2004年7月13日に新潟県中越地域では強い前線の活動による集中豪雨が発生した。その雨量は24時間で400mmに達し, 堤防の破堤による河川氾濫をもたらし, アジア航測による空中写真判読では3, 359箇所以上の崩壊も発生させた。写真判読と現地調査により二つのタイプの崩壊が確認された。つまり, ひとつは表層崩壊であり, 2つは深層崩壊で, 後者は特に泥流をともなうものであった。本研究ノートでは, 出雲崎地域に焦点をあてて議論する。なぜなら, この地域は2004年7月豪雨による代表的な崩壊発生地域のひとつであることと, 1961年8月と1976年, 1978年にも豪雨崩壊が発生したためである。そこで, 筆者らは, 出雲崎地域の空中写真の1962年撮影 (1961年豪雨の1年後) , 1982年撮影 (1976-1978年豪雨崩壊を含む) , および2004年撮影 (7月豪雨直後) のそれぞれを判読し, GISを使用して, それぞれの年代の崩壊の分布を比較し, その分布と地形や地質との関連を検討した。
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