有病者歯科医療
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10 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 伊介 昭弘
    2001 年 10 巻 2 号 p. 85-90
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 増井 康典, 山田 容三, 井上 雄, 松川 聡, 千葉 博茂, 草間 博
    2001 年 10 巻 2 号 p. 91-95
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    われわれは左側下顎骨と肺および大腿骨への転移を認めた甲状腺癌の1例を経験したので報告した.
    患者は63歳の女性で, 体格中等度であった. 左側下顎骨に弾性硬の膨隆を認めた. パノラマX線写真では左側下顎骨体部に40×20mm大の類円形の透過像が認められた.
    臨床診断は甲状腺癌の顎骨への転移であった.
    生検の結果, 腫瘍組織はサイログロブリン抗体を用いた免疫組織染色で陽性を示した. その結果, 甲状腺癌の転移と診断した. その後他院に転院後, 放射線治療が施行されたが, 初診より13か月後, 呼吸不全のため死亡した.
  • 川瀬 ゆか, 高井 経之, 小島 広臣, 大槻 征久, 大槻 真理子, 穂坂 一夫, 小笠原 正, 笠原 浩
    2001 年 10 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    抗血栓薬服用者45例について抜歯時の対応と術後出血の有無について検討し, 以下の結果を得た.
    抗凝固薬服用者24例にいて, 維持量投与で抜歯した者は19例, 減量または中止した者は5例であったが, いずれも止血困難は認められなかった. 抗血小板薬服用者24例の出血時間では, 1例のみに11分30秒と出血時間の延長が認められが, 維持量投与で抜歯を行った者20例と減量または中止した4例のいずれも止血困難は認められなかった.
    抗血栓薬服用者では, 維持量投与で抜歯を行っても局所止血処置のみで通常の止血状態を得ることができた.
    以上のことから, 抗血栓薬服用者の抜歯において, 適切な局所的物理的止血法を行えば止血可能であり, 休薬や減薬のリスクを考慮すると, 維持量投与での抜歯が望ましいと考えられた.
  • 藤川 考, 豊田 潤, 時崎 洋, 鈴木 巌, 千葉 博茂
    2001 年 10 巻 2 号 p. 103-106
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    才の女性に下顎枝矢状分割術を予定し, 術前検査を施行したところ, 血算および生化学検査に異常所見はなかったが, 血液凝固系検査でPTは正常で, APTTのみ43.2秒と延長していた. 手術を延期し精査したところ, 第XII因子が30%と低下しており, ヘテロ接合体の第XII因子欠乏症と診断した. 臨床的に出血傾向を示す可能性は低いと考え, 凝固因子補充療法は行わずに施術した. 術中の出血量は150ml, 術後創部に留置したドレーンからの廃液も2日間で65mlと特に出血傾向は認められなかった. ただし, 過凝固状態を惹起する可能性があり, 慎重な経過観察が必要と考えられた.
  • 高木 純一郎, 宮田 勝, 岡部 孝一, 鈴木 円, 坂下 英明, 田中 眞也
    2001 年 10 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    今回, われわれは重症循環器系疾患を有する患者の歯性感染症の1例を経験した. 患者は76歳, 男性. 2000年1月12日頃より右側下顎から頬部にかけて腫脹が発現したが軽度なため放置していた. しかし, 腫脹が増大し, 1月19日より口腔内に排膿を認めたため当科を紹介され受診した. 既往歴として, 30歳台より高血圧症のため治療を受けて以来, 主に循環器系疾患にて入退院を繰り返している. 6〓部歯根嚢胞原因頬部膿瘍の臨床診断の下, 入院の上, 消炎を目的に抗生剤の点滴を開始した. 4病日目に口腔外より切開排膿術, 7病日目に6〓抜歯術をおこなった. 頬部膿瘍はほぼ消失し, 抜歯窩も治癒良好にて48病日目に当科退院し循環器内科転科となった. 元々, 慢性心不全状態にあり全身管理に難渋したものの, 敗血症にまで至らず, 不整脈をコントロールできたため救命できた.
  • 今村 知代, 古田 勲
    2001 年 10 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 2001/12/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    褐色細胞腫患者の院内死亡の25~50%は, 麻酔導入中または, 他の疾患における手術中に発生するとされている. 外科的治療は可能な疾患であるが, 死亡率が高いことや麻酔管理上危険を伴う手術であるため, 術前の診断には重要な意義を有する. Mayo Clinic 50年間の剖検例で生前に診断されていたのは24%と報告されている. 今回, 褐色細胞腫を指摘されるも確定診断にいたらず通院にて経過観察されていた症例に対し, 2回の外科的処置を含め, 計17回の歯科治療を行った. 2回の外科処置においては退院後, 自宅にて急性発作を起こし応急処置をうけている. 患者が当科を受診する前1年間に発作は認めていないことから, 口腔外科処置後の患者の精神的不安が内因性カテコラミンの増加を惹起し基礎疾患の発作誘発に至ったのではないかと思われた.
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