日本補完代替医療学会誌
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最新号
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総説
原著
  • 小池 浩司, 吉川 智香子, 石垣 靖人, 鈴木 信孝, 杉浦 幸一, 小池 大我, 高野 文英
    原稿種別: 原著
    2021 年 18 巻 1 号 p. 7-21
    発行日: 2021/07/12
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    【目的】胎盤抽出物 (PE) は,アジア各国において更年期症状,創傷治癒や肝障害などに民間療法として用いられてきた.本研究では,ブタ胎盤抽出物 (PPE) が免疫系に及ぼす作用を探る一環で,単球細胞に対するサイトカインの産生と樹状細胞 (dendritic cells: DC) 分化誘導に対する作用を調べた.
    【方法】株化ヒト骨髄由来単球細胞腫 (THP-1) をlipopolysaccharide (LPS) 存在下で,PPEあるいはヒト胎盤抽出物 (HPE) を作用させ,interferon (IFN)-γ,tumor necrosis factor (TNF)-α及びinterleukin (IL)-6の発現をELISA法とreal-time PCR法で測定した.さらに,PPEをTHP-1に処理することで,細胞膜表面に発現する樹状細胞系のマーカーであるCD11b,CD80 およびHLA-DR及ぼす影響について検討した.さらに,ヒトにおけるPEE投与が末梢血単球細胞 (PBMC) 中のDC発現数に及ぼす影響についてもフローサイトメトリー法により調べた.
    【結果】HPEやPPEは,LPS存在下におけるIFN-γ,TNF-αおよびIL-6の分泌を促進した.また,PPEはIFN-γ処理したTHP-1 細胞 におけるCD11bやCD80 を増加させた.さらに,PPEの投与は閉経婦人のPBMC中のDC数を増加させた.
    【結論】PPEは,単球系細胞の免疫応答と樹上細胞の発現を調節する作用があるこがin vitroおよびPPE投与患者において認められたことから,胎盤抽出物には,単球系の免疫応答の制御を介して種々の疾患に有効性を発揮している可能性が考えられた.
  • 細山田 康恵, 山田 正子
    原稿種別: 原著
    2021 年 18 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2021/07/12
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    目的:α-リノレン酸を多く含有する亜麻仁油(Linseed Oil: LO),エゴマ油(Perilla Oil: PO)をラットに摂取させた際の肝臓脂質濃度や酸化ストレスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
    方法:5週齢Sprague-Dawley系雄ラットに20日間,それぞれ3種類の油脂を普通食に添加し,肝臓脂質濃度,酸化ストレスなどの測定を行った.群分けは,普通食にラードを加えた群(コントロール群:n=6),LO群(n=6)およびPO群(n=6)とした.
    結果:終体重は,Control群よりPO群で低値を示す傾向がみられた(P=0.0509).なお,総飼料摂取量に差は見られなかった.肝臓コレステロール濃度および酸化ストレス度は, Control群よりLO群とPO群で有意に低値を示した(p<0.01, p<0.05).
    結論:亜麻仁油またはエゴマ油を摂取したラットにおいて,肝臓コレステロール濃度および酸化ストレスはそれぞれ低下した.亜麻仁油やエゴマ油摂取は脂質代謝異常の改善やストレス緩和に役立つことが示された.
  • 田中 洋子, 米田 実央, 鳥海 滋, 大坪 雅史, 筆村 千恵子, 大久保 岩男, 西 隆司, 荒川 義人
    原稿種別: 原著
    2021 年 18 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2021/07/12
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    ダッタンソバ茹麺の70%メタノール抽出乾固物(ルチン51.6 mg/g,ケルセチン72.2 ㎎/g含有)にα-グルコシダーゼ阻害活性が確認され,シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画した画分ではケルセチン,ルチンを多く含む画分に顕著なα-グルコシダーゼ阻害活性が認められた.本研究で試料としたダッタンソバ茹麺には,ルチナーゼの作用でルチンから生じたケルセチンが含まれていることから,抽出乾固物のα-グルコシダーゼ阻害活性にはルチン,ケルセチン両成分が関与すると推察される.
    2種のソバ茹麺(ダッタンソバ,普通ソバ)の摂食後の血糖値の変化の比較では,ダッタンソバ茹麺摂食による血糖値上昇抑制作用が認められ,ダッタンソバ茹麺摂食40分経過後の血糖値が有意に低かった(p<0.05).その作用は,合計量935 ㎎(ルチン換算)に相当するルチン(270.0 ㎎),ケルセチン(330.5 ㎎)による消化管内におけるα-グルコシダーゼ阻害作用に起因し,摂食試料の糖質の消化,腸管からの吸収が阻害され,血糖値の上昇が抑制されたと推察される.とくに血糖値上昇抑制作用には,一定量以上のケルセチンの存在が重要であると思われる.
    糖尿病の発症や重篤化の予防には,食後の急激な血糖値の上昇を抑制することが重要とされている.ダッタンソバ茹麺には,その一助となる可能性が示唆された.
  • 茂木 千恵, 福山 貴昭
    原稿種別: 原著
    2021 年 18 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2021/07/12
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    カンナビジオール(CBD)は大麻植物に由来する植物性カンナビノイド化合物であるが,テトラヒドロカンナビノールが有する精神活性作用は有していない.近年,CBDは医療および獣医医療における緩和な抗不安薬,抗てんかん薬,および鎮痛薬として注目されている.一方,CBDの犬および猫における行動学的影響はほとんど調査されていない.本研究では診断症状ごとに8頭の犬と4頭の猫を対象に非盲検試験を実施し,CBD製品の忍容性,安全性,および有効性や有用性について検討した.試験では葛藤関連,恐怖関連,反復的または自傷行為などの問題行動を伴う犬および猫に8週間,CBD成分として1回当たり0.15-0.85 mg/kg を1日2回,空腹時に経口投与した.行動症状は,試験開始前(0日目)および2週後(14日目),4週後(28日目),または8週後(56日目)に評価した.有効性は,獣医師による観察結果および飼育者の満足度により検討した.CBD製品を8週間継続投与した12頭の動物のうち,4例の異常行動の発現量が75%以上減少し,6例が減少した(50%±25%)と評価された.
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