意味ある仕事(meaningful work:以下MW)についての研究は、2000年前後から増加しており、理論モデルが整理されるとともに、仕事についての種々の要因との関連が検討されてきている。中でも、Lysova et al.(2019)は、MWを促進しうる個人・ジョブ・社会・組織レベルの諸要因について広範に概観・整理し、統合的な枠組みを提示している。本研究では、この枠組みに基づいて、個人レベルのレジリエンスの資質的要因、ジョブレベルのジョブ・クラフティング、社会レベルの職務満足感、組織レベルの心理的居場所感が、それぞれMWへ影響を与え、社会レベルと個人レベルが相互作用をするモデルを検討することを目的とした。結果、これらの変数を用いたモデルにおいて、おおむねこの枠組みに沿った仮説が指示され、多次元のレベルからMWを促進するためのアプローチについて検討すべきであることが示唆された。