コークス炉安水からの窒素除去に関し,生物学的硝化脱窒処理法を検討した。本検討において,硝化脱窒能力の限界・処理系の安定性・安水前処理の必要性等について以下の知見を得た。
(1)安水の硝化脱窒処理は,工水・海水両希釈系で実施可能であり,
最高硝化脱窒速度 工水系 海水系
硝化速度(mg-N/g-MLSS-Hr): 7.5 8.9
脱窒速度(mg-N/g-MLSS-Hr): 6.0 5.8
が得られた。また,最高T-N負荷も0.3Kg-N/K-MLSS・Dayまで可能であった。
(2)本処理系において,高負荷運転を安定的に行うためには,前・後段両方でメタノールの添加が必要であり,系内のNO
2濃度を50mg/1以下に抑えなければならないと考えられた。
(3)活性汚泥は,馴致により阻害物質に対してもある程度適応できるようになり,硝化液循環型のプロセスでは,希釈後原水CN濃度20mg/1においても硝化する事が確認できた。
(4)安水の直接処理によりアルカリの使用量はある程度削減できるが,硝化脱窒速度を維持するためには理論量の70%は必要であった。
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