有病者歯科医療
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8 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 栗田 浩, 馬場 浩雄, 今井 恭一郎, 茅野 めぐみ, 田中 廣一, 倉科 憲治
    2000 年8 巻2 号 p. 37-45
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本報告の目的は, 各種疾患を有する患者の歯科治療上の諸問題について, 医師の意見を把握することである。長野県中信地区24医療施設に勤務する医師186名を対象に, 有病者の歯科治療における諸問題に関して, 封書によるアンケート調査を行った。アンケート回収率は47% (87名) であった。アンケートの結果, 対象者の30%が歯科治療後に体調不良, 持病の悪化などをきたした患者の診療経験があることが明らかとなった。また, 各種設問に対し心筋梗塞後の抜歯可能な時期, 抜歯可能な血糖値の項目を除き, 60~80%の医師から当科の判断基準に沿った解答が得られた。
  • 澤 裕一郎, 溝越 俊二, 原 禎幸, 山本 竜, 鈴木 喜一郎, 丸山 誠二, 宮城島 俊雄
    2000 年8 巻2 号 p. 47-51
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    近年, 歯科診療所における有病者は増加傾向にあり有病者歯科治療の機会も増加している。有病者に歯科治療を行う場合は歯科治療がおよぼす全身状態への影響を考慮しながら行う必要がある。本検討では5施設の一般開業歯科医院での2年間における有病者への対応について検討した。4,884名の初診患者のうち733名が有病者であり全身疾患, 歯科治療について対診を中心に調査した。結果を以下に示す。
    1) 全初診患者中の有病者率は15.0%であった。
    2) 循環器疾患がもっとも多く356名, 糖尿病77名, 肝疾患48名, 脳血管疾患33名, 血液・造血器疾患8名, その他であった。
    3) 歯科治療別ではスケーリング369名, 歯冠補綴208名, 歯冠修復193名, 抜髄180名, 義歯173名, 抜歯148名, 歯周外科46名, その他であった。
    4) 対診は173名で対診率は23.6%であった。
    以上のように一般開業医において有病者に対しさまざまな歯科治療が行われていたことが判明した。これまで有病者歯科治療での深刻な合併症は生じていないが, しかし有病者の全身状態には注意すべきであり開業医においても有病者に対する対応について知識と経験を積まなければならない。よって開業医の有病者歯科研修は歯科医療の重要な課題となると思われる。そのためには歯科口腔外科が積極的に協力すべきであると思われる。
  • 中村 広一
    2000 年8 巻2 号 p. 53-58
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    てんかん治療中の3症例にみられた関節突起骨折を報告する。全例がてんかん発作の際の転倒による受傷であり, 咀嚼困難を主訴として当科を受診した。全例に対して保存的療法を行い良好な治療結果を得た。
    症例1は33歳男性で, X線CT検査によって左側下顎頭に矢状方向の縦骨折を認めた (図1)。小骨片の内側極は左側外側翼突筋の収縮によって前方へ偏位しており, 関節頭の縦骨折の原因の一つとしててんかん発作時の痙攣性の筋収縮が考えられた。本患者には精神発達遅滞があり, 金属線による強固な顎間固定に1日も耐えられず装置を破損, 除去してしまった。そこでゴム牽引による顎間固定を約2週間行い, あわせて咬合の頻回の監視下に早期の開口訓練を行うことで良好な治療結果が得られた。
    症例2は32歳の患者で, 右側顎角と左側関節突起の骨折を受傷した (図2)。関節突起骨折は骨片の偏位のない亀裂骨折であり初診時には発見が困難であった。約4週間の顎間固定後に結紮を除去した。咬合および顎関節の機能は正常に復したが, 顎間固定中の口腔清掃が不十分なために歯肉の炎症と増殖が生じた。これらは固定装置除去後の十分な刷掃により消退した。その後患者はてんかん発作のために左側顎関節部に再受傷したが, 咬合と咀嚼機能に異常はなかった。
    症例3は54歳男性患者で (図3) 右側関節突起の偏位骨折を受傷した。本症例では顎間固定による治療を行った。その経過中に発作のために顔面を打撲するトラブルがあったが臨床結果は良好であった。
    これら3症例の治療を通して, てんかん治療中の患者における関節突起骨折の保存的療法のいくつかの利点が示唆された。最大の利点として, 骨折治療中にてんかん発作による咬合の偏位が生じても, その修正が容易なことがあげられる。
  • 吉川 和宏, 桑澤 隆補, 山村 崇之, 扇内 秀樹
    2000 年8 巻2 号 p. 59-64
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    今回1994年から1998年までの4年間に東京女子医科大学医学部歯科口腔外科を受診した小児有病者について検討を行った。小児患者は1670名で, そのうち有病者は566名であり有病率33.9%であった。
    小児有病者1人あたりの平均疾患数は1.21であった。他科疾患では循環器疾患が最も多く30.8%, 以下, 泌尿器疾患, 呼吸器疾患, 神経疾患の順であった。
    当科での疾患は歯科疾患が60.1%と過半数を占め, 次いで外傷, 炎症の順であった。
    処置内容は保存・補綴処置, 抜歯, 刷掃指導・歯石除去の順であった。
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