コンピュータ&エデュケーション
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INTERVIEW 「初めての大学入学共通テスト『情報Ⅰ』を終えて ―予備校の立場からの評価―」
  • 寺尾 敦, 加賀 健司
    2025 年58 巻 p. 3-7
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

    2025年1月の大学入学共通テストで「情報Ⅰ」の試験が初めて実施されました。「試作問題」と「サンプル問題」が前もって公開されてはいましたが,実際にどのような出題がされるのか,関心を持っておられた本学会の会員は多いと思います。本誌Vol.58では,はじめての共通テスト「情報Ⅰ」を終えて,高校での教科情報のあり方を考える特集を組んでいます。この特集とあわせて,大学受験予備校の立場から共通テスト「情報Ⅰ」についてお話をうかがいたいと考えていたところ,河合塾にご協力いただくことができました。情報Ⅰの講座をご担当されている加賀健司先生へのインタビューをここにお届けします。加賀先生は,情報のほか,生物,小論文の講座も担当されています。

特集「『情報Ⅰ』共通テスト元年 ―教育現場の実践と挑戦の記録―」
  • 鹿野 利春
    2025 年58 巻 p. 10-16
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     高校に情報科が導入された経緯と情報科の変遷,現行学習指導要領の作成について,文部科学省で実際に携わった教科調査官の視点で解説し,情報科が大学入学共通テストに入った経緯も時系列で解説し,最後にまとめとして,情報Ⅱの実施と,課外活動に関する課題を挙げた。情報科のこれまでとこれからについて考えるきっかけになると考える。

  • 小原 格
    2025 年58 巻 p. 17-23
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     2025年1月に新教育課程に基づく大学入学共通テスト「情報I」が初めて実施された。ここでは,筆者の情報科授業実践と共通テストの関連を論じる。情報Ⅰの目標は,情報技術を活用して問題発見・解決能力を育成することとあり,授業ではフレームワークやブレーンストーミングなどの技法を使い,問題解決型実習が中心となって行われている。今回の共通テストは,その作成方針に十分基づいた問題が出題され,普段の授業を適切に行うことで対応可能であることが確認できた。

  • ─情報科の不易流行を考える─
    柴田 功
    2025 年58 巻 p. 24-27
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     情報化社会の急速な進展に対応するため,令和7年1月に実施された大学入学共通テストの科目に情報科の必履修科目「情報Ⅰ」が加わった。また,令和になってからは,コロナ禍によるオンライン授業の実施や,GIGAスクール構想による「一人一台端末」の導入,生成AIの普及など,情報科を取り巻く環境は大きく変わった。本稿では,時代が変わっても変化しない情報科の本質である「体験的な学習活動」を通して学ぶといった「不易」と,生成AIや一人一台端末の活用など,時代の変化に対応し,新たに取り入れるべき「流行」について考え,学校現場の立場から,これからの情報科のあるべき姿を具体的に提案する。

  • 三木 康史
    2025 年58 巻 p. 28-34
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     大学入学共通テスト導入により,本校では1年次に開講している「情報Ⅰ」に加え,3年次で学校設定科目「情報探究」を開講することになった。令和6年度の3年次生から「情報探究」の授業が開始された。3年次生で共通テストに向けた情報の授業を設置することが難しい高校もある中,本論文は本校での「情報探究」の在り方を評価することを目的としている。研究対象は,単位制普通科の高等学校である本校における1年次生の「情報Ⅰ」と3年次生の「情報探究」の授業である。アンケート調査を通じて,生徒の理解度,授業の進行速度,教材の有用性,教師のサポートなどを評価した。本校での共通テストの結果は全国平均69.3に対し82.9と10点以上高かったことも含め,生徒たちは「情報探究」の授業を高く評価しており,共通テストの準備に役立ったと感じている。授業の進行速度や教材の提供方法についての改善点を考慮することで,さらに効果的な授業が実現できるのではないかと考える。

  • 小松 一智, 冨髙 辰海, 吉田 賢史
    2025 年58 巻 p. 35-39
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     共通テスト「情報Ⅰ」にそなえた演習に用いるAI作問システムを開発した。この作問システムは,ハルシネーションのリスクを低減しながら,大量の問題を作成することができる。現時点で3,000以上の問題が作成され,問題バンクに登録されている。この問題バンクを利用できるWEBサービスを活用することで,教員は演習課題を作成する負担が大きく軽減される。また,本WEBサービスでは問題バンクの問題を生徒へ配信する機能や,生徒の回答を自動で採点する機能を有しており,生徒は即時のフィードバックを受けることができる。本WEBサービスを利用した3年生8名はその有効性を高く評価した。問題に正答できなかった生徒へのフィードバックに改良の余地があり,今後対応する。

研究論文
  • ―連動課題配信を中心に―
    樊 帆, 秋山 愛華
    2025 年58 巻 p. 40-45
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     近年,人工知能(AI)技術の教育分野への応用は,教育の質向上に貢献する一方で,自己思考能力の低下や不信感の増大といった懸念も挙げられている。本研究では,愛媛大学附属高校の学生を対象に,AI技術を活用した教育システム,スタディサプリの「連動課題配信」の利用意識を探るため,アンケート調査を実施し,技術受容モデルに基づいてその要因を分析した。本研究では仮説的な因果モデルを構築し,共分散構造分析を用いてその適合度を検証した。その結果,知覚された「有用性」と「使いやすさ」が「利用態度」との正相関が確認され,その「利用態度」が「利用意識」との正相関が示された。また,「使いやすさ」は「有用性」より強い相関を示すことが確認され,AI技術の効果的な導入には特に「使いやすさ」の設計が重要であることが示唆された。

  • 小林 渓太
    2025 年58 巻 p. 46-51
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究ではコンピュータの概念的理解の状況について,義務教育段階でのプログラミング教育やタブレット端末の活用が概ね修了した中学校3年生の3月に調査を行った。コンセプトマップを用いることで,コンピュータの概念的理解についてどのような分析結果が得られるのかを考察し,コンピュータ教育における評価手法の一助とすることを目的とする。コンセプトマップをTwo-Stepクラスター分析によって量的に分析した結果,3つのクラスターに分類され,調査対象の69.0%の生徒が連想数,分岐数,クロスリンク数全てが少ないクラスター1に分類された。コンピュータという単語から連想できない生徒が多く存在し,コンピュータの概念的理解に課題がある一方で,クラスターごとに特徴的な語句をテキストマイニングにより分析したところ,プログラミングとコンピュータとの関わりに気付いた生徒は連想数が増加していたことが明らかとなった。

  • 下﨑 高, 新村 正明, 谷塚 光典, 森下 孟
    2025 年58 巻 p. 52-57
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     動画教材の活用には学習者の興味・関心を引き出すことが重要だが,感想が書きにくいといった課題も指摘されている。本研究では,動画教材の活用が教員養成学部生のレポート課題に与えた影響を分析した。約1年間,読書課題に関連する解説動画を提示し,最終回にアンケートを実施したところ,68.8%の学生が書籍と動画を併用していた。提出されたレポートについて計量テキスト分析を行ったところ,併用学習者は動画教材内の内容をレポートに反映する傾向があり,特定の内容を印象づける効果が示唆された。また,本のみの学習者のレポートでは併用学習者のレポートでは見受けられなかった共起関係があった。このことから,動画教材を活用することにより学習者の認識が焦点化する可能性や,動画教材の内容以外の部分については学習方法によって印象に残りやすい部分が異なる可能性が示唆された。

実践論文
  • 李 凱, 中西 貴行
    2025 年58 巻 p. 58-62
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究は,開発したManabaの学習履歴取得プログラムで取得したログデータを用いて,実証実験的に学習活動の分類を試みた。具体的に,取得したログデータから活動の量,活動の時間,活動の頻度の3カテゴリから43個の変数を抽出し,ログデータの構造化を行った。また,主成分分析とk-meansクラスタリング手法を用いて,学生の学習活動パターンを4つに分類できた。結果として,クラスター1と3を合わせて約半分の学生が高い活動の量と頻度で学習に取り組んでいることが分かった。クラスター4の学生が全体の学習活動と学習頻度が少なく,早期に適切な介入とサポートが必要と考えられる。本研究では,Manabaのログデータを活用し,学生のオンライン学習の特徴を抽出・分類できることを検証した。今後,多くのManaba教員ユーザーが学習履歴データを活用し,多様な学習評価,学生支援,教材の改善が期待できる。

  • ―中学生を対象とした実践研究―
    遠藤 直弥
    2025 年58 巻 p. 63-68
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究では,中学生を対象に,ネットへの情報発信の危険性を主体的に学ぶための教材を開発・実践した。仮想のブログサイト「えんどう、豆に書くブログ」を用い,生徒が名探偵として投稿者の情報を分析・推理する活動を通じて,情報が累積して個人情報の漏洩や悪用につながるリスクを体験的に学習できるよう工夫した。授業実践の結果,生徒たちは情報発信のリスクや個人情報の重要性を深く理解し,ネット利用を見直す姿勢を示した。本教材は情報モラル教育に効果的であり,生徒が安全にネット社会を活用できる力の育成に寄与することが期待される。

  • ―大学英語授業の実践からの考察―
    篠崎 文哉
    2025 年58 巻 p. 69-74
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究では,社会的存在感を高める可能性がある指導法や活動を英語授業に取り入れ,主に動画と音声による非同期コミュニケーションにおいてそれらがどのように作用するかを分析した。研究に参加した大学生のうち,1グループ(5名)に焦点を当て,多角的に分析した結果,授業前後で各参加者の自己評価に変化が見られた。また,理論的に記述化した振り返り文を分析した結果,社会的存在感の向上に寄与する方策に対する認識には,参加者間で共通しているものがあることが明らかになった。投稿された動画の分析を踏まえると,自己評価と実際の行動がほぼ一致している参加者と,やや乖離している参加者が確認された。

  • ―生成 AI の添削やアドバイスの試行的な活用―
    福島 耕平, 松野 秀治, 勝井 まどか, 國嶋 朝生
    2025 年58 巻 p. 75-81
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究では,小学生を対象とした推敲活動の効果を検証した。この活動では,児童が自らの作文と修正文を比較し,アドバイスを読んだうえで,自身の「気づき」を振り返りとして記述した。修正文とアドバイスの作成には,試行的に生成AIを活用した。その結果,文章構成力,校閲スキル,段落分けの頻度において向上がみられた。一方で,読み手を意識した表現力には明確な変化は認められなかった。

  • 鳴戸 宏太, 鳴海 智之
    2025 年58 巻 p. 82-87
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     近年の英語教育において,デジタルツールを活用した指導法の研究が進められており,特にKahoot!を用いた学習が学習者の情意面に与える影響について研究が行われている。しかし,その学習効果については明らかでない。そこで本研究では,中学3年生を対象に,Kahoot!を用いた英語の語彙・表現の学習効果を検証することを目的とし,Kahoot!を使用するグループとフラッシュカードを使用するグループに分けて比較を行った。直後・遅延テストの成績およびアンケート結果の両面から分析を行い,それぞれの学習方法が生徒の理解度や学習意欲に与える影響について検討した。その結果,Kahoot!を用いた受容語彙の学習は,生徒のモチベーションを高く維持しながら,フラッシュカードを用いた学習と同等,あるいはそれ以上の学習効果をもたらす可能性があることが明らかになった。

研究ノート
  • ―スコーピングレビューによる結果―
    戸簾 隼人, 上田 拓実, 上田 隼也, 山中 司
    2025 年58 巻 p. 88-91
    発行日: 2025/06/01
    公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究では,オンライン学習に見られるモチベーション低下や孤立感などの問題に対し,メタバースやVR,アバター等の技術を用いた自主学習に関する先行研究をスコーピングレビューで整理した。主要な学術データベースから2010年以降の関連文献を検索し,タイトル・抄録・全文審査を経て13件を分析対象とした。その結果,没入感やアバターを通じたコミュニケーションは学習意欲の向上や孤立感の軽減に寄与する報告がある一方,VR酔い,機器導入コスト,運用負荷などの障壁が依然として大きいことが確認された。また,学習理論やプライバシー保護への配慮,ICTリテラシの差異への対応など,運用設計における重要な検討点も示唆された。

ソフトウェアレビュー
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