LpA-1値と2型糖尿病患者との関連性および治療による変化について調べた。LpA-lの測定方法は抗アポA-II抗体で試料を前処理し, その上清中のアポA-lを測定しLpA-l濃度とした。治療方法は食事療法が18例, 経口剤が38例, インスリン注射が6例であった。治療の効果については多型性LDLの症例を選別して調べた。2型糖尿病患者のLpA-l濃度は健常者より有意に低値を示した(p<0.001)。治療後には血糖およびグリコヘモグロビンなどの糖尿病関連マーカーや脂質およびアポリポ蛋白レベルの有意な変化はなかった。一方, LpA-l値は治療後は有意に高値(p<0.05)を示した。したがって, LpA-l値の測定は高脂血症を合併する2型糖尿病患者の診断や治療の指標として有用と考えられた。
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