日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
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日本文化人類学会第46回研究大会
選択された号の論文の185件中1~50を表示しています
分科会
23日(土) 9:30-12:25  C会場
分科会Ca 「社会主義をへた宗教の再構築:地域社会の分断/再編と越境からのアプローチ」
代表者 藤本透子
分科会
23日(土) 13:30-16:25  C会場
分科会Cb 「人間と動物の境界についての人類学研究へ向けて:霊長類学と文化人類学の視点から」
代表者 田所聖志
分科会
23日(土) 9:30-12:25  D会場
分科会Da 「医学・医療系教育における文化人類学」
代表者 道信良子
分科会
23日(土) 13:30-16:25  D会場
分科会Db 「展示による社会的関与は人類学に何をもたらすか:日本・ロシア・北米の先住民調査研究の視座から」
代表者 高倉浩樹
  • 日本・ロシア・北米の先住民調査研究の視座から
    高倉 浩樹
    セッションID: PDb0
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    人類学にかかわる展示を実践することによって何が可能となり、それは研究にどのようなフィードバックをもたらすのかについて考察する。それぞれ特色をもった展示を実践する研究者の実例の報告を踏まえながら、論文や著作とは異なる成果公開の形態はそもそも何故・何を目的に企図されたのか、その社会的関与に対する実際的効用、さらに人類学の方法や理論へのフィードバックについて報告する。その上で展示によって達成可能な学問的可能性をより明確な論点として提示する。
  • 山崎 幸治
    セッションID: PDb1
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では、アイヌ文化に関する二つの展示実践を事例として、アイヌ研究にとどまらない文化人類学研究へのフィードバックが見込まれるトピックについて検討を加える。とりあげるトッピックは、【物質文化資料と情報】、【語りの「調整」】、【現代の展示】、【ノイズとしての「展示する側」】である。そこでは海外をフィールドとする文化人類学研究では見えにくい問題や、研究者に求められている「実践」についても論じる。
  • 『ホピ・ズニ作家展』の経験から
    伊藤 敦規
    セッションID: PDb2
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
     本発表では、2007年以来企画・代表者として5度開催してきた『ホピ・ズニ作家展』について、その趣旨や企画の背景の概要報告をするとともに、文化人類学者としての調査地との関わり方について考察する。この協働展示実践によって顕在化した主客不可分な状況は、サンタフェ・ショック以来人類学に突きつけられてきた「調査する側」と「調査される側」との政治的非対称性をめぐる課題に対する一つの答えになるだろう。
  • 北米大陸のヤキに関する展示を事例として
    水谷 裕佳
    セッションID: PDb3
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では、米国およびメキシコに居住する先住民ヤキについての企画展示「北米先住民ヤキの世界」(2010年10月~2011年2月於北海道大学博物館、2012年2月於早稲田大学ワセダギャラリー)を具体的な事例として、先住民の人々に関しての博物館展示が彼らの居住する地域から見て海外で実施される場合に、文化人類学分野の研究者が果たし得る役割、および現地の人々との間に構築し得る関係性について考察する。
  • カナダ先住民の動物利用に関する展示を通した成果の還元と研究上の意義
    山口 未花子
    セッションID: PDb4
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    モノや技術には、情報としてだけではなく経験として人々に共有されるという強みがある。他方で、それを人類学者が収集したことによって、そのモノには様々なエピソードが付与されることとなる。この二点は、人類学の成果としてのモノの展示の可能性を示している。本発表では発表者がこれまでに取り組んだ展示実践の事例から、人類学者が展示に関わることの研究上の意義と成果還元の可能性について検討する。
  • 民族誌写真と標本資料における断片性と本質性の新たな文脈化
    高倉 浩樹
    セッションID: PDb5
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    シベリア民族誌写真と標本資料の展示を日本と現地で行った経験に基づき、展示が人類学の方法や理論に何をフィードバックさせたか考える。展示に際しては学外の専門家が加わり、研究資料の分析=編集が行われる。これを「協働編集過程」と概念化し、実際の展示実践にもとづいてその実態を再構成する。その結果、断片性と本質性を戦略的に用いる展示が人類学と社会の間の新しい界面を作り出すことがわかった。
分科会
24日(日) 9:00-11:25  D会場
分科会Dc 「界面に立つ専門家:サファリングとケアの人類学」
代表者 浮ヶ谷幸代
  • サファリングとケアの人類学
    浮ヶ谷 幸代
    セッションID: PDc0
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本分科会は国立民族学博物館共同研究「サファリングとケアの人類学的研究」の一環として企画したものである。目的は、さまざまな界面(異質な領域が出会う状況や場)に立つ制度的専門家の苦悩することの意味を探り、さらにその苦悩する場を構成するローカルな規範や限られた物理的・人的資源という環境条件のもと、苦悩する専門家たちの対処の術を探ることである。
  • 医療の変容にともなう立ち位置の変化について
    沖田 一彦
    セッションID: PDc1
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    最近の医療は「病気予防」、「健康増進」、「地域医療」にと、その守備範囲を拡張し続けてきた。しかしそれは、医療現場でそれを担う専門家に新たな苦悩(suffering)を生み出した。言い換えれば、そのような医療の変容にともない、専門家がその“立ち位置”を、生活者である患者・利用者との狭間で変化させる必要が出てきたということである。報告では、リハビリテーション医療における事例を紹介することで、この問題について討議する。
  • 松繁 卓哉
    セッションID: PDc2
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    機能性と効率性を追求することで発展してきた病院医療が、今後、地域包括ケアと称されるものに変容していくと考えられている。しかしながら、専門分化が進展するにつれて、医療・福祉の専門家一人ひとりの担当領域はますます狭められてきており、ケアの対象者の生の全体像を見渡すことが困難となっている。本報告は、ローカルな現場で苦悩する専門家の営みを注視し、多職種連携における分担/分断の問題について考察する。
  • 現代日本における葬儀業の活動展開を事例として
    田中 大介
    セッションID: PDc3
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は現代日本における葬儀業を題材とした職業人類学的な事例研究である。近年、事業規模を問わず葬儀業に属する各組織はケアの概念を積極的にサービスへと導入しているが、この発表ではその動向についての調査事例をエクスパティーズ、すなわち業務遂行のために発揮される専門性という切り口から考察することによって、今日において「職業としてのケア」がいかに成立しているのかという問題を探究したい。
  • 日本の医学教育改革の現場にあって
    星野 晋
    セッションID: PDc4
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    今日日本の医学教育は、「医学とその応用」から「臨床実践から組み立てる教育」へと教育モデルを大きく転換しつつある。その中で文系教員には、臨床に役立つ人間行動の理解とコミュニケーション・スキルの教育が求められていれる。しかし高齢化により在宅医療への重心の移動が進む日本にあって、報告者は、社会科学の視点や方法など、臨床や暮らしの現場から学ぶ学び方の学習機会こそが、文系教員が提供すべき教育であると考える。
分科会
23日(土) 9:30-12:25  G会場
分科会Ga 「熱帯林と社会:サラワク民族誌研究の可能性」
代表者 長谷川悟郎
  • ?サラワク民族誌研究の可能性
    長谷川 悟郎
    セッションID: PGa0
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本分科会は、ボルネオ島サラワクの諸社会を対象にフィールド調査をおこなってきた5名によって、熱帯林と社会の関係を視野に入れた報告と議論をおこなう。熱帯林は、サラワク諸社会の人びとにとって、社会に対立する自然資源、自然環境というだけでなく、人間、動植物や事物などの諸存在が構成する社会そのものでもありうる。そうした見方を切り拓くことから、本分科会はサラワク民族誌研究の可能性について討議する。
  • マイノリティの視点からの一考察
    加藤 裕美
    セッションID: PGa1
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では、マイノリティと森の関係に焦点を当て、人々の多様な対応のありかたを開発や市場経済といったキーワードから検討していく。具体的には、まず1点目に、森林産物交易における市場経済との結びつきの強さを指摘する。2点目には、交易における華人とのより強い経済的な紐帯について考察する。3点目に、森の動植物に対する人々のとらえ方が、森林開発や市場経済の影響をどのように受けているのかを検討する。
  • ブラワンによるツバメの巣の利用を事例に
    佐久間 香子
    セッションID: PGa2
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、特定の資源の利用に注目してサラワクの先住民社会における森と人との関係を通史的に考察するものである。本発表では、ブラワン社会におけるツバメの巣の利用に注目する。具体的には、1)当該社会を取り巻く自然環境と社会状況の変化にともなうツバメの巣の役割の変遷を述べる。次に2)華人との関係の資源交易という経済関係をこえた重要性を指摘する。そして、3)特定の資源に注目して民族誌を描く可能性を検討する。
  • 先住民との関係を通したサラワク華人にとっての熱帯雨林
    市川 哲
    セッションID: PGa3
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表はマレーシア、サラワク州内陸部の河川上流域における華人と先住民との間でなされる森林産物の取引や婚姻や養子のやり取りといった相互関係について報告する。それにより、サラワクにおける華人が先住民との関係を通して熱帯林という自然環境といかなる関係を取り結んできたのか、そして熱帯林との関係が河川上流域の小規模な華人コミュニティにいかなる影響を与え、地域的な特徴を形作ってきたのかについて議論する。
  • イバン・エクスパンション再考
    長谷川 悟郎
    セッションID: PGa4
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、これまでの研究で語られてきたイバンの民族的特徴とされてきた森の中の自由な開拓移動について、人びとの間で伝統的に受け継がれてきた護符信仰の側面に注目しながら、社会経済的側面だけではなく、じつは神霊とのつながりのなかで形成される信仰の側面から多大な影響を受けていることを民族誌的に再検討をこころみる。
  • プナンにおける人と自然
    奥野 克巳
    セッションID: PGa5
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では、マレーシア・サラワク州の狩猟採集民プナン(Penan)を取り上げて、<痕跡(uban)>、<過去の実在を想う(tawai)>、<控えめで、慎み深い(ngeluin)>というプナン語の三つのキーワードを手がかりとしながら、彼らが、どのように人と人だけでなく、人と森のなかの自然の景観や事物との間で深い情緒的な交感関係を築いているのかを民族誌のなかに描き出し、考察検討する。
分科会
23日(土) 13:30-16:25  G会場
分科会Gb 「映像資料にみるイスラーム的宗教実践:地域間比較研究における「家族的類似」概念の可能性をめぐって」
代表者 吉本康子・阿良田麻里子 
  • 地域間比較研究における「家族的類似」概念の可能性をめぐって
    吉本 康子, 阿良田 麻里子
    セッションID: PGb0
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    イスラームは世界各地の、言語文化的に多様な地域に根付いている。その実際の在り方を、本質論的な概念を前提とした専門用語をもって文字化することには様々な弊害がある。本分科会では、イスラーム的な宗教実践を扱った映像資料を用いて、地域横断的にムスリムの様相を視覚で認識した上で考察する。これにより、文化人類学的な比較研究の新たな方法論を提起し、「家族的類似」概念を援用したムスリム研究の可能性を提示する。
  • ベトナム中南部チャム・バニの社会における「クルアーン」朗誦
    吉本 康子
    セッションID: PGb1
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、ベトナムの「公定のムスリム」、チャム・バニの「クルアーン」朗誦の実態を通して、従来の研究において自明視される傾向にあった「イスラームの共通項」としての要素を、個別社会の文脈の中で考察する。その上で、チャム・バニの宗教の再定位を試みるとともに、ベトナムの「公定のムスリム」あるいは「ホイ・ザオ」の宗教実践が多配列クラスであることを指摘する。
  • インドネシア・西ジャワ農村のムハンマド生誕祭と祖霊祭祀
    阿良田 麻里子
    セッションID: PGb2
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では、近代化の進むインドネシアで周縁へと追いやられつつある混淆的なイスラームの宗教実践を描く。ムスリムが圧倒的多数を占める西ジャワのスンダ人社会ではイスラームの信仰の形も多様である。ムハンマドの生誕祭にあたって行われる霊宝の沐浴儀礼を事例として、供え物を前に安息香を焚きながら祖霊に捧げる祈りと集団でアラビア語の祈祷を唱える神への祈りがないまじりになった宗教実践の形を映像資料を用いて報告する。
  • 中国・西安市のムハンマド生誕祭
    今中 崇文
    セッションID: PGb3
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、中国・西安市に暮らすイスラーム系少数民族、回族のムハンマド生誕祭を事例として、「伝統」と「正統」の混淆する宗教実践の様相を描こうとするものである。本来、ムハンマドの生没日に営まれるとされる「聖紀」を、春節の時期に行っている人々がいる。「正統」なイスラームの存在を意識しながらも、「伝統的な」宗教実践こそが「われわれの」のイスラームであるという意識があることを映像資料も用いて報告する。
  • 東地中海地域アラビア語圏における聖者アル・ハディル崇敬の事例より
    菅瀬 晶子
    セッションID: PGb4
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、東地中海地域アラビア語圏における、アブラハム一神教徒すべてによる聖者アル・ハディル崇敬の共有の事例をとおして、非イスラーム的、非一神教的要素を取り入れたイスラーム実践のありかたを提示することを目的としている。一方で、イスラーム主義復興の影響により、イスラームの文脈で「純化」され、排他性を帯びつつある聖者崇敬の様態とあわせて、映像と写真をもちいて紹介する。
  • 現代12イマーム・シーア派における宗教界をめぐって
    黒田 賢治
    セッションID: PGb5
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本報告では、イスラームの12イマーム・シーア派の宗教実践を「多配列クラス」として捉え直すとともに、「多配列クラス」的な実践のあり方に対して何らかの形で境界を形成しつつ、多様なローカルな宗教実践のあり方が並存する状況を生んできたメカニズムについて、20世紀後半からグローバルに活動地域を拡大させてきた12イマーム・シーア派宗教界に焦点を当て、イランとアメリカの事例を基に映像資料をまじえながら検討する。
分科会
24日(日) 9:00-11:25  G会場
分科会Gc 「アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明:政治・宗教、砂漠化、家畜生産」
代表者 嶋田義仁
分科会
23日(土) 9:30-12:25  H会場
分科会Ha 「身体化された心の人類学的解明:言語・記憶・認知・社会」
代表者 菅原和孝
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