容を生み出していることが確認された.以上から,ACに焦点を当てたケアプランの策定とそれに基づいたケア実践は,痴呆性高齢者の日常生活機能の改善,社会的交流能力や生活意欲の向上に対して有効であるばかりでなく,看護・介護職者らのケアの質の改善意欲の昂進にもつながっていく可能性も示唆された.
  • 野村 美香, 小松 浩子, 伊藤 恵美子, 岡光 京子, 南川 雅子, 高見澤 恵美子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 123-128
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    慢性病をもつ高齢者の性に対する看護婦・士の認識の内容を明らかにするために,性行動,性役割,夫婦の関係性,他者とのつながりの4側面をもつセクシュアリティの概念を基盤に,脳血管障害・慢性腎不全・虚血性心疾患患者の看護に携わる看護婦・士38人に半構成的面接を行った.看護婦・士の認識は,『変わらない』『変化に関する認識』に大別され,それぞれの変化は,性行動が,【性反応の変化】【性交によらない性的充足】【性行動の変化に伴う感情】,性役割が,【性役割の喪失】【性役割の移行】【性役割の変化に伴う感情】に分類された.夫婦の関係性は,【親密性の変化】【力関係の変化】【夫婦の関係性の変化に伴う感情】,他者とのつながりは,【関係のひろがりの変化】【親密性の変化】【他者とのつながりの変化に伴う感情】に分類され,これらの変化には,【積み重ねられた生活暦】【慢性病の病状・障害】【心のゆとり】【周囲の意識】が影響すると認識されていた.
  • 右田 周平, 服部 ユカリ
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 129-137
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    痴呆性高齢者の介護の肯定的側面の因子構造とその関連要因を明らかにすることを目的に,痴呆性高齢者の介護者67名を対象に訪問面接調査を行った.介護の肯定的側面として「家族の理解や協力の側面」,「健康や病気についての関心を高める側面」,「介護をすることが自分にとって利益になった側面」,「介護を通して気づきの体験が増えた側面」,「老いや他者の受け止め方に寛容になった側面」の5因子が得られた.肯定的側面を構成する「介護をすることが自分にとって利益になった側面」は介護負担感と関連することが示唆された.また,「健康や病気についての関心を高める側面」,「介護を通して気づきの体験が増えた側面」はデイサービス利用期間が長い者ほど,またADLが低い者ほどその側面を強く感じる傾向があった.介護の肯定的側面を高める援助にあたっては,介護者を孤立させないような社会的支援の充実,介護者自身が介護の肯定的側面に気づけるような働きかけ,介護者がよりよい介護の経験を積み重ねることができるような援助が必要であることが示唆された.
  • 渡辺 みどり
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 138-147
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    介護老人保健施設の属性,人員配置,看護管理者の管理経験年数により,看護管理者の役割認識と施設の看護実践がどのように異なるのか明らかにすることを目的とした.全国2,244施設から1,000施設を無作為抽出し,看護管理者の役割認識と看護実践について看護管理者を対象に,「入所者の健康を維持・向上するための援助」「治療の管理」「家族への援助」「施設内他職種との連携」「施設外他職種との連携」の5分類の看護活動(51項目)によって把握した.看護管理経験年数3年以上の管理者は入所者の痴呆の改善・進行を防止し,療養生活環境を把握し,施設外他職種と連携するよう管理していた.看護職員に占める看護婦の割合が40%以上の施設の者は,入所者の家庭復帰,セルフケア能力の向上,抑制廃止に向け看護実践するよう管理していた.設置主体が公共性を有する施設の者は地域へ働きかけるよう管理していた.病院併設,在介併設,ステーション併設施設の看護管理者は単独型施設よりも施設外他職種と連携するよう管理していた.
  • 人見 裕江, 谷垣 静子, 稲光 哲明, 中村 陽子, 小河 孝則, 畝 博
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 148-155
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究はCAPDを行っている高齢療養者のセルフケア能力やQOLの実態を, CAPD若年療養者との比較において明らかにすることを目的とした.全国の血液透析(HD)と腹膜透析(CAPD)の両方を扱っている1,292施設(1998年全国透析医学会施設会員名簿)から紹介された,研究への了解が得られたCAPD療養者700人を対象とした.有効回答は522人(74.0%)で,年齢が明らかであった509人(72.0%)を分析対象とした.CAPD療養者を64歳以下の若年群,65歳から74歳以下の前期高齢群および75歳以上の後期高齢群との3群に分けた.3群間のセルフケア能力の平均値およびQOL26項目別の平均値の比戟を,一元配置分散分析で行った.CAPDの高齢療養者のセルフケア能力は年齢とともに低下するが,前期高齢群のセルフケア能力は若年群と同様に高く維持されていることが示唆された.後期高齢者では,体調の調整や身体面での気づきなど注意をはらうことが困難であるかも知れないが,有効な支援を活用する力はもちあわせているといえる.また,後期高齢者では,QOL項目の人間関係・社会関係に満足している.また,環境側面の安全性についても3群の中では満足度が高い.反面,加齢とともに生じるさまざまな喪失体験の現われが推察され,身体的・心理的な面でのQOLは低い.高齢者の特性を勘案し,看護者自身の自助努力により,CAPDの高齢療養者を取り巻く看護システムや社会システムの将来を開発していくことが重要である.看護の重要な機能である看護agencyを高めることが,CAPDの高齢療養者の有効な支援を獲得するセルフケア能力を高め,CAPD療法を継続させることにつながる.
  • 金川 克子, 奥野 茂代, 沼本 教子, 高崎 絹子, 太田 喜久子, 小野 幸子
    原稿種別: 本文
    2001 年6 巻1 号 p. 156-166
    発行日: 2001/11/01
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
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