大学図書館研究
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109 巻
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
小特集:オープンアクセスへの道のり
  • 尾城 孝一, 市古 みどり
    2018 年 109 巻 論文ID: 2014
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2018/09/13
    ジャーナル オープンアクセス
    オープンアクセスとは査読済みの学術論文に対する障壁なきアクセスを意味する。1990年代初頭から始まった多くの運動の結果,OAは着実に進展してきた。本稿では,はじめにOAの定義,背景,小史を振り返り,次いで,近年の大規模なデータを使った調査に基づき,OAの進捗度と影響度を概観する。さらに,OAに関する最近の特筆すべき動向を踏まえつつ,今後の更なるOA推進のために,大学図書館が取り組むべきことを指摘し,最後に「OAの先にある」大学図書館の新たな使命について論じる。
  • 欧米の大学および大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)における取り組み
    小陳 左和子, 矢野 恵子
    2018 年 109 巻 論文ID: 2015
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2018/09/15
    ジャーナル オープンアクセス
    著者が出版料を支払うことによって学術論文を出版と同時にオープンアクセスにする方式は,今やジャーナル出版社のビジネスモデルの一つとして拡大している。本稿ではまず,著者支払型のゴールド・オープンアクセスを巡る状況を概観した上で,現在欧米の大学が,従来型の電子ジャーナル購読と著者支払型のオープンアクセスについてどのように整理し対応しているのかを解説する。次に,日本の大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)における,国内研究者の論文公表実態調査を中心とした取り組みについて報告し,最後に今後の展望に関しても言及する。
  • JPCOARの国際連携活動を中心に
    岡部 幸祐, 高橋 菜奈子, 山本 和雄
    2018 年 109 巻 論文ID: 2013
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2018/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    創設から2年を経過し,2017年度末には543機関が参加する機関リポジトリコミュニティとなったJPCOARの様々な活動から,オープンアクセスの先端的機能の開発を担うタスクフォースにおける活動と国際会議での発表等,国際的な連携の活動を中心に報告する。このことにより,学術コミュニケーションをめぐる国際的な研究環境の変化の中で,機関リポジトリを核として,大学図書館が果たすべき役割を考察する。
  • 国立大学図書館協会ビジョン推進事業調査報告
    西岡 千文, 杉田 茂樹, 山中 節子
    2018 年 109 巻 論文ID: 2007
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2018/09/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では2018年2月にカリフォルニア大学サンディエゴ校,同ロサンゼルス校,カリフォルニア工科大学,南カリフォルニア大学の大学図書館で実施したインタビュー調査に基づき,米国の大学図書館でのオープンアクセスならびに研究データ管理の支援について報告する。
  • マックスプランクデジタルライブラリ オープンアクセス白書
    SCHIMMER, Ralf, GESCHUHN, Kai Karin, VOGLER, Andreas, 田村 香代子
    2018 年 109 巻 論文ID: 2012
    発行日: 2018/08/31
    公開日: 2018/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    この白書では,現在の購読型科学雑誌の集合体をオープンアクセスのビジネスモデルへ大規模に転換することについて,事実に基づいて強力に論証する。現存する雑誌は十分にテストされた機能をもっているので,維持され,かつ21世紀の研究のための需要に応えなければならないが,同時にその裏にある支出の流れは大幅に再構築される。オープンアクセスへ向けたこの決定的な前進は,十分な勢いをもっている。今ある多様なイニシアティブは,この明確な目標にまとまってゆくために協調するものでなくてはならない。研究の国際的な性質は,世界の一流の研究機関のコンセンサスを通じたものでなくては,この転換が真に世界的な規模で達成されることはないだろうということを暗示している。全ての状況を勘案すれば,すでに学術出版システムに投下されている資金は,未来へ向けて持続可能な転換を可能とするために十分なものである。現在雑誌購読システムの中に封じ込められている資金は回収されオープンアクセス出版サービスに再投資されるべきであるという理解が共有されなければならない。現在の図書館資料購入予算は,財政面やそれ以外のリスク無しでの転換を可能とするための究極の宝物庫である。目標は,今もなお研究者から要求されている,出版社が提供する確立したサービス水準を維持する一方で,必要な支払の流れを再定義し再編成することである。根本的なビジネスモデルを破壊することによって,雑誌出版が生き延びていくための力は維持され,未来の学術界の発展へ確かな足跡を残すことができる。
論文
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編集後記
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