日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
Print ISSN : 0916-8753
97 巻 , 6 号
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目次
論文
  • 柳 小正
    2018 年 97 巻 6 号 p. 124-134
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    科学技術の進歩につれ,世界的な非在来型石油・天然ガス資源の研究・開発が急速に発展してきている。特に米国のシェールガスおよびタイトオイル資源開発の成功は,世界に大きな影響を与えている。中国では,米国の在来型石油・天然ガス資源の成功を受け,シェールガスに続いてタイトオイルの研究・開発も活発化している。しかし,タイトオイルの賦存特性が特別であるため,その開発方式や貯留層評価などの面では在来型石油と異なり,開発の困難さは増加している。経済的に開発するためには,タイトオイル貯留層の濃集帯の評価が重要視されている。本稿では,タイトオイル貯留層に関する先行研究および濃集帯の実データの範囲から乱数により生成した仮想的なデータを踏まえ,判別分析を用いて中国のタイトオイル貯留層の濃集帯評価を行った。評価方法は合理的であり,仮想データに基づく結果は実データの傾向に合致した。実データが蓄積され利用可能になれば,本法は重要な役割を果たすと期待される。

  • 魏 啓為, 佐野 史典, 本間 隆嗣, 小田 潤一郎, 林 礼美, 秋元 圭吾
    2018 年 97 巻 6 号 p. 135-146
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    本研究は,世界エネルギー・温暖化対策評価モデルDNE21+を用い,主要国の気候・エネルギー政策を踏まえて,現行政策と国別貢献が世界全体のエネルギー起源CO2排出削減とエネルギーシステムに与える影響を評価した。現行政策は, 2011年から2030年の世界全体の累積エネルギー起源CO2に対してベースライン比41 Gt-CO2の排出削減に貢献し,国別貢献の半分程度を達成できる。現行政策を加味した国別貢献では,主に発電部門と運輸部門において再エネの拡大と省エネが推進される。コスト効率的な排出削減の達成を狙った場合と比べると,特に発電部門の再エネ拡大対策と運輸部門のバイオ燃料導入・省エネ対策は過剰であり,気候変動緩和策の対策コストを増加させる。発電部門での二酸化炭素回収・貯留付きを含めたガス火力および原子力の拡大と,産業部門における省エネ,そして民生部門でのガス利用の拡大と電化を包括的に進める方がコスト効率的となる。エネルギー政策は必ずしも気候変動緩和を主目的とするわけではないが,持続可能な発展に向けて,国別の政策目標と世界全体の気候変動対策が整合および両立しうるようなコスト効率的な政策パッケージの立案が極めて重要となる。

  • 清水 恭亮, 本藤 祐樹, 森泉 由恵
    2018 年 97 巻 6 号 p. 147-159
    発行日: 2018/06/20
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    本研究では,国内の地域の自然・社会条件を考慮して,戸建住宅における太陽熱給湯システム(自然循環型)のCO2削減ポテンシャルを評価した。現在利用されている灯油,LPG,都市ガス,電気を燃料とした従来型給湯器を太陽熱温水器で代替した時のライフサイクルCO2削減量を基礎自治体別に推計した。CO2削減ポテンシャルの推計結果は,156~589[kg-CO2/世帯/年]と地域によって大きく異なった。CO2削減率も同様に11.1%~28.7%と大きな幅があった。また,日本におけるCO2削減の総量は673[万t -CO2/年]と推計された。各地域のCO2削減ポテンシャルは,主に従来型給湯器の燃料種,給水温度,気温の3つの要因から影響を受けていた。中国地方のような電気温水器所有率が高い地域はCO2削減ポテンシャルが大きい。同様に,北陸地方のように給水温度が低い地域もCO2削減ポテンシャルが大きい。ただし,北海道のように気温が極端に低い場合は,凍結によって太陽熱温水器が使用できなくなるため,CO2削減ポテンシャルは小さくなる。

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