日本補完代替医療学会誌
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10 巻, 1 号
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総説
  • 佐古 博皓, 鈴木 克彦, 竹山 春子
    2013 年 10 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/13
    ジャーナル フリー
    遺伝子 (mRNA) 発現量がタンパク質合成の量的指標となって久しいが,実際には両者の相関関係は低いことが多い.近年,翻訳活性化状態にある mRNA をリボソームプロファイリングによって詳細に解析することで定量する技術が開発され注目を浴びつつある.そこで本総説では,マイクロアレイなどの遺伝子発現の網羅的解析技術が抱えていた問題点,特に翻訳制御機構を含む転写後調節を考慮していなかった点に言及しつつ,これらの問題がリボソームプロファイリングによって大きく改善されることを概説する.さらに,同技術の特性を生かした新たなバイオマーカーの発見の可能性を探る.
原著
  • 渡邉 映理, 木村 真理, 今西 二郎
    2013 年 10 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/13
    ジャーナル フリー
    目的:心理,生理,免疫指標等により,緑茶飲用効果を包括的に評価すること.
    方法:試験デザインは無作為化クロスオーバー試験とした.対象者は,パソコンによる疲労負荷作業を 120 分間実施した後,抽出した緑茶または水を飲用した.試験開始時,疲労負荷作業後,緑茶または蒸留水飲用 30 分後の 3 回で,採血,事象関連電位測定,質問紙記入を実施し,比較した.心拍測定を行い,HF, LF/HF 値の平均を算出した.
    結果:疲労状態の時に緑茶を飲用すると,飲用 30 分で,副交感神経が優位になり,注意力が改善され,NK 活性が一時的に上がり,自覚的な疲労,特に精神疲労が回復するという効果が示唆された.
    考察:本研究によって緑茶の疲労回復効果を心理,生理,免疫指標により包括的に示すことができた.このことから,緑茶は,疲労回復に有用な飲料と考えられる.
  • 鈴木 信孝, 上馬塲 和夫, 宋 函, 滝本 裕子, 鈴木 里芳, 川端 豊慈樹, 許 鳳浩, 大野木 宏, 仲井 培雄
    2013 年 10 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/13
    ジャーナル フリー
    ガゴメ昆布フコイダンのがん患者に対する安全性をオープン試験により評価した.がん治療を終えた者 16 名(男性 6 名,女性 10 名,62.8 ± 10.7 歳)ならびにがん治療中で抗がん剤やホルモン剤を内服中の者 10 名(男性 4 名,女性 6 名,67.0 ± 10.6 歳)にガゴメ昆布フコイダン(1 日摂取量 200~300 mg)を配合した食品を 8 週間摂取してもらい,摂取前と摂取 4 週間後および摂取 8 週間後に血液検査,尿検査,QOL 調査,免疫機能検査を行った.その結果,いずれの検査においても臨床上問題となる変動はみられなかった.また,試験食品に起因し臨床上問題となる有害事象も認められなかった.以上の結果から,ガゴメ昆布フコイダンはがん患者に対し安全性の高い食品素材であることが示された.
  • ―作業能率に関する検討―
    梶本 修身, 白市 幸茂, 栗山 昭彦, 大塚 雅生, 門脇 孝徳, 杉野 友啓
    2013 年 10 巻 1 号 p. 25-37
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/13
    ジャーナル フリー
    本試験では,新開発 LED 照明を作業時に使用した場合における室内環境快適性について検証するため,健常成人男性を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.
    その結果,新開発 LED 照明は従来 LED 照明との比較において,VAS による主観的評価から室内環境快適性を向上させること,および ATMT による評価から負荷中の作業能率(パフォーマンス)が向上することが明らかとなった.これらの作用機序の一つとして,自律神経機能の調節作用が考えられた.以上のことから,新開発 LED 照明は作業時の室内環境快適性を高め,QOL 向上および作業能率の低下抑制(疲労軽減)の二つの面において有用な機器であると考えられた.
短報
速報
  • 鈴木 克彦, 泊 美樹, 菅間 薫, 北舘 健太郎, 三浦 茂樹, 吉岡 浩, 森 有一
    2013 年 10 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/13
    ジャーナル フリー
    ポリフェノールの好中球機能に及ぼす影響をオリゴノールとライチポリフェノールを用いて検討した.37℃ で加温したハイドロゲルに,オリゴノールまたはライチポリフェノールと全血,ルミノールを添加し,ハイドロゲル内に浸潤した好中球の遊走細胞数と活性酸素産生量を測定した.その結果,好中球の遊走能には影響は認められなかったが,活性酸素産生量は同様に 100 μg/ml 以上では有意に抑制されたが,より低濃度では好中球が活性化された.すなわち,ライチポリフェノールは 100 ng/ml~10 μg/ml では好中球活性酸素産生量を上昇させたが,オリゴノールはその程度が少なかったため,オリゴノールに含まれるカテキン類が低濃度域で抗酸化作用を発現した可能性とポリフェノールの低分子化や組成の変化が影響した可能性が示唆された.
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