都市部繁華街に緑陰を置いた場合に,生理的心理的身体的にどう変化するかが本研究の目的である.
方法:健康な 20–26 歳の大学生 20 人を,秋葉原駅広場に,夏日の朝に樹木および 68 m
2 の芝生を敷き詰めた緑陰環境と,コントロールとして同じ西口広場のテントに 10 人ずつを 1 時間すわらせた.介入前後に心理的身体的測定をおこなった.
結果:緑陰群で介入後,POMS で怒り・敵意が減少した (p<.01).コントロール群で有意の差はみられなかった.ワルテッグ描画テストで緑陰群はプラスの変化または,安定していたが,コントロール群では有意にマイナス方向への変化があった.唾液コルチゾールはコントロール群は下がったが,緑陰群は有意に下がった (p<0.05).
結論:都市構造の中での緑地は健康に好影響を及ぼすことが結論づけられた.
この成果は国土交通省が委託し,(財)都市緑化技術開発機構が受託をして,著者が協力して行った調査研究で得られものである.
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