Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
72 巻
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  • ―熟達段階による調整効果に焦点を当て―
    高田 治樹, 辰巳 哲子
    2023 年 72 巻 p. 1-16
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/22
    研究報告書・技術報告書 フリー
    新型コロナウィルスの蔓延にともないテレワークの普及率も高まりつつある。テレワークは働き方の改善などの肯定的な影響だけではなく、コミュニケーションの減少にともなう否定的な影響がもたらされることが明らかにされている。従業員のコミュニケーションを促す集まる機会を創出することによって,テレワークの否定的な影響を緩和することが可能になると考えられる。しかし,企業においてどのような集まる機会があるのかについての研究は少なく,また集まる機会が個人の適応に及ぼす影響は従業員の熟達段階によって異なると考えられるが熟達段階の調整効果については検討されていない。そこで,本研究では,集まる機会の認知を測定する尺度を作成し,個人の適応に及ぼす影響について熟達段階の調整効果を含めて検討した。4202名にウェブ調査を実施した結果,集まる機会は「感情共有の場」「一体感の場」「気づきの場」「意見共有の場」の4因子に分類されることが明らかにされた。また,熟達段階ごとに集まる機会が個人の適応に及ぼす影響を検討した結果,第一段階から第四段階までは「感情共有の場」が「仕事の充実感」に影響を及ぼしていたが,第5段階では「意見共有の場」が仕事への充実感に影響を及ぼしていた。また,第三段階と第四段階では「気づきの場」が仕事への充実感に影響を及ぼしていた。以上の結果から,熟達段階ごとに仕事を充実させる適切な集まる機会が異なっており,それぞれの段階に応じた対処が必要になることが示唆された。
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