日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
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50 巻, 1 号
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論説
総説
研究ノート
  • 佐藤 浩, 岡谷 隆基, 中埜 貴元, 小荒井 衛, 岩橋 純子, 宇根 寛
    2013 年 50 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/28
    ジャーナル フリー
      合成開口レーダー干渉画像により,平成19年(2007年)能登半島地震(M6.9)の際に東向きにわずかに移動した広域の地すべり性変動が明らかにされている。この地すべりは,受け盤の緩傾斜の丘陵性斜面に1.5km×0.7kmの広さを持ち,縁辺とその内部に亀裂と小規模な斜面崩壊が見られた。今回,その地すべり域でボーリング調査を行うと共に,露頭観察,電気探査,湧水・渓流のpH,電気伝導度の計測を実施した。ボーリング調査と電気探査の計測結果は明瞭なすべり面の存在を示さなかったが,pHの計測結果は,約76%の正解判別率で地すべり性変動域の内部・外部の場所の違い,すなわち地すべり域の末端部の存在を示唆した。これらの結果は,明瞭なすべり面を伴わない地すべり土塊群がわずかに変形して東向きに移動したことを示唆している。そして本研究の結果は,研究対象地区で地震によって生じた地すべりの特徴を示唆したものとなった。
  • 大丸 裕武, 黒川 潮, 村上 亘, 松浦 純生
    2013 年 50 巻 1 号 p. 24-33
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/28
    ジャーナル フリー
      大井川中流域の深層崩壊発生斜面の変化過程について,過去60年間の空中写真と衛星画像を用いて解析した。5箇所の崩壊発生斜面を解析したところ,いずれの斜面でも先行崩壊が認められ,崩壊発生前に膨らみだし斜面の脚部で小規模な先行崩壊が発生するタイプ(押し出し型)と,先行崩壊の斜面上側に向かって崩壊地が急速に拡大していくタイプ(拡大型)が認められた。過去100年間に著しい拡大が見られた崩壊地の背後では年10cm程度の速度で開口するクラックが見られるなど顕著な地盤変動が確認された。これらのことから,崩壊地の斜面上方で顕著な地盤変動が認められる場合は,これらの先行崩壊を深層崩壊の前兆現象として利用可能と考えられる。
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