テトラヒドロビオプテリン (BH
4) は非常に不安定であるため, 血漿中の真のBH4値を定量することは, かなり困難である。我々は, 血漿中の総ビオプテリン (T. BP) に対するBH
4の割合 (BH
4%) が採血後, 経時的に, 分解により減少することを確認した。さらに, この急速な減少を阻止して安定にBH
4を定量するために, 採血時に採血管にあらかじめ還元剤を添加する方法を考案した。何種類かの還元剤について検討し, 最も有効である還元剤を用いた方法により, C型肝炎患者35人と健常者65人の血漿中のT. BP量, ネオプテリン (NP) 量とBH
4%を測定して, 比較した。その結果, 患者のNP量は健常者のそれよりも有意に高く, BH4%は有意に減少していた。このことは, C型肝炎ウィルスの感染は, 血漿中のNP量を上昇させるだけではな,
4%を減少させる影響をもたらすことがわかった。
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