日本補完代替医療学会誌
Online ISSN : 1348-7930
Print ISSN : 1348-7922
ISSN-L : 1348-7922
6 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
総説
  • ―最近の話題―
    三浦 健人, 北舘 健太郎, 西岡 浩
    原稿種別: 【総説】
    2009 年 6 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/03/12
    ジャーナル フリー
    AHCC は Active Hexose Correlated Compound の頭文字をとってつけられた名称で,シイタケ (Lentinula edodes) 属に属する担子菌の菌糸体を大型タンクで液体培養したものから抽出される物質である.現在ではがん患者による利用頻度の高い健康食品として医療現場でも用いられている他,最近の研究で感染症や炎症性疾患にも有効であることが明らかとなってきている.各種安全性試験によって食品としての安全性が確認されている他,薬物との相互作用についても基礎の研究がなされている.健常人を対象とした第一相安全性試験も実施されており,臨床現場で使用される食品として安全であると結論されている.
    本報では AHCC の抗癌剤の副作用軽減効果,免疫調節作用,感染防御作用,抗炎症作用など最近の研究成果について概説する.
原著
  • 吉岡 康子, 為定 誠, 永山 在明
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/03/12
    ジャーナル フリー
    健常成人男女を対象として,シイタケ菌糸体抽出物 (L.E.M.) を含む顆粒状食品を過剰摂取したときの安全性を評価した.
    被験者 11 名(男性 8 名,女性 3 名,平均年齢,33.4 ± 9.4 歳)に,1 日摂取目安量(食品 9 g 中,L.E.M. 1,800 mg 配合)の 3 倍量(食品 27 g 中,L.E.M. 5,400 mg)を 4 週間連続摂取させ,試験食摂取前,摂取 1 週後,摂取 4 週後に,身体計測,採血,採尿を実施し,日誌により自覚症状を調査した.
    その結果,理学検査,血液検査,尿検査において,臨床上問題となる変動は認められなかった.自覚症状については,1 例で軽度の軟便が観察されたが,重篤な有害事象は認められなかった.
    以上より,シイタケ菌糸体抽出物は,1 日 5,400 mg までの過剰摂取において,安全性に問題ないことが示唆された.
  • 山田 理恵, 阿久澤 和彦, 畢 長暁, 李 専, 定成 秀貴, 松原 京子, 村山 次哉
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/03/12
    ジャーナル フリー
    ヒトサイトメガロウイルス (human cytomegalovirus: HCMV) の治療薬として,現在ガンシクロビル (GCV) とホスカルネット (PFA) が使用されているが,易感染性宿主の HCMV 感染症には,抗 HCMV 薬の長期投与が必要なため,薬物耐性 HCMV の出現が問題となっており,作用機序の異なる新たな治療薬の開発が求められている.
    現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っている.今回は,防腐作用や殺菌作用などがあることが知られているクマザサを用い,その抽出物に,抗 HCMV 効果があるか否かについて検討した.クマザサ抽出液をウイルス感染細胞に添加したところ,濃度依存的にウイルスの細胞変性効果が抑制され,ウイルス粒子産生にも抑制がみられた.また,リアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,クマザサ抽出液によりウイルスの複製,増殖に重要な Major immediate early (IE) 遺伝子の発現に抑制がみられたことから,クマザサ抽出液は GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつ可能性が示された.
  • 西谷 真人, 白市 幸茂, 大塚 雅生, 青柳 さやか, 杉野 友啓, 梶本 佳孝, 梶本 修身
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,つつみ込む気流制御エアコンの健康維持および疲労に対する有用性を検証するため,健常女性を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.エアコン使用時に冷えを感じやすい女性 10 名に,2 時間のデスクワークによる疲労負荷を与えた後,つつみ込む気流または人あて気流でエアコン制御された部屋で 30 分間休息させた.Visual Analogue Scale (VAS) による主観評価,レーザ・ドップラ式血流計による血流測定,および体温測定を実施した結果,つつみ込む気流制御エアコンでの休息は,体温低下を抑制し,末梢血流を維持することにより,末梢の冷えおよび膝関節の疼痛を抑制し,疲労感の軽減および快適感の上昇を促進することが明らかとなった.本研究により,つつみ込む気流制御エアコンの健康維持および疲労に対する有用性が示された.
短報
  • 手計 雅彦, 松井 真紀子, 明壁 史弥, 熊谷 道彦
    原稿種別: 【短  報】
    2009 年 6 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/03/12
    ジャーナル フリー
    目的:ブタプラセンタエキスのアンジオテンシン I 変換酵素 (ACE) 阻害活性について検討を行った.
    方法:ACE は,ウサギ肺由来を用いた.基質は,Bz-Gly-His-Leu を使用し,生成物の馬尿酸は,HPLC で測定した.
    結果:ACE 阻害活性の測定は,ブタプラセンタエキスを 2 倍希釈系列で希釈し測定を行った.その結果,ブタプラセンタエキスの IC50 は,95.7 μg であった.また,阻害形式は,拮抗阻害を示すことが明らかとなった.
    結論:ブタセンタエキス中には,アンジオテンシン I 変換酵素 (ACE) 阻害活性物質の存在することが示唆された.
Current Views
feedback
Top