2007年度より改組され新たなスタートを切った筑波大学情報学群知識情報・図書館学類について記した。知識科学,情報経営・図書館,知識情報システムの三主専攻からなる学類の使命,教育理念,輩出すべき人材,そして1年次からのカリキュラム構成とその特色,就職先/進路について述べた。また学類と附属図書館とが協同で設置したラーニングコモンズとそこから派生した「図書館情報学若手の会(ALIS:Around Library and Information Science)」の活動について記述した。学類は発足して4年目であり,今後,評価活動を通じてカリキュラムの見直し,改定すべき所を検証していくところである。
私立大学協会(Council of Independent Colleges)は,情報リテラシーのカリキュラムへの統合の重要性を認識し,会員大学におけるその実現を目指して,2002-2008年までは「図書館変革」,2010年以降は「情報フルエンシー」の名称で情報リテラシー・ワークショップを開催している。学長,図書館長,リーダーシップ能力を備えた教員(またはIT職員)の3者から成るチームをワークショップ参加への基本とし,ワークショップでの講演者も図書館界だけでなく,学長,副学長,教授,建築設計士等を含め,大学あげての情報リテラシー教育への取り組みを推進しようとしている。また,ラーニングコモンズの設置を情報リテラシー育成の一環に位置付けようとしている。