臨床化学
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29 巻, 2 号
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  • 宍野 宏治, 村瀬 光春, 大沼 裕, 櫃本 泰雄, 大澤 春彦, 牧野 英一, 佐伯 修一
    2000 年29 巻2 号 p. 61-68
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者における高比重リポ蛋白 (HDL) の質的変化について, 8.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて検討した。健常人のHDLは大型のHDLサブクラスHDL2b (41.4±0.8%, Mean±SEM) と小型のHDL3a (21.3±0.5%) が主成分で以下HDL2b, HDL3b, HDL3cの順に減少し, 性差および加齢の影響はなかった。2型糖尿病患者のHDLは健常人に比べて有意にHDL2b, HDL2a (34.9±1.2%, p<0.001) が減少しHDL3a (24.2±0.6%, p<0.001), HDL3b, HDL3cが増加してHDLは小型化していた。この2型糖尿病患者に見られたHDLの小型化は糖尿病の血糖コントロール指標とは関連性がなく, 多型性低比重リポ蛋白 (多型性LDL) 血症, 低HDL血症, 高トリグリセライド血症あるいは高動脈硬化指数などと相関が見られた。したがって, HDLサブクラスの測定は2型糖尿病患者の動脈硬化の発症の予防の観点から有用と考えられた。
  • 榊原 香奈子, 馬渕 浩二, 岡島 嘉信, 仁科 甫啓
    2000 年29 巻2 号 p. 69-73
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    血中乳酸を乳酸オキシダーゼ (LOX) および乳酸デヒドロゲナーゼ (LD) を用いた酵素サイクリングによってNADHの減少を測定し, 乳酸とピルビン酸の総量和を求める高感度測定方法を設定した。この方法によって, 1テスト当たりの必要血清量は0.16μlに相当する。これは基準範囲付近 (1mmol/l) の検体では, 1測定セル中には0.16nmolの濃度となり, そのときの感度である吸光度の変化は0.0045/minであった。検量線は20mmol/lまで直線性を示した。同時再現性および, 日差再現性はそれぞれ, CV1.6~2.3%, 3.0~5.9%であった。LOX-POD-TOOS比色法との相関では相関係数は0-987と高いものが得られた。なお, 従来のLOX-POD-TOOS比色法では乳酸の単独測定に対して, 本法では乳酸とピルビン酸の総量和であるので, 回帰係数は1.06となった。また, 自転車エルゴメーターによる定量的な負荷量運動をかけた実験では本法で測定したところ, 運動負荷1時間後の乳酸値は負荷量が多いほど高いことを認めた。
  • 太田 裕子, 草柳 亜希子, 岡村 啓史, 松岡 信男
    2000 年29 巻2 号 p. 74-76
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    一晩絶食させたラットおよび飽食させたラットから採取した血漿を, 室温あるいは4°で保存し, 遊離脂肪酸 (FFA) およびトリグリセリド (TG) 濃度に及ぼす保存時間ならびに保存温度の影響を検索した。室温保存では1時間後から顕著なFFAの上昇が認められ, その後時間の経過とともに上昇した。TGに関しては逆に経時的に低下したが, FFAと比較するとその変動幅は軽度であった。これらFFAおよびTGの変動幅は4°保存することで軽減した。また, FFAの変化はTG濃度が高い試料ほど大きかった。
  • 2000 年29 巻2 号 p. 77-92
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
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