粒子径2.5μmの非多孔性カチオン交換体を充愼した糖結合ヘモグロビン (GHb) 分析用カラム (TSKgel Glyco-HSi) を用いて高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法による安定型ブドウ糖結合ヘモグロビン (S-A
1c) の高速分析の検討を行った。汎用HPLCを用いたGHbの精密分析での本カラムと従来のカラム (TSKgel Glyco-HS) の分離を比較したところ, 従来のカラムでHbA
1cとされてきた画分が本カラムでは少なくとも4つの画分に分離され, その主たる画分はS-A
1cであった。また, 精密分析での溶出挙動が全自動グリコヘモグロビン分析計HLC-723GHb III改良機 (東ソー) で再現でき, 約2分でのS-A
1cの高速分析が可能であった。さらに, 測定値の同時再現性も変動係数 (C. V.) が1%以下の良好な結果が得られた。100g経口ブドウ糖負荷試験 (OGTT) 時の0~180分に得られた全血液のS-A
1c値は不変で上定値を示したが, L-A1。値はブドウ糖濃度が高い試料で高値を与えた。S-A
1cおよびL-A
1cの参考基準値の範囲はそれぞれ生0~4.6%, 1.5~2.4%であった。
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