近年, 歯科診療所における有病者は増加傾向にあり有病者歯科治療の機会も増加している。有病者に歯科治療を行う場合は歯科治療がおよぼす全身状態への影響を考慮しながら行う必要がある。本検討では5施設の一般開業歯科医院での2年間における有病者への対応について検討した。4,884名の初診患者のうち733名が有病者であり全身疾患, 歯科治療について対診を中心に調査した。結果を以下に示す。
1) 全初診患者中の有病者率は15.0%であった。
2) 循環器疾患がもっとも多く356名, 糖尿病77名, 肝疾患48名, 脳血管疾患33名, 血液・造血器疾患8名, その他であった。
3) 歯科治療別ではスケーリング369名, 歯冠補綴208名, 歯冠修復193名, 抜髄180名, 義歯173名, 抜歯148名, 歯周外科46名, その他であった。
4) 対診は173名で対診率は23.6%であった。
以上のように一般開業医において有病者に対しさまざまな歯科治療が行われていたことが判明した。これまで有病者歯科治療での深刻な合併症は生じていないが, しかし有病者の全身状態には注意すべきであり開業医においても有病者に対する対応について知識と経験を積まなければならない。よって開業医の有病者歯科研修は歯科医療の重要な課題となると思われる。そのためには歯科口腔外科が積極的に協力すべきであると思われる。
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