日本補完代替医療学会誌
Online ISSN : 1348-7930
Print ISSN : 1348-7922
12 巻 , 1 号
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総説
  • ジョバンニ アペンディーノ, 川田 晋, 瀬川 潔
    2015 年 12 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    野生の北欧産ビルベリー (Vaccinium myrtillus) は,果実の色の原因となり強力な抗酸化活性を特徴とする分子クラスであるアントシアニンを最も豊富に含む植物の 1 つである.生物学的観点から,アントシアニンには複数の多様な活性があり,慢性静脈不全や糖尿病性網膜症などの病態の治療に高品質ビルベリーエキスを使用する臨床試験が実施されてきた.産業用ビルベリーのサプライチェーンの複雑さおよびそれに伴うアントシアニンを豊富に含むビルベリーエキスの高コストが前提となって,栄養補助食品市場はビルベリーとは無関係の低価格材料に由来するアントシアニンまたは化学染料のいずれかを使用した粗悪エキスの急速な増加に直面している.現在の状況は極めて困難な問題を抱えているが,粗悪品を検出する複数の分析法が利用可能であり,小売店の棚に並ぶ最終製品に至るまでのサプライチェーンに沿って定期的に粗悪品検査を実施する必要がある.本総説では,市場の状況を要約し,これらの偽造品を見分け製品の高品質や一貫性を消費者に保証するために業界が利用可能な最新の分析技術を概説する.
  • 高橋 二郎, 本江 信子, 大木 史郎, 北村 晃利, 塚原 寛樹, 許 鳳浩, 鈴木 信孝
    2015 年 12 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    赤色のカロテノイドであるアスタキサンチンは,優れた抗酸化作用や様々な生理作用を有すことが知られることから,機能性健康食品素材として注目されている.これまで約 10 年の間に,アスタキサンチンに関する臨床試験が数多く実施され,その中で食品としてのアスタキサンチンの安全性が報告されている.本総説では,これら安全性に関する臨床試験の報告と,遺伝毒性及び急性・亜慢性毒性等の毒性試験の報告を,効能研究及び安全性試験の報告が最も多いヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン製品である,富士化学工業のアスタリールを中心にまとめた.更に,最新の研究に基づいて,医薬品との相互作用に関与する薬物代謝酵素へのアスタキサンチンの影響を考察した.ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチンであるアスタリールの安全性は,多岐に渡るエビデンスにより確立されている.
原著
  • 神内 伸也, 西川 祐未, 岡邑 香里, 岩田 直洋, 臼井 達洋, 岡﨑 真理, 松崎 広和, 宮野 義之, 飯塚 博, 浅野 哲, 日比 ...
    2015 年 12 巻 1 号 p. 19-27
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    目的:霊芝菌糸体培養培地抽出物 (WER) の血糖上昇抑制作用を明らかにするために,ラット骨格筋由来培養細胞(L6 細胞)を用いて,糖輸送体 4 (GLUT4) の膜移行と糖取り込み,さらに,このプロセスに関与する細胞内シグナル伝達系を検討した.方法:WER 処理後,細胞内 GLUT4 を蛍光免疫染色法およびウエスタンブロット法により,さらにグルコースの細胞内取り込み量を解析した.また,細胞内シグナル伝達因子の活性化をウエスタンブロット法と種々の阻害剤による糖取り込み量から評価した.結果:WER は L6 細胞内の GLUT4 遺伝子の発現量およびタンパク質量に影響を与えなかったが,処理濃度に依存して細胞膜上の GLUT4 を増加させた.また,GLUT4 量の増加に比例してグルコースの細胞内取り込みが増加した.さらに,GLUT4 の細胞膜への移行に細胞内の PI3K/Akt,PKC,AMPK を介したシグナル伝達系が関与し,WER がインスリン抵抗性を改善することで血糖の上昇抑制に寄与するものと考えられた.
  • 山岸 喬, 髙野 圭司, 近藤 澄夫
    2015 年 12 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    目的:高トリグリセライド血症は,動脈硬化性疾患とくに冠動脈疾患の主要なリスク因子である.ハマナス (Rosa rugosa) 花弁抽出物 (RE) にリスク軽減効果があるか否かを検討した.材料・方法:血清トリグリセライド (TG) が正常高値かまたは軽度上昇 (120~399 mg/dL) を示す男女成人 19 名を対象とするオープンラベル試験を実施した.被験者には,1 日当り RE 200 mg を含有する試験食品を連続 4 週間摂取させ,介入開始前(ベースライン)および介入終了時(4 週後)に血清 TG その他の血清脂質を測定し,各測定値について群内比較を行った.結果:ベースラインと比較した場合,血清 TG,血清総コレステロール,および血清 non HDL-コレステロールはいずれも有意な低下を (P < 0.05),血清 LDL-コレステロールは低下傾向 (P = 0.070) を示した.一方,血清 HDL-コレステロールのレベルはほとんど変化しなかった.介入期間を通して試験食品に関連する有害事象は皆無であった.結論:RE 含有食品は TG 高値その他の脂質異常値の改善を通して,冠動脈疾患の発症リスク軽減に有用性をもつことが示唆される.
  • 清水 和弘, 亀井 雄太, 鈴木 智弓, 枝 伸彦, 花岡 裕吉, 河野 一郎, 赤間 高雄
    2015 年 12 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    目的:還元型コエンザイム Q10 (CoQ10) 摂取が中高齢者の唾液分泌型免疫グロブリン A (SIgA) および健康関連 Quality of Life (QOL) に及ぼす影響を検討すること.方法:健康な中高齢者 60 名を対象とし,CoQ10 摂取群(30 名)およびプラセボ摂取群(30 名)に無作為に分けた.摂取前および摂取 8 週間後において,唾液 SIgA 分泌速度(酵素免疫測定法)および健康関連 QOL(SF-36 による身体的・精神的側面の QOL の評価)を測定した.結果:唾液 SIgA 分泌速度は,プラセボ群では変動しなかったが,CoQ10 群では上昇傾向を示した (p = 0.08).身体的側面の QOL は両群とも有意な変動は認められなかった.精神的側面の QOL は,プラセボ群では変動しなかったが,CoQ10 群において有意に上昇し (p < 0.05),その下位項目の「活力」と「心の健康」のスコアが有意に上昇した (p < 0.05).結論:中高齢者における 8 週間の CoQ10 摂取は,唾液 SIgA による口腔免疫能および精神的側面の QOL の改善に有効である可能性が示された.
短報
  • 濱舘 直史, 松本 祥幸, 四倉 磨美, 水上 知江美, 瀬戸 加代子, 山本 哲郎, 山口 英世, 飯塚 宗秋, 山本 悦司, 近藤 澄夫 ...
    2015 年 12 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    唾液中の分泌型免疫グロブリン A (s-IgA) は,病原体の生体内侵入に対する第一線の防御機構として働き,粘膜免疫に重要な役割を担っている.深海鮫肝油 (SLO) 含有食品の健常男女成人における唾液中 s-IgA 濃度に対する効果を検討することを目的として,42 人の被験者に 1 日当り 2,400 mg(SLO として 1,500 mg)の SLO 含有食品またはプラセボを 6 週間摂取させる無作為化,二重盲検,プラセボ対照,平行群間比較試験によって有効性並びに安全性の評価を行った.介入開始前(ベースライン)と比較して,摂取 6 週目の SLO 群では s-IgA 濃度の有意な上昇 (P = 0.033) が認められたが,プラセボ群では認められなかった.またベースラインからの変化量も SLO 群のほうがプラセボ群よりも有意に高い値を示した (P = 0.030).試験期間を通して介入に関連する有害事象または一般臨床検査値の異常変動はみられなかった.以上の結果から,SLO 含有食品は,唾液中の s-IgA 濃度を上昇させる効果をもつことが示唆された.
  • 塚原 寛樹, 吉川 多鶴, 福山 臣一, 許 鳳浩, 鈴木 信孝
    2015 年 12 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/10
    ジャーナル フリー
    ヒト肝ミクロソームを用いて,CYP の 7 分子種(CYP1A2,CYP2B6,CYP2C8,CYP2C9,CYP2C19,CYP2D6 及び CYP3A4)に対するアスタキサンチンの阻害作用を検討したところ,通常の摂取量ではアスタキサンチンは CYP を阻害しなかった.また,ヒト凍結肝細胞を用いて,CYP の 3 分子種(CYP1A2,CYP2B6 及び CYP3A4)に対するアスタキサンチンの誘導作用を検討した結果,通常の摂取量ではアスタキサンチンは CYP を誘導しなかった.
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